中古車の現地輸入規則および留意点:バングラデシュ向け輸出

質問

バングラデシュへ中古車を輸出する際の現地輸入規則と輸入手続きについて教えてください。

回答

バングラデシュでは車齢5年以下、右ハンドルで品質基準を満たせば中古車を輸入することができます。

Ⅰ. 中古車輸入規制の概要

輸入可能な品質基準は以下のとおりです。

  1. 車種、車両重量、排気量に対し輸入規制なし
  2. 船積時の車齢は5年以下であること
    (輸入中古車の車齢は、車体製造の翌年1月1日から起算。ただし、1,250ccから2,000ccまでの中古タクシーについては、3年未満) (ダンプカーなどの建設機械は車齢5年以上でも輸入可能。ただし、10年以上の残存耐用年数があること)
  3. 右ハンドルであること
  4. 排出ガス:黒煙、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の排出は環境保護法により規制
  5. 原産国から第三国を経由せずに輸入すること
  6. シートベルトが装備されていること
  7. フロントガラス(ウインド・シールド・グラス)および運転席両側の窓ガラスは透明であること

Ⅱ. 輸出手続き

輸出前に日本自動車査定協会(JAAI)に輸出検査を依頼し、証明書(車齢、型番、車体番号を含む)を取得し、B/L上に記載する必要があります。
製造日は日本自動車工業会(JAMA)発行の車台番号 (Chassis number)一覧表に基づいて決定されます。

Ⅲ. 輸入者の資格、輸入、税関手続き

  1. 輸入業者基準
    すべての輸入業者は、事前に以下の書類を輸出入管理長官事務所(The Chief Controller of Imports And Exports: CCI&E)へ提出し、輸入登録証(Import Registration Certificate: IRC)を取得します。
    1. 事業用ライセンス(Trade License: ダッカ市役所が発給する事業者用ライセンス)
    2. 商工会議所会員登録証
    3. 納税者番号証明書(Tax Identification Number: TIN)
    4. 銀行証明書
    5. 会社定款
    6. 会社設立証明書
  2. 輸入手続き
    別途規定のない限り、すべてL/Cで決済されます。L/Cを開設する際には、信用状認可書(L/C Authorization Form: LCA)に以下の書類を添付して、銀行へ提出します。
    1. 信用状認可申請書
    2. プロフォーマインボイス
    3. 納税者番号証明書(Tax Identification Number: TIN)
    4. 輸入登録証(IRC)
    5. 所得税の納税を証明する自己申告書
    6. 保険料領収書(Insurance cover note with money receipt)
    7. 銀行口座番号
    8. 商工会議所会員登録証
    なお、CIFおよびCIP条件の取引では、輸入者は事前に商業省の承認が必要です〔Import Policy Order 2015-2018/Chapter Two 5(5)-(a)(ii)〕
  3. 輸入者が輸入申告時に必要な書類
    1. 事業用ライセンス(Trade License)
    2. 付加価値税(VAT)納付証明書
    3. 納税者番号証明書(TIN)
    4. 輸入登録証(IRC)
    5. インボイス
    6. パッキングリスト
    7. B/L
    8. 場合によって原産地証明書
    9. 信用状認可書(LCA)
    10. 日本自動車査定協会(JAAI)発行の証明書
    11. 輸出抹消登録届証明書(日本語、英語併記のフォーム使用)
    12. 船積前検査証明書(輸入者から要求された場合のみ)

Ⅳ. 輸入関税およびその他の諸税

輸入関税およびその他の諸税についてはHSコードを利用しバングラデシュ(National Board of Revenue)歳入庁サイトから”Tax Types” > “Customs Duty” > “Operative Tariff”に進み確認出来ます。

関係機関

関係法令

調査時点:2015年10月
最終更新:2025年8月

記事番号: A-001242

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