知的財産ニュース 知識財産委員会、第2回知的財産(IP)政策公開討論会を開催
2026年4月10日
出所: 韓国知識財産処
- 人工知能(AI)学習データの公正利用および知的財産訴訟の管轄集中法案の立法動向など、中核懸案の議論 –
大統領直属の韓国知識財産委員会(イ・グァンヒョン委員長、以下「知財委」)は、4月10日(金)午前7時30分、韓国プレスセンター(ソウル中区)にて「2026年度第2回知的財産(IP)政策公開討論会(以下「フォーラム」)」を開催したと発表した。
今回の公開討論会には、知識財産処、国家人工知能戦略委員会、大法院(最高裁判官)、特許裁判所、大韓弁理士会、韓国知識財産協会、韓国知的財産権弁護士協会、ベンチャー企業協会、イノビズ協会など、各分野の専門家ら合計30名余りが出席し、4つの中核テーマについて深い議論が行われた。
[最近の知的財産関連法案の主要な争点と動向 – 朝鮮大学校 ハン・ジヨン教授]
ハン・ジヨン教授(知財委民間委員)は、最近の知的財産関連3大法案である、知的財産民事訴訟の専門性を高めるための管轄集中*法案、職務発明報償金の非課税・分離課税拡大法案、および中小企業の技術盗用根絶のための「韓国型ディスカバリー**法案」の主要な争点および動向を紹介した。特に、知財委の「知的財産権関連訴訟の専門性向上特別専門委員会」で審議・議決された案に基づき発議された、知的財産訴訟の管轄集中法案(民事訴訟法、裁判所組織法、民事執行法、刑事訴訟法)の一部改正案に関連し、「主要国は技術流出や侵害を防ぐため、知的財産訴訟の管轄集中を拡大する傾向にある」とし、「当該法案は与野党間の争点がなく、裁判所行政処でも異論がないだけに、先端技術の保護強化のためには法案の早期国会通過が必要だ」と強調した。
* 管轄集中の対象を特許権から不正競争行為、営業秘密、産業技術流出、半導体回路配置設計権まで拡大し、民事本案だけでなく刑事事件まで管轄集中の対象に含める
** 特許侵害訴訟において、侵害の立証および損害額の算定に関する証拠を容易に収集できるよう、①資料保全命令、②法廷外証人尋問、③専門家による事実調査などを導入
※ (米国)特許権など関連事件の控訴審を連邦巡回控訴裁判所に、営業秘密関連事件を連邦地方裁判所に管轄集中
(日) 2005年に知的財産高等裁判所を設立し、知的財産事件の第二審を管轄集中
(EU) 2023年6月に統一特許裁判所(UPC)が発足し、特許侵害関連の民事・仮処分訴訟の管轄集中を導入
[国際紛争解決のための新しいビジネスモデル – 大法院裁判研究官 イ・ヘジン判事]
イ・ヘジン裁判研究官(高等裁判所判事)は、ニューヨーク仲裁条約およびシンガポール調停条約など、国際仲裁・調停の動向を分析。特許裁判所のRIMOWA・Merck事件における外国語裁判や国際映像裁判システムを活用した国際紛争解決事例を紹介しながら、韓国がアジアのリーガルハブへと飛躍するための国際的紛争解決エコシステム構築モデルを提案した。[AI学習データの公正な利用に向けた今後の方向性 – カチョン大学 チェ・ギョンジン教授]
チェ・ギョンジン教授(韓国人工知能法学会長)は、AI学習データをめぐる国内外の著作権紛争事例、AIのテキストデータマイニング(TDM)*に関する免責規定の導入経緯と政策調整の過程、国家レベルでの高品質な韓国語データセット構築に関する議論を紹介した。特に「韓国が3大AI大国に躍進するための最優先課題として『データ革新』が必要だ」とし、著作権・個人情報の争点を一括して解決するための「サンセット条項付きデータ革新特例法」の制定を提案した。* 大規模なデータから統計的手法を活用して情報を分析・抽出する過程
[生成AI分野における著作権制度の改善案 – 世宗大学 チェ・スンジェ教授]
チェ・スンジェ教授は、AIの学習過程における著作権侵害の可能性を検討し、法的公正利用の判断のための4大基準*と具体的な事例を提示した『生成AIの著作物学習に関する著作権法上の公正利用ガイドブック』について紹介した。ガイドブックの執筆委員であるチェ教授は、「本ガイドブックは、著作権保護と技術革新のバランスによって、AI産業の安定的な発展と合理的な著作物利用環境の構築を目的としている」とし、「AI技術の革新を阻害することなく、著作権者が創作意欲を維持するための均衡点を見出すことが、最も重要な政策的課題である」と強調した。
* ①個別事案の利用目的・性格、②著作物の種類・用途、③著作物が占める割合と重要性、④著作物の利用が市場に及ぼす影響
イ・グァンヒョン委員長は、「AI時代において知的財産政策環境が急変しているだけに、今回の公開討論会で交わされた現場の専門家たちの意見を幅広く取り入れ、実効性のある政策案を策定する」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
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