知的財産ニュース 韓国、全固体電池の出願増加率で2位、上位10出願者のうち韓国4社

2026年2月19日
出所: 韓国知識財産処

- サムスンSDI・LGエナジーソリューション、直近、3年間の特許出願増加率で世界1、2位 -

- 上位10出願者中、LGエナジーソリューション、サムスン電子、サムスンSDI、現代自動車など、韓国企業4社 -


全固体電池分野では、液体電解質電池よりも火災リスクが低く、エネルギー密度も高いため次世代電池として注目されているが、韓国国籍の出願者による特許出願件数は2004年の45件から2023年には1,044件へと年平均18%増加し、中国(33.6%)に次いで世界第2位の増加率を記録したことが明らかになった。また、サムスンSDIとLGエネルギーソリューションは、直近3年間の特許出願増加率において全出願者中それぞれ1位・2位を占め、上位10出願者の中には韓国企業4社が名を連ねていることが調査で明らかになった。

韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)は、2004年から2023年の最近20年間に先進5カ国知的財産機関(IP5:韓国・米国・中国・EU・日本)に出願された全固体電池分野の特許出願が、2004年331件から2023年3,938件へと年平均13.9%の成長率を示したという。

火災リスク低減した次世代電池「全固体電池」の商用化期待感高まる


全固体電池は、従来の火災リスクのある液体電解質を不燃性の固体電解質に置き換え、火災リスクを低減しエネルギー密度を高めた次世代電池である。電気自動車の一時的な需要停滞でEV用電池市場が停滞する中、ヒューマノイドロボットが電池市場の新たな需要先として浮上し、全固体電池の商用化への期待感が高まっている。最近、フィジカルAI技術とロボット技術の革新により、全固体電池技術の開発速度もさらに加速するとの見通しだ。

全固体電池市場は2022年の2,750万ドルから年平均180%で成長し、2030年には400億ドルに達すると予測*されている。政府も「2035二次電池産業技術実行案」を年内に策定し、次世代電池技術の先取りに向けた技術開発に2800億ウォンを投入する計画**だ。韓国国内外の電池企業も全固体電池の商用化の時期を概ね2027年から2030年と設定し、全固体電池技術の開発に拍車をかけている。
* SNEリサーチ、「2023全固体電池製造技術の現状と未来」(2023.1.27.)
** 関係省庁合同発表、「K-バッテリー競争力強化方案」(2025.11.28.)

出願:日本、中国、韓国順、出願増加率:中国、韓国、米国順


出願人の国籍別に見ると、韓国は5,770件で日本(9,881件)、中国(6,749件)に次いで世界3位を占めた。続いて米国(4,417件)と欧州(2,173件)が続いた。出願増加率では、韓国の年平均増加率は18%で中国(33.6%)に次ぐ2位となった。米国の年平均増加率は12.3%、日本と欧州はそれぞれ8.6%、7.8%の増加率を示した。

上位10出願者中、LGエナジーソリューション、サムスン電子、サムスンSDI、現代自動車など4社がランクイン


多出願者ランキングを見ると、トヨタ(2,337件)が1位を占める中、韓国企業ではLGエナジーソリューション(2,136件、2位)、 サムスン電子(724件、4位)、サムスンSDI(706件、5位)、現代自動車(539件、6位)など4社が上位10社の多出願企業に名を連ねた。

特に、最近3年間(2021~2023年)の時点で見ると、サムスンSDI(51.7%)、LGエネルギーソリューション(50.8%)が特許出願の年平均増加率1位、2位を占め、韓国企業が全固体電池の商用化に向けた研究開発及び特許出願を主導していることが分析された。

上位10社の多出願企業において企業が9社を占めており、全固体電池市場先占のためのグローバル企業間の技術覇権競争が続いていることを確認した。

韓国知識財産処のイム・ヨンヒ化学生命審査局長は 「韓・中・日を中心に全固体電池の商用化に必要な中核技術の確保競争が激化している」とし、「動くAIであるヒューマノイドロボットの稼働時間を支える中核技術として全固体電池が台頭しているだけに、国政課題*を通し、重点的に支援されている全固体電池分野で、韓国企業が関連市場を先取りできるよう産業界との疎通・協力体制を整え、特許分析結果を積極的に共有していく」と述べた。
*(国政課題28)世界をリードするNEXT戦略技術育成、(国政課題30)主力産業革新による4大製造大国を実現

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