知的財産ニュース 韓国知識財産処、アイドルグループの人格表示権を侵害した商品に「初の是正命令」

2026年3月5日
出所: 韓国知識財産処

最近、K-POPの世界的な人気に便乗し、人気アイドルの名称や肖像などを無断で使用した商品の販売が拡大していることを受け、韓国知識財産処が強力な取り締まりに乗り出した。

韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)は、アイドルグループ「SEVENTEEN、BOYNEXTDOOR、TOMORROW X TOGETHER、 AESPA、IVE、RISE」などの名称と肖像を無断使用しパブリシティ権を侵害したグッズを製造・販売した4社を摘発し、不正競争防止および営業秘密保護に関する法律*(以下「不正競争防止法」)を適用して是正命令を課したと5日に明らかにした。
* 第2条第1号ヲ目:韓国国内に広く認知され経済的価値を有する他人の氏名、肖像、音声、署名など、その他人を識別できる標章を、公正な商取引慣行や競争秩序に反する方法で自己の営業のために無断使用することにより、他人の経済的利益を侵害する行為

人格表示権とは、個人、特に有名人の氏名・肖像・イメージなど人格表示が持つ経済的価値を保護する権利である。今回の措置は、人格表示権を侵害したグッズ販売行為に対する、初の是正命令であり、K-POP産業全体に対する「無償利用行為不可」という厳格な法執行の意志を示している。

人格表示権侵害に初の「是正命令」で法違反状態即時解消措置


韓国知識財産処の不正競争行為の調査官が世宗・始興・富川・金海などオフライン販売店4ヶ所とオンラインプラットフォームを対象に行政調査(2025.11~2026.2)を実施した結果、「SEVENTEEN、BOYNEXTDOOR、TOMORROW X TOGETHER、 AESPA、IVE、RISE」など、合計6つのアイドルグループの所属アーティスト41名の芸名および肖像が無断で使用された商品が違法に流通している事実を確認した。該当企業らは、被害者側に人格表示権侵害の中止を約束(2025.4)していたが、侵害行為を継続してきたことが明らかになった。販売中の商品はフォトカード、学生証型カード、ステッカーなど合計5種類と把握されており、同一デザインの重複在庫を含めると全体の販売規模は数千枚に達すると推定される。

人格表示権侵害は「不正競争行為」として知識財産処の行政調査対象


不正競争防止法の改正により不正競争行為の一類型として追加(2022.6)された人格表示権侵害行為は、「他人の経済的利益を侵害する行為」として、行政調査を通じた行政的制裁、民事上の損害賠償および差止請求が可能である。アイドルグループの名称やイメージなど経済的な資産を正当な許可なく商品販売に利用する行為は、該当アーティストと所属事務所の利益だけでなく消費者の信頼を大きく損なう恐れがあり、公正な取引秩序に反する不正競争行為となり得る。

不正競争防止法上の是正命令制度は、アイデアの盗用、人格表示権の侵害などの不正競争行為に対し、迅速な権利救済と市場秩序の回復を目的に、2024年8月に導入された制度であり、法違反行為の中止および再発防止を目的とする。是正命令を受けた者がこれを履行しない場合、2,000万ウォン以下の過怠料を賦課できるため、実効的な執行手段として機能すると見られている。今回の是正命令には 1) 法違反商品の即時販売中止、2) 販売のために保有中の関連商品の廃棄、3) 今後同一または類似の方式による販売行為の禁止、4) 不正競争行為再発防止のための教育履修などが含まれた。

韓国知識財産処のキム・ヨンフン知識財産保護協力局長は「K-POPなどK-カルチャー産業の成長のためには、アーティストの人格表示権をはじめとする知的財産権の保護が不可欠」とし、「今後もアイドルグループの人格表示権を侵害し、名声と信頼を毀損するグッズの販売行為を厳正に取り締まるなど、不正競争行為の根絶に全力で取り組む」と述べた。

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