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味覚・嗜好上の特徴
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- シンガポールの食文化は、同国の多彩な背景や歴史を反映し、非常に多様。総人口約592万人のうち約70%が定住者であり、民族構成は、中国系(74.0%)、マレー系(13.5%)、インド系(9.0%)、その他の民族(3.4%)である(2023年)。世界各国から労働許可証を取得し て滞在している約30%にあたる177万人の非定住者も、シンガポールの食文化に対し、さらに多くの影響を与えている。
- 基本的に味付けが濃く、スパイシーなもの、甘いものを好む。塩辛い、酸っぱい、薄味、あっさりとした味は苦手とする。
- 日本のスイーツでは特に北海道産が人気。適度な甘さと洗練されたパッケージの商品が人気を呼んでいる。
- 健康志向の高まりから、減塩商材や健康食品に販路開拓の可能性あり。政府はニュートリグレード(糖分・飽和脂肪酸の含有量を示した栄養表示の義務化。2023年12月30日から、飲食店やホテルなどの店頭で作られたカスタマイズ可能な飲料も含まれる)やヘルシエ・チョイス・シ ンボル(Healthier Choice Symbol。日本のトクホマークに相当するもの)など、多くの施策を実施中。 病院食や介護食にも参入の余地あり。植物性肉市場も拡大中
- 日本産食品には安心・安全・健康といったイメージがある。
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制度的制約
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- 食肉(牛肉、豚肉)、食肉加工品の輸入には、認定食肉処理施設による加工が義務づけられている。施設認定方法は2019年6月から、シンガポール食品庁(SFA、旧AVA)から日本(厚生労働省)主体となった。
- 鶏肉、鶏肉加工品、卵製品:2019年6月1日から輸入解禁。輸入には認定施設による加工が義務付けされており、施設はシンガポール食品庁の認定が必要。
- 牡蠣:活カキは、北海道産、宮城県産、三重県産、広島県産、福岡県産、大分県産のみ輸入可能(2023年8月時点)。その他の地域は冷凍品のみ。衛生証明書の添付が必要。二枚貝全般に貝毒に関する規制あり。
- コメ:精白米の輸入ライセンスを取得した事業者は、50トンを超える月間輸入量を公約しなければならず、その2倍量以上の貯蔵米を国家備蓄用として政府が指定する倉庫に貯蔵維持しなくてはならない。
- ふぐ:2022年8月31日から筋肉に加えて、養殖されたふぐの皮(ヒレを含む)・精巣の輸入が可能。都道府県などによる施設認定、衛生証明書が必要。
- 2021年6月1日からトランス脂肪酸の主原料となる部分水素添加油脂(PHOs)を含む食品の、輸入・製造・販売が禁止。
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商流・物流・商習慣
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- 日本食品を揃える高・中級以上のスーパーマーケットは、Dairy Farmグループ(主に「Cold Storage」)とNTUCグループ(主に「FairPrice Finest」)など地場系スーパーマーケットで大半のシェアを占めている。
- 小規模な地場系スーパーマーケット(Little Farms, Sheng Shiongなど)でも日本食品は販売されているが、上記の小売りグループと比較してラインアップが少ない。
- 日本食品小売は、明治屋と伊勢丹、DON DON DONKI(ドン・キホーテ)などで品揃えが豊富だが、地場系スーパーマーケットでも日本食品専用棚を設けており、菓子や加工食品の購入が可能。
- 現地小売店の商習慣は委託販売が中心で、賞味期限が迫ると返品されるため、輸入卸売業者が返品リスクを負っている。また、プロモーション費や新商品の登録、取引口座開設の手数料や高額なPR費用などを要求されることが一般的。
- 日本食の多くは輸入卸売業者を通して輸入されている。輸入ライセンスの取得が容易なことから、直接自社で輸入する日本食レストランもある。
- 空輸、海上輸送(ドライ、リーファー)ともに整備されており、コールドチェーンも確立されている。一般的に日本からの種類別食品輸入の割合は、生鮮食品(2割)、非生鮮食品+加工食品(8割)と言われているが、生鮮食品は空輸に頼るケースが多く、運賃面での課題がある。
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Eコマースの概要
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- EC(eコマース)は、スマートフォン・インターネットの普及率の高さから国民の間で定着しており、外国資本の参入が多く見られる。主なEC事業者としてLazada (redmart)、Shopee、Qoo10、Amazonなどが挙げられる。
- コロナ禍によるビジネス環境の変化を契機に、いくつかの食品ディストリビューターが自社ECサイトで消費者に直接販売するビジネスを開始。
- 日本食品を中心に取り扱うECサイトが多数存在。
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外食・小売等の状況
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- 日本食は広く国民に受け入れられており、すし、ラーメン、牛丼、とんかつ、カレーライス店など、人気の日本食レストランが多数存在。地場の日本食レストランも増えている。
- 日系スイーツ店、地場の日本式カフェ (Matchayaなど)も増えている。
- ロジャック(マレー風サラダ料理)、ラクサ(辛いスープ麺料理)、サテー(串焼き肉)、ロティ・プラタ(生地を伸ばしてギーで焼いた平たいパン)、チキンライス、チャークワイティオ(平たい麺の炒め物)など、さまざまなシンガポール料理を手頃な価格で提供する屋台が集まる複合施設(ホーカーセンター)が庶民の台所として、地元民だけでなく外国人居住者や観光客でにぎわっている。
- コロナ禍以降、Grab、Foodpanda、Deliverooなどのフードデリバリーアプリが台頭し、実店舗を持つレストランでもデリバリー注文できるメニューの選択肢が大きく広がり、デリバリーの売上が増加している。
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日本食普及状況等
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- 日本食品は広く普及しているが、都市国家シンガポールでは「地方」という概念がないため、多くの国民は「○○県産」といったことに関心が少なく、関心があるのは「メイド・イン・ジャパン」ということである。また、「メイド・イン・ジャパン=高価格」というイメージもあり、「価格」と「品質」を両立したコストパフォーマンスのよい商材の提案が必要となる。
- 安定市場のため既存品との差別化、価格引き下げ努力が必須。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及しており、「流行に敏感」であることから商品サイクルは早い。
- シンガポールは共働きが一般的であり、あまり家庭で調理をしないため、簡単調理(RTE:Ready To Eat、RTH:Ready To Heat)できるものが好まれる。また、業務用についても、厨房スタッフの離職率が高いことによる熟練した人材の不足や、サービス産業の担い手である外国人労働者の就労ビザ管理強化による雇用難により、加工度の高い(手がかからず、調理がしやすい)食材の需要が高まっている。
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水産物
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日本食レストランには欠かせない商材。小ロットのため、空輸による輸入が一般的であり価格が高い。求められる魚種も限定的なうえ、漁獲時期が限られるため、通年供給が課題。また、調理時の手軽さから、一次加工品(フィレ等)を好むレストランも多い。
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タイ・インドネシアなどで製造された日系大手食品メーカーの商品が多数販売されている。新規参入に際しては、価格および品質面など全体的に、これらの商品との差別化を図る必要がある。
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加工食品
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タイ・インドネシアなどで製造された日系大手食品メーカーの商品が多数販売されている。新規参入に際しては、価格および品質面など全体的に、これらの商品との差別化を図る必要がある。パッケージが日本語表記で中身がわからないものや、調理方法の記載もないケースもあるため、あらかじめ販売方法に留意すべきである。現地バイヤーなどからのヒアリングによると、今後需要が見込まれるものとして、冷凍商品(ケーキ、和菓子、惣菜など)、レトルト商品(釜飯、おこわ、真空パック食品など)が挙げられる。日本風のパン(日本産小麦粉で作った食パン、明太子入りパン等)も地場系のベーカリーで見かけられるようになった。
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牛肉
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日本産和牛」は高級肉として品質の高さは認知・理解されており、需要は高く、マーケットも拡大しているが、購買意思決定の要素である価格の面で、品質とのバランスが重要。豪州やアメリカ産の「Wagyu」は、日本の和牛に比べて値段が手頃なため、様々な小売店舗等で販売されている。
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日本からの白米の輸入に加え、玄米を輸入し現地で精米・販売する業者が積極的に事業展開している。販売先は、日系レストランやスーパーマーケット、地場の日本食レストランなどである。近年、日本米を使用する地場の日本食レストランも増加している。日本酒およびアルコール飲料は、アルコール度数に応じた物品税があり、販売価格を押し上げている。日本酒については、有名銘柄を中心にマーケットが拡大しているが、日本酒に詳しいシンガポール人が増えており、飲食店では珍しい銘柄も売れるようになってきている。
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青果物
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日本産の果物は、品質が良く、おいしいことは理解されている。価格が高く、一部の富裕層向けの商品という位置付けである。同じ果物でも「産地間の連携」や「フレッシュ(旬)⇒冷凍(カットフルーツ)⇒冷凍(加工品)⇒果汁」といった形態を変えての通年供給など、日本産果物の認知度向上への工夫が必要。野菜は小ロット、鮮度管理の観点から空輸で輸入されており、価格が高い。中国産のマスカットなど、日本のマスカットの4分の1の値段で買える手頃な果物も増えている。
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花き
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日本産の花きに対する認知度は低い。国民の80%はHDB(公団住宅)に居住しており、園芸人口は比較的少ない。フラワーショップ、園芸用品店も数は少ない。
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茶
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日本産の緑茶は、日系、地場問わずスーパーマーケットやレストランに流通している。価格が高いものの、品質の良さや機能性が評価され、ブランド力による差別化が図られている。また、"Maccha"スイーツが定番化していることから、菓子向けなどの業務用粉末抹茶の需要もあり、現地バイヤーの関心は高い。一方で、日本企業同士の競合も生じており、単に商品をアピールするだけでなく、新たな活用方法の提案など、戦略や売り込み方の工夫がより一層必要となる
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