知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【法案提出】産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2212249)
2025年08月19日
議案番号:2212249
提案日:2025年8月19日
提案者:キム・ジョンホ議員(共に民主党)外10人
提案理由及び主要内容
最近、グローバルハッカー集団が半導体、二次電池など国家先端戦略産業において大企業と協力関係にある中小企業をハッキングして間接的に産業技術を侵害しようとする事件が発生している。しかし、現在、国家コア技術及び国家研究開発事業により開発された産業技術を保有する対象機関については産業技術の侵害行為が発生する恐れがあるか発生した際に直ちに産業通商資源部長官及び情報捜査機関の長に対しその旨を申告するよう義務付けているが、対象機関の協力企業の場合はハッキングなどサイバー侵害事故が発生して産業技術の侵害の恐れがあるにも関わらず、申告義務がないため保安上の抜け穴が懸念されている。
従って、国家コア技術を保有する対象機関の協力企業に対しハッキングなど侵害事故が発生した場合には申告義務を課し、侵害事故への対応及び防止のために必要な支援ができるようにすることで産業技術の保護に万全を期す目的である(案第15条及び第22条等)。
産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案
産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
第15条第2項及び第3項をそれぞれ第3項及び第4項に改め、同条に第2項を次のように新設し、同条第3項(従前の第2項)のうち「第1項の申告」を「第1項及び第2項の申告」に、「第14条に基づく禁止行為を認知した場合」を「第14条に基づく禁止行為や第2項に基づく侵害事故を認知した場合」に改め、同条第4項(従前の第3項)本文の中「第2項」を「第3項」に改め、同条に第5項を次のように新設する。
②国家コア技術を保有する対象機関の協力企業(対象機関に国家コア技術にかかる物品・用役を供給するか、対象機関と「下請取引の公正化に関する法律」第2条第1項に基づく下請取引に関する契約を締結した者のうち、大統領令で定める者をさす)は「情報通信網の利用促進及び情報保護等に関する法律」第2条第7号に基づく侵害事故(以下、「侵害事故」とする)が発生した際には直ちに産業通商資源部長官及び情報捜査機関の長にその旨を申告しなければならない。
⑤第1項及び第2項に基づく申告の対象・方法及び手続き等に必要な事項は大統領令で定める。
第22条第2項を第3項に改め、同条に第2項を次のように新設し、同条第3項(従前の第2項)の中「第1項」を「第1項及び第2項」に改める。
②政府は第15条第2項に基づく協力企業に対し侵害事故によるセキュリティシステムの復旧にかかる費用の補助等侵害事故への対応及び防止のために必要な支援ができる。
第34条第4号の中「第15条の規定に基づき侵害行為」を「第15条第1項に基づく侵害行為や同条第2項に基づく侵害事故」にする。
第35条第3号の中「第15条の規定に基づき侵害行為の」を「第15条第1項に基づく侵害行為や同条第2項に基づく侵害事故の」にする。
第39条第1項第6号の中「第15条第1項の規定に基づく産業技術の侵害申告」を「第15条第1項及び第2項の規定に基づく申告」にする。附則
第1条(施行日)この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
第2条(侵害事故の申告に関する適用例)第15条第2項の改正規定は同法施行以降最初に侵害事故が発生した場合に適用する。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195