知的財産ニュース 知的財産で飛躍する韓国、国家知識財産政策の方向性を議論
2026年3月20日
出所: 韓国知識財産処
キム・ミンソク首相、第39回、国家知識財産委員会を開催
- ①アイデア・創作による創業時代の実現、②強力な保護体制の構築、③圧倒的な技術力の確保 -
【関連する国政課題】 67. 技術の盗用を根絶させ、共存する企業環境を醸成
103. K-カルチャー時代に向けたコンテンツの国家戦略産業化を推進
□ 韓国政府は3月20日金曜日の午前、キム・ミンソク国務総理の主宰により「第39回、国家知識財産委員会」(以下「委員会」)を開催した。
< 第39回国家知識財産委員会 概要 >
- 日時・場所:2026年3月20日(金)10:00~11:10/政府ソウル庁舎 - 出席者:国務総理(委員長)、知識財産処長(幹事)など政府委員、民間委員、合計24名 - 会議議題:① 第4次国家知的財産の基本計画(2027~2031年)の政策方向 ② 技術主導の成長に向けた特許審査サービスの革新策 ③ 国家知的財産事務の総括・調整強化策 ④ AI時代の未来型専門性を備えた創造・発明人材の育成基盤強化計画
□ 知識財産処が発足してから初開催した、今回の委員会では「第4次、国家知的財産の基本計画(2027~2031年)の政策方向」を含め、合計4件の議題が議論された。
ㅇ 特に、本日議論された国家知的財産の基本計画の政策方向は、国家的な中長期知的財産総合戦略である国家知的財産の基本計画を策定するための関係省庁および地方政府の策定指針であり、新政府のビジョンと政策目標、戦略課題などが盛り込まれている。
□ 今回の会合で審議・確定された案件の主な内容は以下のとおりである。
1. 第4次国家知的財産基本計画(2027~2031年)の政策方向
□ 韓国政府は「アイデアと知的財産で飛躍する大韓民国」というビジョンを設定し、これを達成するための政策方向を以下のとおりに設定した。
ㅇ ① アイデア・創作の創業・事業化の実現、② 公正かつ強力なIP保護体制の構築、③ 先導技術における圧倒的な優位性の確保、④ 地域の均衡ある成長およびグローバル協力の強化、⑤ IP分野におけるAI大転換という5大推進戦略と20の中核課題を選定した。推進戦略別の中核課題の詳細は以下のとおりである。
1) (推進戦略1) アイデア・創作の創業・事業化の実現
ㅇ 国家創業時代への飛躍に向け、アイデア・知的財産(IP)を基盤とするスタートアップを育成*し、スタートアップのIP確保や競争力強化など、その成長を支援する。
* 国民のアイデア発掘・高度化、IP確保、創業・R&D・事業化・政策制度化など、省庁横断的な協力の強化
ㅇ 企業がIPだけで容易に資金を調達できるよう、IP担保融資の支援手段を多角化し、知的財産仲介機関と取引基盤を強化して、IP取引の活性化を推進する。
2) (推進戦略2) 公正かつ強力な知的財産保護体制の構築
ㅇ スタートアップ・中小企業のアイデア・技術の盗用を根絶するため、損害賠償制度を改善し、海外への技術流出を防止するための官民協力体制を強化する。
* 損害額の立証なしに損害賠償を請求できる法定損害賠償制度(最大10億ウォン)
○ 特に、K-カルチャーによる持続的な付加価値を創出するため、派生商品・関連産業において知的財産権を確保し、K-カルチャーの知的財産権侵害に対して官民共同の防衛体制*を構築する。
* 外交部・産業部・農林畜産食品部・海洋水産部・文化体育観光部および知識財産処と、食品協会・化粧品協会・ファッション協会などが共同で対応
ㅇ また、IP侵害の取り締まりを強化し、知的財産事件を迅速かつ正確に処理するため、政府横断的な被害救済支援体制を構築*する。
*(例)中小企業技術紛争調停・仲裁委員会、著作権・産業財産権紛争調停委員会間の協力
3) (推進戦略3) 先導技術における圧倒的な優位性の確保
ㅇ IPデータと研究開発・産業・貿易データなどの異種データの統合的に分析し、経済・科学技術・安保政策への対応専門性を高度化する。
ㅇ 先端・戦略技術における圧倒的な優位性を確保するため、研究開発の全てのサイクルでIP戦略を活用し、中核技術の海外特許およびICT分野の標準特許を確保する。
4) (推進戦略4) 地域の均衡ある成長およびグローバル協力の強化
ㅇ 地域特産品・郷土文化遺産などを基盤として成長できるよう、地域代表K-ブランド*を育成し、商品開発から事業化まで総合的に支援**する。
* 地域の伝統市場、特産品などを対象に「地域代表K-ブランド100」の発掘・育成(2026~)
** 国家・郷土資産の管理・活用協議体の構成、商品企画戦略の専門家育成、IP確保の支援など
ㅇ 5極3特において、地域のスタートアップ・中小企業にIP戦略および経営・技術コンサルティングを提供する地域知的財産支援拠点を構築する。
5) (推進戦略5) 知的財産分野におけるAI大転換
ㅇ AI学習データの保護・活用、AIを活用した発明の認定可否など、AI大転換に伴い関連するデータ・IPの争点を検討し、基準を再確立する。
ㅇ AI能力とIP専門性を兼ね備えた創造的人材を育成し、大学(大学院)における特許研修や企業現場での知的財産分野における専門研修も強化する。
2. 技術主導の成長に向けた特許審査サービスの革新策
□ 韓国政府は、特許審査の遅延により輸出企業の海外特許確保やスタートアップの投資誘致に支障が生じないよう、審査待機期間を2029年までに10ヶ月以内に短縮し、そのために大規模な審査官の増員を段階的に推進する。ㅇ また、1ヶ月以内に審査結果を受け取れる超高速審査を拡大し、希望に応じて審査開始を遅らせることができる「遅延審査」を柔軟に利用できるよう制度を改編する。
□ 特許権が市場でより高い価値を認められるよう、権利範囲を過度に狭めていた審査慣行を打破し、規制中心の審査基準を顧客志向に改善する。
□ このほか、委員会の政策実行力を高めるため、委員会を国務総理所属に転換するなどの内容を盛り込んだ「国家知的財産事務の総括・調整強化策」および「AI時代の未来型能力を備えた創造・発明人材の育成基盤強化計画」を審議し確定した。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
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