知的財産ニュース 韓国政府、今年の国家知的財産事業推進に合計7,946億ウォンを投資
2026年3月31日
出所: 韓国知識財産処
- 第40回国家知識財産委員会(書面)の開催により「2026年度国家知的財産実施計画(案)」など5件の案件を審議・確定 –
ㅇ(2026年度国家知的財産実施計画(案))
新韓流の拡散を主導するK-コンテンツ育成戦略など、第3次国家知的財産基本計画(2022~2026年)の5大戦略、16大重点課題の履行に向けた2026年度の詳細推進計画を策定ㅇ(2025年度国家知的財産実施計画の推進実績点検・評価結果および2027年度財源配分を方向(案))
中央省庁では中小企業庁、知識財産処、公正取引委員会の3省庁の4事業が最優秀、広域自治体の中では「大田広域市」が最優秀機関に選定*広域自治体. ※ 釜山、大邸、仁川、光州、大田、蔚山の6市。
ㅇ(2026年度産業財産情報管理・活用実施計画(案))
知的財産情報政策の総括機能および省庁間の協力強化を基盤に、知的財産情報の戦略的活用拡大と情報エコシステム・基盤の高度化を体系的に推進するための2026年度推進計画を策定ㅇ(国家発明文化の拡散による創業強国への飛躍に向けた「5月は発明の月」の指定・運営(案))
5月を「発明の月」に指定し、「発明の日(5月19日)」の記念式典と連携した多彩な国民参加型イベントおよび広報を推進ㅇ (世界知的財産(IP)ハブ国家推進特別専門委員会の構成・運営計画(案))
知的財産の金融・取引・紛争解決など、知的財産が資本化される市場を支援する政策・制度・組織レベルの戦略を策定するための特別専門委員会を構成し、韓国が世界知的財産ハブ国家へと飛躍するための総合計画(案)を策定大統領直属の国家知識財産委員会(イ・グァンヒョン委員長、以下「知財委」)は3月31日火曜日、「第40回国家知識財産委員会」を開催(書面)し、「2026年度国家知的財産実施計画(案)」、 「2025年度国家知的財産実施計画の推進実績点検・評価結果および2027年度の財源配分方針(案)」、「2026年度産業財産情報管理・活用実施計画(案)」、 「国家発明文化の拡散による創業強国への飛躍に向けた『5月は発明の月』の指定・運営(案)」、 「世界IPハブ国家推進特別専門委員会の構成・運営計画(案)」の5つの案件を審議・確定した。案件の主な内容は以下のとおりである。
1. 2026年度国家知的財産実施計画(案)(関係省庁合同)
「2026年度国家知的財産実施計画(案)」は、「第3次国家知的財産基本計画(2022~2026)」で提示された5大推進戦略および16の重点課題を中心に、今年70の細部課題として編成し、総額7,946億ウォンを投資する。
==推進戦略1. デジタル大転換時代の核心知的財産(IP)の創出・活用促進==
ビッグデータを活用して国家戦略産業分野の有望技術を導き出し、審査の革新で適時審査対応体制を構築する。特に中小企業の技術移転活性化のため、人工知能(AI)基盤の知能型技術取引基盤を構築し、技術市場の拡大を支援する。
推進戦略2. 戦略的知的財産保護体制の強化
特許侵害訴訟において、侵害の立証および損害額の算定に必要な証拠を容易に収集できるよう、①資料保全命令、②法廷外供述の録音、および③専門家による事実調査など、「韓国型証拠開示制度」を導入し、AI・デジタル環境において新たな形態で発生する著作権における紛争を早期に解決できるよう、著作権紛争調停制度を運営する。
推進戦略 3. 知的財産を基盤とした世界的な強小企業の育成
大学研究室の優れた研究成果が創業と雇用創出につながるよう、高付加価値の技術革新型創業を活性化し、保健医療分野では有望技術の発掘から育成まで、オーダーメイド型プログラム*を支援し、知的財産を基盤とした革新企業を集中的に育成する。
*(K-BICプラットフォーム)入居スペースの提供、事業化診断および専門メンタリング、投資誘致のための技術説明会、教育および交流イベントの運営など
推進戦略4. 新韓流の拡散を主導するK-コンテンツの育成
世界的な知的財産を保有するコンテンツ企業を育成するため、約7,000億ウォン規模の「K-コンテンツ・ファンド」に出資し、海外に進出した韓流企業のために放送番組の制作および海外流通を支援するなど、オーダーメイド型の支援を強化する。
推進戦略 5. グローバル知的財産先導国家の基盤整備
知的財産を基盤とした技術の事業化と国際標準化を主導する専門人材を育成し、多国間国際機関における知的財産の主要議題に関する議論を主導するとともに、知的財産分野の政府開発援助(ODA)によりグローバルな協力を拡大するなど、知的財産の先導国としての韓国の地位
を確固たるものにする計画である。
2. 2025年度 国家知的財産実施計画の推進実績点検・評価結果および2027年度の財源配分方針(案) (知財委)
知財委は、2025年度国家知的財産実施計画に基づく14の中央省庁および17の広域自治体の推進実績を評価し、最優秀5件(中央4件、広域自治体1件)および優秀16件(中央12件、広域自治体4件)の事業および機関を選定した。
中央省庁の事業としては、知識財産処による発明教科書の開発を活用して全国の小学校に発明の授業を開設した「発明教育の活性化」事業、特許情報を活用した「特許情報活用産業分析」事業、および中小ベンチャー企業部による初期段階にある創業者を対象とした知的財産権関連の教育および創業・事業化の実務を支援した「創業成功パッケージ」事業、 公正取引委員会の大・中小企業間のための効果的な公正取引協約制度の運営と共生エコシステムの構築に向けた「大・中小企業間IP公正取引促進事業」が最優秀事業に選定された。
広域自治体としては、知的財産ハブ都市として知的財産機関・企業の誘致を促進し、知的財産を基盤とした成長動力の確保および地域経済の活性化を図り、知的財産の産業協力地区(クラスター)を構築した大田(テジョン)広域市が最優秀広域自治体として選定され
た。
<2025年度国家知的財産実施計画の推進実績点検・評価結果>

知財委は、今年9月4日の「知的財産の日」に、最優秀評価を受けた事業担当者および機関(広域自治体)を表彰する計画だ。
一方、知財委は中央省庁の財政事業に対する財源配分方針(案)も策定した。
財源配分方針は、「第3次知的財産基本計画」の5大戦略・16大課題を基準とし、技術覇権競争の激化および知的財産の重要性増大に伴い、増額基調で提案することとした。2027年度の財源配分方針は、今後の関係省庁に通達される予定である。
3. 2026年度産業財産情報管理・活用実施計画(案)(関係省庁合同)
韓国知識財産処は、政府組織の改編など政策環境の変化に対応した。また、「2026年度 産業財産情報管理・活用実施計画*」を策定し、産業財産情報中心の管理・活用体系を知的財産情報全般へと拡大していく政策を推進する。
* [戦略1] 知的財産情報の戦略的活用の拡大、[戦略2] 持続可能な知的財産情報エコシステムの構築、[戦略3] 知的財産情報の管理・活用インフラの拡充
まず、知的財産情報政策の総括・協力基盤を強化するため、法・制度体系の転換を推進する。根拠法令である産業財産情報法を、知的財産情報全般を包括する方向へ整備する案を迅速に策定し、省庁横断的な政策協議体を稼働させ、関係省庁と緊密な協議を継続する。
また、安全保障・研究開発(R&D)・経済・産業など国家全般において、知的財産情報をより体系的に活用できるよう、知的財産情報と異種情報の融合分析体制を強化する。併せて、国家研究開発の企画・遂行・成果管理の全てのサイクルに特許分析を連携させ、研究開発の戦略性と効率性を高める計画である。
持続可能な産業財産情報エコシステムの構築も本格的に推進する。AIと情報を活用して知的財産サービス産業の競争力を強化し、専門人材の育成と採用を連携させることで、知的財産サービス企業の成長を支援する。これと共に、中国・ASEANなどの商標・意匠データベースの構築を拡大し、ウズベキスタンやチュニジアなどへの韓国の知的財産行政システムの輸出を推進し、知的財産情報のグローバルな活用基盤も拡大する予定だ。
併せて、知的財産情報の管理・活用基盤の拡充にも拍車をかける。知的財産権間の権利者固有識別番号を一元化し、異種分野の情報間の連携・結合を拡大して知的財産情報ハブの基盤を整備する一方、知的財産情報の分析・活用のための統合プラットフォーム(IPOP)を構築し、学生や中小企業など国民の情報へのアクセス性と活用の利便性を高める。
4. 国家発明文化の拡散による創業強国への飛躍に向けた「5月は発明の月」の指定・運営(案) (知識財産処)
知識財産処は、発明文化の普及を活用して技術革新と創業活性化のため、毎年5月を「発明の月」に指定し、政府全体での集中的な推進に乗り出す。デジタルトランスフォーメーションと先端技術競争が激化する環境の中で、発明が国家の革新と経済成長を牽引する中核資産として浮上していることに伴い、発明文化を国民の日常生活に浸透させるための政策を本格的に推進すると明らかにした。これまで国民の体感度や認知度の拡大に限界があった「発明の日(5月19日)」という1日限りのイベントから脱却し、5月の1ヶ月間、全国規模で発明関連活動を集中的に推進する「発明の月」体制へと転換する。特に、世界初の雨量計発明日(1441年5月19日)を記念する象徴性を基に、5月を発明の月として指定し、政策効果を最大化する計画だ。
* 発明の日(5月19日)は、世界初の雨量計発明日(1441年5月19日)を記念して1957年に法定記念日として制定され、毎年記念式典が開催されている
「発明の月」は知識財産処が主管し、中央省庁・自治体・産業界・教育界が共に参加する政府横断的な協業体制で運営され、各機関はアイデアコンテスト、展示会、フォーラム、教育・体験など、多様な国民参加型行事を5月に集中して推進することになる。これにより、発明と知的財産活動を社会全体に拡散させ、国民誰もが発明と革新を実感できる環境を整備する予定だ。
「世界知的財産ハブ国家推進特別専門委員会」の構成・運営計画(案)(知財委)
無形資産を中心にグローバル経済構造が再編*され、海外の知的財産金融市場が2020年の430億ドルから2026年には約1,560億ドルに達すると見込まれるなど、知的財産を媒介とした巨大な市場を主導するための国家戦略の必要性が浮上している。
*S&P500の時価総額に占める無形資産の割合:1975年 約17% → 2025年 約92%へ拡大(Ocean Tomo, 2026)
韓国は、人口および国内総生産(GDP)に対する特許出願件数で世界1位となり、量的側面では多くの成果を上げてきたが、人口減少および内需市場の制約により、構造的な限界に直面している。これを受け、知識財産委員会は傘下に「世界IPハブ国家推進特別専門委員会」を構成し、韓国の知的財産金融・取引・紛争解決能力を強化するため、①政策、②制度、③組織の3大軸を中心に国家的実行課題を導き出し、中長期的な実施計画(ロードマップ)を策定する計画である。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195





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