知的財産ニュース 韓国知識財産処、「K-量子セキュリティ技術」でセキュリティ主権を先取り
2026年5月18日
出所: 韓国知識財産処
韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)は、国民が安心して利用できる知的財産(IP)行政サービスを実現するため、「韓国型量子セキュリティ技術」を「国民向け知的財産情報システム」および内部行政システムに試験的に適用するなど、知的財産情報セキュリティ体制を全面的に高度化すると発表した。
近年、人工知能(AI)がシステムの脆弱性を探索し、わずか3分でセキュリティ網を無力化する「ミトス・ショック」が現実化し、将来の量子コンピュータが現代暗号を崩壊させる恐れが高まる中、国家の中核資産である知的財産情報を保護するための先手を打った防御体制の構築が急務となっている。
・量子耐性暗号(Post-Quantum Cryptography, PQC)は、量子コンピューティングによるハッキングの脅威に対しても安全な技術であり、国家情報院は2021年から国家保安技術研究所、量子耐性暗号研究団と協力し、「量子耐性暗号国家公募展」を通じて韓国型量子耐性暗号(KpqC)アルゴリズムを選定した。
韓国知識財産処は、「知識財産情報分析プラットフォーム(IPOP)*への量子耐性暗号(KpqC)の実証的適用」案を策定するための事業を推進**する。今年、国民向けプラットフォームにKpqCアルゴリズムを試験的に適用し、その過程で蓄積されるノウハウを、将来的に分析プラットフォームの中核となる知的財産情報のセキュリティ強化という成果に結びつける予定だ。今回の実証成果は、韓国知識財産処と国家情報院による合同深層分析を経て、政府全体の標準参考モデルとして活用されるなど、量子セキュリティへの移行における実質的な基盤となることが見込まれる。
* 特許などの知的財産情報(データ)を統合・加工し、統計・動向分析、戦略策定、政策意思決定、および国民による知的財産情報の活用を支援するためのシステム(IPOP、IP One Portal)
** 事業公告(5月6日) ⇒ 開札(6月9日予定)および事業者選定 ⇒ 事業実施(~12月)
また、将来の量子ハッキングの脅威から知的財産行政システム全般を保護する全方位的なセキュリティ対応力を備えるため、現在推進中の次世代知的財産行政システム(IPNEX*)の情報化戦略計画
(Information Strategic Planning, ISP)策定過程から、量子セキュリティ技術の拡大適用を積極的に検討する予定である。
*(IPNEX) 人工知能(AI)に基づくインテリジェントな審査と、中断のない安定したサービスを提供する高度化された知的財産インフラ。NEXはNext(次世代)・Nexus(統合)・X(転換)などを意味する
このような推進背景には、韓国の圧倒的な技術の成果がある。PQC標準中核技術関連の特許出願(IP5、1997~2024.6)*では、韓国(101件)が米国(48件)を2倍以上引き離しており、韓国のクリプトラボ(74件)・サムスンSDS(48件)がグローバル企業を上回る水準であることが調査された。
*(国別)韓国 101件 > 米国 48件 > 英国 27件 > オランダ 14件 > 中国 11件
*(企業出願人別)クリプトラボ 74件 > サムスンSDS 48件 > NTRU C. 30件 > PQSHIELD 24件
一方、韓国知識財産処は、量子セキュリティ基盤の強化に加え、一般国民の量子セキュリティに対する技術的な隔たりを縮め、情報セキュリティへの認識を高めるため、「一目でわかる韓国型量子耐性暗号(KpqC)と知的財産(IP)のトレンド」をインフォグラフィックとして作成し、公開する。
当該インフォグラフィックでは、量子コンピュータによるHNDL*ハッキングの危険性を警告するとともに、これに対応するPQCの3大中核原理である格子・コード・ハッシュ技術を視覚的に解説し、世界最高水準のKpqC特許競争力を基に、韓国が国際的な量子セキュリティ技術の覇権をリードしていることを韓国国内外に周知する予定だ。当該資料は、韓国知識財産処、韓国特許技術振興院およびKpqC研究団のウェブサイト**にて、国民なら誰でも自由に確認・活用することができる。
* (Harvest Now, Decrypt Later):現在暗号化された情報をあらかじめ盗み出し・保存しておき、将来量子コンピュータが開発された際にこれを解読するというセキュリティ上の脅威を意味する
**韓国知識財産処![]()
韓国特許技術振興院![]()
KpqC研究団![]()
韓国知識財産処のチョン・ジェファン知識財産情報局長は 「高度化した自律型攻撃AIの登場と量子コンピューティングの脅威の加速は、サイバーセキュリティの新たな転換点を意味する」とし、「実証適用から次世代システムの構築に至るまで、量子セキュリティ技術を着実に定着させ、国家の中核となる知的財産に対する安全保障主権を確立し、いかなる知能型攻撃に対しても韓国の技術の価値が損なわれない堅固なデジタル安全保障基盤を構築していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:横山、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
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