知的財産ニュース 政府が先頭に立つ、海外の知的財産紛争、もはや企業だけの戦いではない
2026年2月26日
出所: 韓国知識財産処
- 海外知的財産(IP)法務支援を823億ウォン、前年比36%(220億ウォン)増額 -
- 輸出展示会・博覧会、グローバルプラットフォーム出店など輸出現場の連携型知的財産研修を拡大 -
- 輸出中小企業10社中9社は、海外知的財産紛争に巻き込まれても訴訟を放棄する。(中小企業中央会、2025)欧州で特許10件を出願・登録し20年間維持するだけで5億ウォン以上かかる。(請求項10件基準)海外IP費用は依然として輸出の見えない障壁である
韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)は関係省庁および地方政府と連携し、輸出企業の海外商標・特許等の知的財産(IP)確保と紛争予防・対応のため、今年度の知財法務支援*予算を前年比36%大幅に増額(603億→823億ウォン)するとともに、企業向けの研修および海外現地情報提供も強化する方針だ。
*知的財産法務支援:海外現地調査および権利確保、特許・商標・意匠の紛争対応費用支援など
海外市場進出のための知的財産法務支援拡大
海外知的財産権確保費用177億ウォンを含め、海外における知的財産紛争予防および対応などの法務支援に総額823億ウォン*の予算を編成し支援する。
* 知識財産処580億ウォン、関係省庁46億ウォン、地方政府(広域17機関)197億ウォン
人工知能(AI)ベースの事前検知システムを新たに構築し、海外商標の無断先占試みと特許モンスター(NPE*)の特許買収動向の分析を通じた訴訟可能性シグナルを早期に捕捉。リスク情報を企業に先制提供し、事前準備を支援する。
*NPE(Non-Practicing Entity)とは、保有特許権で直接製造・販売等の生産活動を行わず、特許権行使(ライセンス、損害賠償訴訟)で収益を創出する企業を意味する
海外現地における韓国企業の知的財産侵害に関する実態調査(3カ国→10カ国)とオンライン模倣品流通状況診断(10カ国29プラットフォーム→115カ国1,650プラットフォーム)も拡大する。
また、海外知的財産紛争への対応戦略コンサルティングの支援範囲を、模倣品など明らかな商標侵害行為に加え、韓国企業の商品や店舗と誤認・混同させる行為を全般に拡大し、特許(公開された独占技術)だけでなく営業秘密(秘密管理技術)紛争まで支援対象に含めるなど、保護の死角を最小化する。
特に、農林畜産食品部(K-フード海外の知的財産確保)、地方政府(地域企業の海外知的財産確保戦略)などが共同で参加し、産業別・分野別カスタマイズ支援体制を構築するとともに、個別企業が対応困難な海外の知的財産紛争については、外交部など関係省庁の協力体制を構築し、在外公館などを活用してより効果的に対処していく予定である。
教育および海外現地の知的財産情報の提供を拡大
輸出企業対象の知的財産教育を5,000社から6,000社に拡大し、輸出展示会・博覧会参加予定企業などを対象に「出張知的財産教育」を運営する。
知識財産処の専門人材が教育・相談を提供する「知的財産紛争ドクター」の現場支援を新設し、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)、韓国農水産食品流通公社(aT)など関連機関・団体との協力を強化する。これにより化粧品・食品・ファッションなど5大消費財分野の海外に進出する予定の企業を対象に、カスタマイズ型知的財産教育を密着提供する。
また、Amazonなどのグローバルプラットフォーム出店企業を対象に、知的財産権の確保などに必要な教育プログラムを開設・運営する一方、オンライン知的財産の情報総合ポータル(知的財産-NAVI)を活用して30カ国に対する現地の知的財産情報(権利確保手続き、現地代理人情報、紛争動向など)の提供にも力を入れる計画だ。
韓国知識財産処のキム・ヨンソン処長は「海外の知的財産紛争はもはや個別の輸出企業だけの苦悩ではなく、韓国の輸出競争力を左右する国家的懸案」とし、「知識財産処が最前線で『知的財産も盾』となり、韓国企業の世界市場への挑戦を最後まで支援する」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
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