日本からの輸出に関する制度 コメの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

調査時点:2023年9月

本ページで定義するコメは、次のとおりです。

HSコード1006.20.00:玄米
HSコード1006.30.00:精米(部分精米を含む)
HSコード1006.40.00:砕米
HSコード1102.90.00:米粉
HSコード1904.90.00:パックご飯

オーストラリアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2023年9月

なし

関連リンク

関連省庁
オーストラリア農林水産省(DAFF)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
オーストラリア輸入検疫条件(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「Rice for human consumption or processing」と入力して検索。該当する条件を選択していくと、結果が表示されます。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2023年9月

日本からコメ(HSコード1006番台の玄米、精米、砕米の3品目)を輸出するためには、事前に日本の所管機関である農林水産省植物防疫所から次の事項を明記した「植物検疫証明書」の発給を受ける必要があります:

  1. サンプル検査からヒメカツオブシムシ種が(生きた個体、死体、抜け殻のいずれも)見つかっていないこと。
  2. HSコード1006.20.00:玄米の輸入で求められる出芽対策オプション(3.輸入時の検査・検疫で詳述)のうち「オーストラリア到着前の出芽テスト(Germination testing)」を選択した場合、「100個単位で繰り返し採取した合計 400個の種子からなる代表サンプルを用いて行った14 日間の発芽試験で、発芽はみられなかったこと(つまり、サンプルが100%死んだ種子であったこと)。

「植物検疫証明書」の発給に必要な書類
所定様式の「輸出検査申請書」を植物検疫所へ提出してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2023年9月

「コメの加工食品(商業的に包装されたコメ)」
  • 米粉(HSコード1102.90.00)
  • パックご飯(HSコード1904.90.00)
この2品目は次の定義と要件を満たせば連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を申請する必要がなく、検疫検査として次の事項を明記した証明書類(製造者宣言書、インボイス、船荷証券、航空貨物運送状、または製品仕様書)の提出が必要になります。
  • 商業的に加工および包装されていること。
  • ヒトの食用に供する目的で輸入されており、かつ常温で6カ月以上の保存が可能な密封または無菌包装(金属、プラスチック、または複合材料製の缶、「加熱密封」型の蓋つきのガラス瓶、無菌カートン、レトルトパウチなど)が施されていること。
BICONで確認する場合、次の順で検索:
「Rice for human consumption or processing (ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Retorted rice product (レトルト加工されたコメ製品)→ Not for personal use(個人使用ではない)の順に選択
「商業的に包装されていないコメ」
  • 「非khapra beetle(ヒメアカカツオブシムシ)流行国」(日本は非流行国)原産の玄米以外(白米、黒米など)(HSコード1006.30.00、HSコード1006.40.00)
連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を申請する必要はありませんが、検疫条件が細かく規定されており、それらへの遵守を確認するための検疫検査が行われます。詳細は「動植物検査検疫」を参照してください。
BICONで確認する場合、次の順で検索:
「Rice for human consumption or processing (ヒトの消費用もしくは加工用のコメ) 」で検索し→ Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→Wholly milled rice and broken rice (e.g. white rice) (完全に精米されたコメ、砕いたコメ(白米など))の順に選択
  • 「非khapra beetle(ヒメアカカツオブシムシ)流行国」(日本は非流行国)原産の玄米(HSコード1006.20.00)
連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を事前に取得する必要があります。そのためには、次の3通りの方法のいずれかによる「出芽対策」を実施し、必要な関連書類を提出する必要があります:
  • 出芽テスト(Germination testing)(オーストラリア到着前、または到着後)
  • 湿潤環境下加熱処理(Moist Heating treatment)(オーストラリア到着後)
  • 精米処理(Processing)(オーストラリア到着後)
それぞれの方法に対して、複雑な処理過程や検疫条件が規定されており、その概要に関しては「動植物検査検疫」を参照してください。
BICONで確認する場合、次の順で検索:
「Rice for human consumption or processing(ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→Husked rice or semi-milled rice (e.g. brown rice)(もみ殻を取り除いたコメ、または半精米(玄米など))の順に選択

関連リンク

関連省庁
オーストラリア農林水産省(DAFF)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
オーストラリア輸入検疫条件(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「Rice for human consumption or processing」と入力して検索。該当する条件を選択していくと、結果が表示されます。

オーストラリアでの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年9月

なし

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2023年9月

コメは残留農薬規制の対象です。残留許容基準は、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード(FSANZ)のStandard 1.4.2および、それに付属するSchedule 20、Schedule 21で定められています。Schedule 20は残留農薬基準(MRL)(食物中に存在する残留農薬対象)について100種類以上の化学物質別に、Schedule 21では外因性残留基準(ERL)について7種類の化学物質別に、それぞれ対象となる食品と各食品における化学物質の残留許容基準を設定しています。これらの基準はポジティブリスト形式で規定されており、各食品に該当する物質以外は残留禁止となっています。コメに該当する許容残留物質はすべてSchedule 20で規定されています。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年9月

コメは重金属および汚染物質規制の対象です。オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ)のStandard 1.4.1および付属Schedule 19の表において許容されるものとその許容条件(対象食品、上限)をポジティブリスト形式で規定しています。表に明記されている物質以外の汚染物質、有毒物質の含有は禁止されています。

  • S19—4(金属類)
  • S19—5(非金属類)
  • S19—6(天然毒性を有する物質)

4. 食品添加物

調査時点:2023年9月

コメは食品添加物規制の対象です。オーストラリアでは使用される食品添加物についてポジティブリスト制を採用しており、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ)のStandard 1.3.1によって、対象食品ごとに規定されています。許容食品添加物・着色料およびその上限基準は、前記Standard 1.3.1に付属するSchedule 15、 Schedule 16で確認することができます。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年9月

まず、全輸入食品共通の検疫条件として食品用の容器・包装に関しては、個々の包装は新品かつ昆虫、種子、土壌、泥、動植物の一部などの汚染物が付着していない清潔な容器で行わなければなりません。
これらの検疫条件を満たさない場合、または包装が完全・清潔ではない場合は、検疫検査・検疫処置の対象となることがあります。

次に、一部食品を対象にした検疫条件として、特定食品に対する容器の種類、性状や密封性に関する規制があります。これらに関しては「輸入通関手続き」および「動植物検査検疫」を参照してください。とりわけ、「商業的に包装されたコメ」に対する検疫条件の適用を受けるためには、常温で6カ月以上の保存が可能な密封または無菌包装(金属缶、ガラス瓶、無菌カートン、レトルトパウチなど)が必要になります。

最後に、食物安全・有害物質含有防止の観点からの食品包装規制として、オーストラリア・ニュージーランド食品基準(FSANZ)による規定とプラスチックの食品接触用途に関するオーストラリア・スタンダード(AS 2070-1999)があります。

FSANZによる具体的な規定はさらに3つのスタンダードに大別されます:

  1. 「重金属および汚染物質」で詳述したStandard 1.4.1による規制(容器との接触により、同スタンダードの規定により禁止されている物質や上限値を超えた物質を食品に含有させないことが求められます)
  2. Standard 3.2.2(食品安全に関する措置および一般要件)に含まれる食品包装に関する規定9(a)-9(c)
    1. 食品包装材料は所期の包装目的に適したもののみ使用すること
    2. 食品に汚染を及ぼすリスクのない包装材料のみ使用すること
    3. 包装作業の過程における食品汚染のリスクを排除すること
  3. Standard 1.1.1の包装材の形状・性状に関する規定10 (11), 12
    食品の包装材や、包装に含まれる乾燥剤・酸化防止剤などは、口の中に誤って入れた場合に飲み込まれて、気道や消化管をふさいだり、ほかのかたちで人体に傷害や不快感を与えたりするような形状・性状であってはなりません。

プラスチックの食品接触用途に関するオーストラリア・スタンダード(AS 2070-1999)は新品および再生プラスチックの食品包装への使用に関して次のとおり規定しています:

新品プラスチック
  1. 食品接触用途に使用される新品プラスチック材料は、次のいずれかの国際基準を満たすこと。
    1. 米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)によるFederal Regulations 21CFR Parts 170-199の関連規定(関連修正案などを含む)
    2. 欧州委員会によるCommission Directives 89/109/EEC(Framework Directive) および 90/128/EEC(82/711/EEC および 85/572/EECなどの関連修正案などを含む)
  2. 食品接触用途に使用される新品プラスチック材料に使用される着色料は欧州理事会による Resolution AP(89) 1, Resolution on the use of colourants in plastics materials coming into contact with food (関連修正案などを含む)を満たすこと
再生プラスチック
  1. ひとたび一般消費者による使用、または印字を経た再生プラスチックは直接食品に接触する用途に利用しないこと
  2. 新品プラスチックを用いた容器製造過程におけるリサイクルによって得られ、ほかのソースからのプラスチックによる混入がなくかつ前記(1)、(2)を満たす再生プラスチックのみを直接食品に接触する用途に利用すること

6. ラベル表示

調査時点:2023年9月

オーストラリアで販売するコメは、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ)および「原産地ラベリング情報に関する2016年基準法」により、次の項目の表示が義務付けられています。

  1. 食品名、ロット識別情報、供給業者名と所在地
  2. 原料成分表示
  3. 原産地表示
  4. 賞味期限、消費期限のいずれか(期限が2年以上の場合を除く)
  5. 使用方法および保存方法(必要に応じて)
  6. アレルギー成分などに関する警告・注意喚起・告知
  7. その他の特定含有成分
  8. 遺伝子組換え技術による加工(該当する場合)
  9. 栄養情報
  10. 放射線照射の有無(食品全体または一部の原材料)

関連リンク

根拠法等
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.1 ラベルまたはその他の方法による情報表示に関する要件(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.2 必要表示情報 食品識別(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.3 必要表示情報 アレルギー等に関する警告および告知(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.4 必要表示情報 原料成分外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.5 必要表示情報 販売用食品の日付表示(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.6 必要表示情報 使用方法および保存方法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.7 栄養、健康効果、および関連主張の表示に関する規定(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.8 栄養情報の表示に関する要件(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.2.10 必要表示情報 食品の代表的な原材料および構成物(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
原産地ラベリング情報に関する2016年基準法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.5.2 遺伝子組み換え技術により生産された食品(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) Standard 1.5.3 食品に対する放射線照射(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード (FSANZ) 付属Schedule 12 栄養情報パネル(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
令和元年度日本産コメ・コメ加工品輸出ハンドブック(一般社団法人全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

7. その他

調査時点:2023年9月

なし


オーストラリアの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2023年9月

「コメの加工食品(商業的に包装されたコメ)」
  • 米粉(HSコード1102.90.00)
米粉は次の要件を満たせば、輸入許可なしで輸入が可能です。ただし包装容量が25キロを上回る場合は植物検疫書が必要になります。
  1. ヒトの食用であること。またそれを製造者宣誓書(Manufacture’s declaration)、供給元宣誓書(Supplier’s declaration)、輸出者宣誓書(Exporter’s declaration)または商品ラベルにて記載すること。
  2. 種子や土壌、動物性や植物性の残片など、バイオセキュリティ上リスクのある物質が付着していないこと。
  3. 商業的に加工および包装されていること。

BICONで確認する場合、次の順で検索
「Processed grain and seed products for human consumption(ヒト食用の加工された穀物や種子)」で検索し→ Other(その他) →<輸送方法や貨物価値を選択>→Packaged in bags greater than 25kg / less than or equal to 25kg (包装容量が25キロを上回る/25キロ以下)→ Goods contain high risk ingredient (ハイリスク原料を含む)→Exported from country other than a khapra beetle target risk country(非khapra beetle(ヒメアカカツオブシムシ)流行国からの輸出)の順に選択

  • パックご飯(HSコード1904.90.00)
パックご飯は、次の要件を満たせば輸入許可なしで輸入が可能です。
  1. ヒトの食用であること。
  2. レトルト加工され、最低6カ月常温保存が可能であること。またそれを証明するため、次の項目を製造者宣誓書(Manufacture’s declaration)、インボイス(Invoice)、船荷証券(B/L: Bill of Lading)、航空貨物運送状(AWB: Air waybill)または商品規格リスト(Product specification list)に記載すること。
    • 商業的に加工および包装されていること。
    • 密閉もしくは無菌容器(※)で包装され、常温で最低6カ月保存が可能なこと。
※レトルト加工の容器として使用が認められている例:
金属、プラスチック、または複合材料製の缶、「加熱密封」型の蓋つきのガラス瓶、無菌カートン、レトルトパウチなど

BICONで確認する場合、次の順で検索: 「Rice for human consumption or processing (ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Retorted rice product (レトルト加工されたコメ製品)→ Not for personal use(個人使用ではない)の順に選択

「商業的に包装されていないコメ」
  • 「非khapra beetle(ヒメアカカツオブシムシ)流行国」(日本は非流行国)原産の玄米以外(白米、黒米など)(HSコード1006.30.00、HSコード1006.40.00)
連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を申請する必要はありませんが、検疫条件が細かく規定されておりそれらへの遵守を確認するための検疫検査が行われます。詳細は「動植物検査検疫」を参照してください。

BICONで確認する場合、次の順で検索:
「Rice for human consumption or processing (ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→ Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→ Wholly milled rice and broken rice (e.g. white rice) (完全に精米されたコメ、砕いたコメ(白米など))の順に選択

  • 「非khapra beetle(ヒメアカカツオブシムシ)流行国」(日本は非流行国)原産の玄米(HSコード1006.20.00)
連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を事前に取得する必要があります。そのためには、次の3通りの方法のいずれかによる「出芽対策」を実施し、必要な関連書類を提出する必要があります:申請することにより輸入できます:
  • 出芽テスト(Germination testing)(オーストラリア到着前、または到着後)
  • 湿潤環境下加熱処理(Moist Heating treatment)(オーストラリア到着後)
  • 精米処理(Processing)(オーストラリア到着後)

それぞれの方法に対して、複雑な処理過程や検疫条件が規定されており、その概要に関しては「動植物検査検疫」を参照してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2023年9月

まず、共通して必要な書類として、次の情報を含む通関書類を提出すること:

  1. 各積送品(Consignment)を特定する情報(entry numberなど)
  2. 各積送品(Consignment)に含まれるすべての輸入製品を特定する情報(インボイス、waybill またはimporter’s manifest)
  3. ほかの書類上の製品名などの記述だけでは具体的な製品・内容物が明らかでない場合、当該内容が分かるような情報(例:Product AX ⇒ Synthetic antibiotic;Comte ⇒ Cheese)

さらに、一部の品目に関しては、輸入許可の事前申請をオンラインで提出する必要があります。輸入許可の申請に当たっては、各品目別に提供される検疫条件の遵守を示す追加書類が必要になります。詳しくは「動植物検査検疫」を参照してください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2023 年9月

動植物検査検疫

HSコード1006番台のコメはすべて、次の基本的な検疫条件が適用されます:

  1. もみや、生きた昆虫、土壌、その他の動植物由来の物質(葉、茎や羽毛など)、検疫リスクを持つ汚染物の混入が基準値以下であり、かつ視認できる病的症状がみられないこと
  2. 袋積みの場合、人間の食用に適する清潔な袋によって包装されていること、かつヒトの食用のみを目的として飼料やその他の農業目的に利用しないこと
  3. 空路または海路経由で輸入される際、最初の入港地に到着した時点で連邦農林水産省(DAFF)に連絡して検疫検査の手配を行い、前記1.に対する遵守を確認するため検疫を受けること
  4. コンテナに袋積みのコメの場合は指定場所で全量を解荷して検査し、コンテナにバラ積みの場合は指定場所でサンプリングおよび検査を行うこと(その際の具体的な検査方法は後述の5.および6.を参照)
  5. コンテナにバラ積みされたコメの場合、そのコンテナの全長にわたってサンプルを採集する能力を持つプローブにより、コンテナからの積み下ろしの最中または終了後にサンプルを正しく抽出して検疫検査を行うこと
  6. 25キログラム以下の単位で袋積みされた場合、目視によりバイオセキュリティリスク物質の有無を検査し、25キログラムを超える単位での袋積みまたはバラ積みの場合はサンプリングにより同種検査を受けること
  7. 生きた昆虫または害獣が発見された場合、連邦農林水産省(DAFF)は専門家の諮問にかけたうえ、廃棄または返送を含む対策処置を指示することがある

さらに、次の品目は連邦農林水産省(DAFF)に事前に輸入許可を申請する必要があり、そのためには次の「出芽対策オプション」のいずれかを実施し関連書類を提出する必要があります。

HSコード1006.20.00:玄米
オーストラリア到着と同時に次のいずれかの試験・処理を行った場合に限り、連邦農林水産省(DAFF)による輸入許可を申請することにより輸入できます:
  1. 出芽テスト(Germination testing)(オーストラリア到着前、またはオーストラリア到着後)
    認定を受けた実験室において、正しく抽出されたサンプルに対して出芽テストを行い、出芽の可能性ゼロ(nil germination)の判定を受けて初めて輸入が許可されます。

    BICONで確認する場合、次の順で検索(オーストラリア到着前にテスト実施):
    「Rice for human consumption or processing(ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→ Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→ Husked rice or semi-milled rice (e.g. brown rice)(もみ殻を取り除いたコメ、または半精米(玄米など))→Goods arriving as high value freight (高価値の貨物)→ Germination testing (出芽テスト)→ Offshore germination testing(オーストラリア到着前に検査)の順に選択

  2. 湿潤環境下加熱処理(Moist Heating treatment)(オーストラリア到着後) 認定を受けた施設において次のいずれかの温度・湿度の組み合わせによる環境下での加熱処理を所定時間施して、初めて輸入が許可されます:
    摂氏85度、相対湿度50%で48時間、または 摂氏95度、相対湿度50%で24時間

    BICONで確認する場合、次の順で検索(オーストラリア到着前にテスト実施):
    「Rice for human consumption or processing(ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し→ Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→ Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→ Husked rice or semi-milled rice (e.g. brown rice)(もみ殻を取り除いたコメ、または半精米(玄米など)) → Goods arriving as high value freight (高価値の貨物)→Moist heat treatment(湿潤環境下加熱処理)の順に選択

  3. 精米処理(Processing)(オーストラリア到着後) 認定を受けた施設において、所定のプロセスにより精米・再包装処理を施して初め輸入が許可されます。

    BICONで確認する場合、次の順で検索(オーストラリア到着前にテスト実施):
    「Rice for human consumption or processing(ヒトの消費用もしくは加工用のコメ)」で検索し → Raw rice (Oryza spp.) (生のコメ(イネ属))→ Other end use (including commercial) (その他の使途(商業用を含む))→ Husked rice or semi-milled rice (e.g. brown rice)(もみ殻を取り除いたコメ、または半精米(玄米など))→ Goods arriving as high value freight (高価値の貨物)→ Processing(加工)の順に選択

前記の各オプションに関して、複雑な処理過程や検疫条件が規定されているため、ここではそれぞれの要旨と主要な検疫条件について概説しました。詳細はそれぞれに対応する「オーストラリア輸入検疫条件(BICONケース)」を参照してください。

なお、前記は貨物輸送による輸入に対する情報であり、郵便物(EMSを含む)および携帯品(手荷物)によるコメの輸入は禁止されています。

4. 販売許可手続き

調査時点:2023年9月

コメ類全般に対して、「ヒトの食用のみを目的とする輸入」が条件となっており、飼料や栽培などを目的として販売することは禁止されています。

関連リンク

関連省庁
オーストラリア農林水産省(DAFF)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
オーストラリア輸入検疫条件(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「Rice for human consumption or processing」と入力して検索。該当する条件を選択していくと、結果が表示されます。

5. その他

調査時点:2023年9月

なし

オーストラリア内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年9月

オーストラリアに輸入される日本産のコメ(HSコード1006番台)、米粉(HSコード1102.90.00)、およびパックご飯(HSコード1904.90.00)への関税は非課税です。

2. その他の税

調査時点:2023年9月

商品・サービス税(GST)が付加価値税(VAT)に該当します。オーストラリア国内で消費される商品のうち、コメや生鮮食品、小麦粉など生活を維持するために最低限必要な食糧品などの一部例外を除き、ほぼすべての商品・サービスに課されます。原則として加工食品はGST免除の対象とならないため、米粉(HSコード1102.90.00)、およびパックご飯(HSコード1904.90.00)にはGSTが課税されます。
GSTはFOB価格、海上/航空運賃、関税、保険を合わせた金額に対して10%が課されます。

3. その他

調査時点:2023年9月

通関費用(豪ドル)

  1. 電子申請の場合
    Consignment Value(CIF価格)が、
    ≦1,000豪ドルの場合:なし
    >1,000豪ドル ~ <10,000豪ドルの場合:50.00豪ドル
    ≧10,000豪ドルの場合:152.00豪ドル
  2. 紙書類申請の場合
    Consignment Value(CIF価格)が、
    >1,000豪ドル ~ <10,000豪ドルの場合:90.00豪ドル
    ≧10,000豪ドルの場合:192.00豪ドル
申請方法 Consignment Value(CIF価格) 通関費用(2023年9月15日現在)
電子申請 ≦$1,000 なし
>$1,000 ~ <$10,000 $50.00
≧$10,000 $152.00
紙書類申請 >$1,000 ~ <$10,000 $90.00
≧$10,000 $192.00