スリランカの貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 2025年の実質GDP成長率は5.0%と2年連続のプラス成長。
  • 対内直接投資は前年比73.2%増と大幅回復、マクロ経済安定化が背景。
  • 税制優遇の明確化や輸出加工区拡大など投資誘致を強化。
  • 自動車輸入の再開で、対日貿易・投資ともに拡大。
  • 日系企業の事業拡大意欲は持続も、サイクロンなど外部リスクが顕在化。

公開日:2026年7月23日

マクロ経済

経済回復は継続、デフレ脱却の一方でサイクロン被害が発生

スリランカ・センサス統計局(DCS)によると、2025年の実質GDP成長率は5.0%となり、2024年に続き2年連続のプラス成長を記録した。また、1人当たり名目GDPは前年度比10.1%増の5,003ドル相当と推定され、初めて5,000ドルを上回った。

最大都市コロンボでは2024年9月以降、デフレ状態が継続していたが、2025年8月には12カ月ぶりにインフレ率が前年同月比1.2%とプラスへ転じた。スリランカ中央銀行(CBSL)は、今後もインフレ率は上昇し、2026年半ばに政府目標である5%へ到達するとの見通しを示している。

一方で、外部環境や自然災害によるリスクも顕在化している。米国が2025年4月にスリランカに対して20%の相互関税を課す方針を発表し、最終的には8月から20%の課税が開始された(2025年8月4日ビジネス短信参照)。同月に実施した日本企業へのヒアリングでは、影響は限定的との見方が多かった。しかしながら、2025年11月末に発生し、スリランカを直撃したサイクロン「ディトワ(Ditwah)」は、経済や社会に深刻な影響を及ぼした。世界銀行は12月22日、サイクロンに関する自然災害迅速被害推定(GRADE)報告書を公表し、建物や家財、農業や重要インフラに対する被害推定額が、スリランカのGDPの4.1%に相当する40億9,600万ドルに達すると発表した。報告書によると、被害推定額の内訳は、道路や橋、鉄道や給水網などの破壊によるインフラ被害が17億3,500万ドル、家屋や家財などへの住宅被害が9億8,500万ドル、コメや野菜、畜産や漁業などの農水産業の被害が8億1,400万ドル、学校や病院、工場など非住宅施設への被害が5億6,200万ドルに及ぶ。また、地域別では、スリランカの全25県で洪水や豪雨による被害が発生し、特に中部のキャンディ県では、洪水や地滑りによる被害が深刻となり、被害額は6億8,900万ドルに達すると推定している。

IMFプログラムが進展、マクロ経済も安定化

スリランカは2023年以降、構造改革を条件としたIMFによる金融支援プログラムを受けている。同プログラムは、財政健全化、外貨準備の回復、債務持続性の確保、ガバナンス強化などを目的としている。

IMFは2025年3月に実施した第3回審査で、2億5,400万SDR(約3億3,400万ドル、注)の追加拠出を決定した。これにより、金融支援プログラムに基づく累計資金供給額は10億2,000万SDRに達した。同審査においてIMFは、2024年末までの数値目標は社会福祉支出を除きほぼ全て達成、2025年1月末までの構造改革目標も大部分で達成と評価し、改革の進捗は総じて順調とされた。また、改革の効果として、物価上昇率の低位安定、税収の改善、外貨準備の増加が確認され、経済の回復基調が強まっていることが指摘された。

(注)
SDRはSpecial Drawing Right(特別引き出し権)の略。通貨ではないものの、ドル、ユーロ、中国人民元、日本円、英国ポンドの5通貨のバスケットに基づく国際準備資産の価値を示す。

続く2025年7月実施の第4回審査では、2億5,400万SDRの資金拠出を承認した。これにより、同プログラムに基づく累計資金供給額は12億7,400万SDRに到達し、債務再編の状況についても「完了に近づいている(nearing completion)」と評価した。具体的成果としては、2025年3月末までの指標ターゲットはほぼ全て達成し、構造改革もおおむね順調に進展、同年3月末時点での外貨準備高は67億4,700万ドルまで回復と、マクロ経済の安定化が一段と明確となった。その一方でIMFは、支出延滞データの報告不備により本来はプログラム違反となる事案について、当局が是正措置を講じることを踏まえ、違反の扱いの免除を承認し、今後も改革の着実な実施が不可欠と強調した。

これらのことから、2025年はスリランカにおいて一連の構造改革プログラムが着実に進展し、マクロ経済の安定化と改革の成果が顕在化した年と位置付けられよう。

表1 スリランカの需要項目別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。
項目 2023年 2024年 2025年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 △ 2.0 5.0 5.0 4.7 5.0 5.3 4.8
民間最終消費支出 △ 1.0 4.8 6.3 3.4 14.0 6.8 2.2
政府最終消費支出 △ 5.4 △ 1.1 △ 0.8 △ 1.6 △ 1.3 △ 1.9 1.4
国内総固定資本形成 △ 6.6 17.7 9.8 14.2 △ 8.3 6.0 23.3
財・サービスの輸出 12.7 12.4 5.1 5.9 6.0 5.6 2.8
財・サービスの輸入 8.9 21.6 10.8 12.3 14.2 7.5 10.1

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。

〔出所〕スリランカ・センサス統計局(DCS)「National Accounts Estimates of Sri Lanka」

貿易

2025年の貿易は内需回復と外需改善が同時進行、赤字は拡大

2025年の貿易額(通関ベース)は、輸出が前年比6.3%増の135億8,100万ドル、輸入は14.0%増の214億8,000万ドルとなった。貿易収支は78億9,900万ドルの赤字となり、貿易赤字額は30.2%増加した。経済活動の活性化により輸入量が回復し、輸出の伸びを上回ったかたちだ。

輸入増加の要因としては、内需の回復に伴う消費財需要の拡大が挙げられる。消費財の輸入額は前年比59.2%増と大きく伸びた。燃料や繊維製品など輸入総額の5割以上を占める中間財は0.5%減少したものの、機械・機器や建設資材などの資本財が18.6%増加した。

輸出の増加については、海外市場における需要の回復が寄与した。特に主要輸出品目である繊維製品・衣料品や農産品の輸出が増加し、全体の伸びを支えた。品目別では、構成比が高い繊維製品・衣料品(前年比5.0%増、53億1,400万ドル)や茶(5.0%増、15億700万ドル)の輸出拡大が全体の伸びにつながった。

表2-1 スリランカの主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕2025年は暫定値。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
農産品 2,774 3,072 22.6 10.7
1,436 1,507 11.1 5.0
香辛料 455 443 3.3 △ 2.6
ココナッツ 416 574 4.2 37.7
海産品 233 240 1.8 3.1
野菜 29 34 0.3 20.9
ゴム 26 31 0.2 20.2
未加工たばこ 26 27 0.2 3.6
その他農産品 154 216 1.6 39.8
工業製品 9,947 10,461 77.0 5.2
繊維製品・衣料品 5,061 5,314 39.1 5.0
石油製品 1,063 971 7.1 △ 8.7
ゴム製品 976 915 6.7 △ 6.2
食品・飲料・たばこ 652 895 6.6 37.4
機械・機器 486 492 3.6 1.4
宝石、ダイヤモンド、宝飾品 382 388 2.9 1.6
化学製品 234 310 2.3 32.2
卑金属および物品 187 207 1.5 10.5
動物飼料 133 169 1.2 26.9
木材・紙製品 124 118 0.9 △ 4.7
輸送機器 107 125 0.9 16.3
皮革、旅行用品、履物 62 69 0.5 11.5
プラスチックおよびその成形品 54 56 0.4 3.9
印刷業界向け製品 47 58 0.4 21.7
セラミック製品 32 29 0.2 △ 8.5
その他工業製品 347 346 2.5 △ 0.5
鉱業品 25 24 0.2 △ 1.4
その他 26 24 0.2 △ 6.7
合計(その他含む) 12,772 13,581 100.0 6.3

〔注〕2025年は暫定値。

〔出所〕スリランカ中央銀行「Annual Economic Review 2025」

表2-2 スリランカの主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕2025年は暫定値。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
消費財 3,466 5,518 25.7 59.2
食料品・飲料品 1,914 2,116 9.9 10.5
野菜 446 406 1.9 △ 8.9
砂糖・菓子類 390 368 1.7 △ 5.5
乳製品 240 358 1.7 49.1
油脂類 248 357 1.7 44.0
香辛料 116 101 0.5 △ 12.5
穀物・製粉産業製品 163 155 0.7 △ 5.2
海産品 119 135 0.6 13.8
その他食料品・飲料品 194 236 1.1 22.0
その他の消費財 1,551 3,402 15.8 119.3
医薬品 576 667 3.1 15.9
衣類・アクセサリー 226 264 1.2 16.8
家電製品 156 202 0.9 29.6
通信機器 142 222 1.0 56.4
家庭用品・家具 138 153 0.7 11.0
ゴム製品 85 88 0.4 3.1
化粧品・トイレタリー 75 87 0.4 16.1
自動車(個人用) 66 1,607 7.5 2,325.5
その他食品以外の消耗品 88 113 0.5 28.3
中間財 11,915 11,859 55.2 △ 0.5
燃料 4,354 4,042 18.8 △ 7.2
繊維製品 2,847 2,749 12.8 △ 3.4
化学製品 987 1,038 4.8 5.2
プラスチックおよびその製品 609 643 3.0 5.6
卑金属 473 541 2.5 14.3
紙・板紙およびその製品 447 411 1.9 △ 8.0
小麦とトウモロコシ 383 398 1.9 4.1
ゴムおよびその成形品 317 296 1.4 △ 6.5
自動車・機械部品 301 357 1.7 18.7
農業資材 264 271 1.3 2.9
食品 223 319 1.5 42.9
ダイヤモンド、貴石、半貴石 217 149 0.7 △ 31.5
肥料 201 309 1.4 53.7
鉱物製品 127 155 0.7 21.9
その他中間財 164 179 0.8 9.1
資本財 3,448 4,090 19.0 18.6
機械・機器 2,363 2,513 11.7 6.4
建設資材 927 1,017 4.7 9.7
輸送機器 155 556 2.6 259.0
(うち商用車) 47 440 2.1 831.9
その他資本財 3 4 0.02 36.2
その他 13 13 0.1 △ 0.7
合計(その他含む) 18,841 21,480 100.0 14.0

〔注〕2025年は暫定値。

〔出所〕スリランカ中央銀行「Annual Economic Review 2025」

表3-1 スリランカの国・地域別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕2025年は暫定値。
国・地域 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
米国 2,911 3,000 22.1 3.1
インド 884 1,041 7.7 17.8
英国 906 930 6.8 2.6
ドイツ 629 707 5.2 12.4
イタリア 596 678 5.0 13.8
オランダ 393 475 3.5 20.9
アラブ首長国連邦(UAE) 337 348 2.6 3.3
カナダ 321 318 2.3 △ 0.9
中国 273 299 2.2 9.5
日本 180 188 1.4 4.4
合計(その他含む) 12,772 13,581 100.0 6.3

〔注〕2025年は暫定値。

〔出所〕スリランカ中央銀行「Annual Economic Review 2025」

表3-2 スリランカの国・地域別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕2025年は暫定値。
国・地域 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
中国 4,366 5,160 24.0 18.2
インド 3,870 4,378 20.4 13.1
アラブ首長国連邦(UAE) 1,489 1,556 7.2 4.5
日本 253 1,125 5.2 344.7
シンガポール 1,300 1,062 4.9 △ 18.3
マレーシア 660 952 4.4 44.2
インドネシア 444 557 2.6 25.5
米国 443 545 2.5 23.0
タイ 301 480 2.2 59.5
オマーン 473 469 2.2 △ 0.8
合計(その他含む) 18,841 21,480 100.0 14.0

〔注〕2025年は暫定値。

〔出所〕スリランカ中央銀行「Annual Economic Review 2025」

対内直接投資

対内直接投資額は前年比73.2%増の10億6,300万ドル

スリランカ投資委員会(BOI)の2025年の外国直接投資(FDI)統計によると、対内直接投資額(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比73.2%増の10億6,300万ドルだった。BOIは対内直接投資額の増加について、マクロ経済の安定化などにより海外投資家のスリランカに対する信用回復が寄与したと分析している。スリランカの対内直接投資額は、2022年に発生した対外的な債務不履行により国際的な信用が低下し、2023年以降減少していた。

国・地域別では、シンガポールからの投資額が最も多く3億1,900万ドル(前年比16.1倍)、次いでインドから2億1,400万ドル(65.1%増)、フランスが1億2,200万ドル(10.6%減)、オランダが1億1,800万ドル(38.8%増)となった。日本からは1,600万ドル(33.8%増)となり、2011年以来14年ぶりに中国(1,400万ドル)を上回った。業種別では、製造業が前年比87.1%増の4億8,600万ドル、インフラ関連が61.7%増の4億500万ドル、サービス業が62.2%増の1億6,800万ドルと拡大した。

スリランカ政府は、2026年の対内直接投資額の目標を15億ドルに設定し、税制優遇措置の明確化や輸出加工区(EPZ)の拡大を通じ、外国企業の誘致を推進する方針だ。

表4 スリランカの国・地域別対内直接投資〔国際収支ベース、ネット、フロー〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕実行ベース
国・地域 対内直接投資
2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
シンガポール 20 319 30.0 1,511.8
インド 129 214 20.1 65.1
フランス 137 122 11.5 △ 10.6
オランダ 85 118 11.1 38.8
ルクセンブルク 16 50 4.7 205.5
マレーシア 25 47 4.4 86.3
香港 9 28 2.6 196.1
アラブ首長国連邦(UAE) 69 24 2.2 △ 65.8
米国 11 24 2.2 111.0
日本 12 16 1.5 33.8
オーストラリア 4 15 1.4 267.7
合計(その他含む) 614 1,063 100.0 73.2

〔注〕実行ベース

〔出所〕スリランカ投資委員会(BOI)提供データをもとにジェトロ作成

表5 スリランカの業種別対内直接投資〔国際収支ベース、ネット、フロー〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕実行ベース
業種 対内直接投資
2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
製造業 260 486 45.7 87.1
食品・飲料・たばこ 1 4 0.4 276.0
繊維・衣料・皮革製品 46 164 15.4 257.0
木材・木材製品 2 0 0.0 △ 91.9
紙・紙製品、印刷・出版 9 1 0.1 △ 87.6
化学・石油・石炭製品 22 12 1.1 △ 45.8
ゴム製品 144 255 24.0 76.9
非金属鉱物製品 14 23 2.2 58.8
金属加工・機械・輸送機械 6 8 0.8 26.6
その他製造業 15 19 1.8 25.2
農業 0 4 0.4 6,850.0
サービス業 104 168 15.8 62.2
ホテル・レストラン 91 117 11.0 29.0
IT、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO) 3 8 0.8 217.0
その他サービス 10 43 4.0 318.7
インフラ関連 250 405 38.1 61.7
住宅物件開発・店舗・オフィス 20 56 5.3 174.8
電話・通信ネットワーク 68 66 6.2 △ 3.4
電力 4 0 0.0 △ 86.6
燃料、ガス、石油、その他 71 7 0.6 △ 90.4
港湾コンテナターミナル 87 275 25.9 214.8
合計(その他含む) 614 1,063 100.0 73.2

〔注〕実行ベース

〔出所〕 スリランカ投資委員会(BOI)提供データをもとにジェトロ作成

対日関係

対日貿易は自動車・バイクの禁輸解除で6倍増、投資も拡大傾向

2025年のスリランカにおける日本からの輸入額は前年比6.0倍の13億6,800万ドルとなり、自動車・バイクの輸入が解禁された2025年2月1日以降、大幅な増加となった。輸入元国としての順位も4位に上昇した。品目別では日本からの主要輸入品である輸送機器・部品(32.8倍、10億6,900万ドル)や電気・電子部品(11.3%増、2,300万ドル)などが増加した。

2025年の日本への輸出額は前年比3.0%減の2億5,200万ドルで、主な輸出品は茶(16.0%増、5,000万ドル)、ゴム製品(9.9%増、3,600万ドル)、衣類(ニット製品)(10.2%増、2,200万ドル)などだった。

表6-1 日本の対スリランカ主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
輸送機器 33 1,069 78.1 3,176.2
一般機械 42 64 4.7 52.9
ゴム及びその製品 29 27 2.0 △ 9.4
電気.・電子部品 21 23 1.7 11.3
衣類(ニット製品) 13 14 1.0 10.5
精密機械 11 12 0.9 17.9
人工繊維(糸、織物) 10 12 0.9 23.9
プラスチック及びその製品 8 9 0.6 2.3
各種の化学工業生産品 6 6 0.4 △ 1.7
鉱物性燃料 3 4 0.3 34.4
合計(その他含む) 227 1,368 100.0 502.7

〔出所〕 グローバル・トレード・アトラス(S&P Global)からジェトロ作成

表6-2 日本の対スリランカ主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
コーヒー、茶、マテ及び香辛料 43 50 20.0 16.0
ゴム及びその製品 33 36 14.3 9.9
衣類(ニット製品) 20 22 8.8 10.2
衣類(布帛製品) 19 19 7.3 △ 3.0
植物性生産品 12 15 5.9 18.9
電気・電子部品 11 13 5.3 25.2
宝石・貴金属 8 11 4.3 28.7
動物性飼料 18 10 3.9 △ 44.3
海産品 12 9 3.5 △ 25.6
6 8 3.1 40.4
合計(その他含む) 260 252 100.0 △ 3.0

〔出所〕 グローバル・トレード・アトラス(S&P Global)からジェトロ作成

2025年の日本からスリランカへの投資は、前年比33.8%増の1,600万ドルに拡大したものの、対内直接投資全体では構成比1.5%にとどまっている。

進出日系企業のビジネス・投資環境、事業見通しは改善

スリランカの投資環境は回復基調にある。ジェトロが2025年に実施した「2025年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、2024年と比較した2025年の営業利益見込みについて、在スリランカ日系企業(回答数28社)の39.3%が「改善」、50.0%が「横ばい」と回答した。2025年と比較した2026年の営業利益見通しについては、50.0%が「改善」、42.9%が「横ばい」と、9割以上が比較的明るい見通しを示した。

スリランカの投資環境上のメリットとしては、「言語・コミュニケーション上の障害の少なさ」(56.7%)、「人件費の安さ」(40.0%)、「市場規模/成長性」(30.0%)、「ワーカーなどの雇いやすさ」(30.0%)、「従業員の質の高さ」(26.7%)、が上位を占めた。スリランカの人件費(製造業・作業員、月額基本給・平均値)は138ドルで、ラオス(145ドル)、パキスタン(142ドル)と並ぶ水準であり、アジア・オセアニア地域においても一定の競争力があるといえよう。

他方でスリランカの投資環境上のリスクとしては、「不安定な政治・社会情勢」(83.3%)、「現地政府の不透明な政策運営」(60.0%)、「法制度の未整備・不透明な運用」(46.7%)、「税制・税務手続きの煩雑さ」(43.3%)、「行政手続きの煩雑さ(許認可など)」(40.0%)が挙げられた。

2025年2月の自動車・バイク輸入再開を背景に、関連市場の回復や消費の持ち直しがみられている。これを受けた直近の日系企業の動向として、Toyota Lanka社は2025年7月に創立30周年記念イベント「TOYOTA LIFE - The Grand Reveal」を開催し、21車種から成る2025年向け新型車ラインアップを発表した。SUV、ハイブリッド車、商用車などの商品拡充を進めるとともに、販売・アフターサービス体制の強化を図っている。また、スリランカの人材活用を視野に法人を設立する事例も出ており、高度外国人材の供給拠点としての同国の潜在力に対する期待が高まっている。

2025年9月には、アヌラ・クマーラ・ディサナヤケ大統領が参加した「スリランカビジネスフォーラム」が東京で開催され、経済産業省がジェトロとともに策定した「輸出志向型産業回廊構築に向けたロードマップ」を紹介した。本ロードマップは、南アジアの巨大市場を生かした域内貿易の促進や、スリランカのグローバルサプライチェーン参画を目指すものであり、これらを後押しするため、域内関係国で連携すべく調整していく方針が共有された。

基礎的経済指標

(△はマイナス値) 〔注〕 2025年は暫定値。貿易収支は国際収支ベース(財のみ)。
項目 単位 2023年 2024年 2025年
実質GDP成長率 (%) △ 2.0 5.0 5.0
1人当たりGDP (米ドル) 3,818 4,546 5,003
消費者物価上昇率 (%) 16.5 1.6 0.2
失業率 (%) 4.7 4.4 3.9
貿易収支 (100万米ドル) △ 4,900 △ 6,069 △ 7,899
経常収支 (100万米ドル) 1,439 1,207 1,719
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 4,336 6,048 6,747
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 54,257 55,215 54,807
為替レート (1米ドルにつき、ルピー、期中平均) 323.92 292.58 309.99

〔注〕
2025年は暫定値。貿易収支は国際収支ベース(財のみ)。

〔出所〕
実質GDP成長率、1人当たりGDP、 消費者物価上昇率、失業率、貿易収支、経常収支、為替レート:スリランカ中央銀行「Annual Economic Review 2025」
外貨準備高(グロス):スリランカ中央銀行「Reserve Data Template - Historical」
対外債務残高(グロス): スリランカ中央銀行「Quarterly External Debt Statistics as at End Quarter (2012 4Q to Latest)」