知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【法案提出】産業技術の流出防止及び保護に関する法律一部改正法律案(議案番号:2215295)

2025年12月16日

議案番号:2215295
提案日:2025年12月16日
提案者:ヨン・へイン議員、他15人

提案理由

 国家コア技術に対する規制は、最初に国家コア技術を保有する企業として指定された企業等がその技術を海外に流出させることを制限し、不正な方法や不正な目的による流出行為を処罰し、国家のコア技術の海外流出を防止するため、許可及び申告制の形で導入された。 国家のコア技術は、政府の承認の下、輸出が可能であり、公開を前提とした特許出願もでき、非公開が原則の「営業秘密」とは異なる範疇である。類似している規制を導入した主要な海外国家も国家コア技術と営業秘密の保護体制は異なっている。
 しかし、2019年に改正された現行法第9条の4(国家コア技術の情報非公開)は、国家のコア技術を「公共機関の情報公開に関する法律」に基づいて、情報公開対象の情報から事実上排除することで、国家コア技術の流出を規制する法から国民への情報公開を規制する法へと変質している。非公開の範囲も「国家コア技術に関する情報」として境界が曖昧で、公開された特許権や著作権の対象情報等、すでに保護価値のない情報が含まれている。特に国民の安全と健康に大きな影響を与える環境・安全・保健情報へのアクセス権を大きく制限し、産業現場の安全を強化しようとする政府の努力とも背反する。この条項が国民の知る権利を侵害している程度が深刻で、国連等の国際機関でも2019年に改正された産業技術保護法に基づく有害物質の知る権利の侵害について、韓国政府に対策を促している。
 これにより、国民の知る権利の侵害を最小限に抑え、産業現場で働く人々の環境・安全・保健に関する情報へのアクセス権の保障という観点から、非公開の対象となる国家コア技術の範囲を制限しようするものである。
 現行法第14条(産業技術の流出及び侵害行為の禁止)は、不正な方法・目的による技術流出行為を処罰する条項でしたが、2019年に適法に提供された情報についても、取得目的と異なって使用又は公開した場合、処罰されるよう、拡大された。また、産業技術の流出及び侵害行為の規制の必要性が高まるにつれ、この条項による処罰水準は継続的に高まっている。これにより、この条項が環境・安全・保健に関する公益通報を妨げる効果をもたらす副作用があるという指摘が提起されている。
 これにより、第14条が産業技術情報の公益的な活用を萎縮させる副作用なく、不正な流出及び侵害行為のみを規制できるよう、処罰範囲を限定することを目的とする。
現行法第34条(秘密保持義務)第10号は、国家コア技術又は産業技術に関する業務を行う者の秘密保持義務を規定している条項である。しかし、2019年の改正により、情報公開及び訴訟業務を行う者が秘密保持義務の対象者に含まれることで、必要な程度を超える過度な規制効果が生じている。
 情報公開制度は、該当する情報を国民へ公開することを前提に運用されるため、「漏洩」が成立せず、訴訟業務の当事者と代理人の秘密保持義務違反を処罰する場合、公的な目的の情報の使用まで処罰対象となり得る副作用があり、第10号を削除するものとする。

主要内容

  1. 非公開対象となる国家コア技術の範囲は「設計、製造、素子等、技術情報として公開される場合、技術の不正な流出が懸念される情報」として制限する(案第9条の4第1項改正)。
  2. 産業技術の流出及び侵害行為禁止の適用範囲を「産業技術に関する訴訟等大統領令で定める適切な経路」で「産業技術の流出及び侵害に関する訴訟」に限定する(案第14条第12号改正)。
  3. 第34条第10号を削除する(案第34条第10号削除)。

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
第9条の4第1項本文中の「国家コア技術に関する情報」を「設計、製造、素子等、国家コア技術の技術情報として公開される場合、技術の不正な流出が懸念される情報」とする。
第14条第12号中「産業技術に関する訴訟等大統領令で定める適法な経路を」を「産業技術の流出及び侵害に関する訴訟を」とする。
第34条第10号を削除する。

附  則

この法律は、公布後6か月が経過した日から施行される。

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