知的財産ニュース 「全固体電池」など国家先端戦略技術の海外流出を防止
2026年2月12日
出所: 韓国知識財産処
- 二次電池大手企業の従業員と内通していた外国人を拘束起訴 -
- 二次電池大手企業2社の中核技術流出を阻止し、数十兆ウォン規模の被害を防止 -
韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)技術デザイン特別司法警察(以下「技術警察」)と大田地方検察庁(キム・ドワン検事長)特許犯罪調査部は、国家先端戦略技術が含まれた、被害企業の資料を外部に持ち出した海外協力会社の営業総監(営業総括)外国人A氏(34歳、拘束)を「国家先端戦略産業の競争力強化および保護に関する特別措置法」、 「不正競争防止および営業秘密保護に関する法律などの違反容疑で起訴したと12日明らかにした。
技術警察によると、A氏は「19年11月から」25年4月まで被害会社の部長級研究員B氏(53歳)から金品を対価に資料送信7回、映像会議8回、訪問コンサルティング7回などを通し、被害会社の資料を横領した疑いを受けている。
国家先端戦略技術を含む大量資料の流出
B氏は二次電池素材開発業務に関連する資料を自宅などで携帯電話などを利用して撮影する方式で流出させており、流出資料は被害会社の1)「全固体電池」開発情報、2)製品開発および単価ロードマップなど開発および経営に関する戦略情報、3) 負極材開発情報(性能評価、海外協力会社運営方案など)であり、このうち「全固体電池」を含む一部技術は国家産業競争力に直接的な影響を与える国家先端戦略技術に該当する。
特に「全固体電池」は夢の電池として、火災安全性、高いエネルギー密度および急速充電が可能であり、商用化さえ実現すれば市場の勢力図を変えるゲームチェンジャー技術であり、二次電池メーカーがすべての能力を集中する未来先端型技術である。
「全固体電池」中核情報の海外流出を事前に遮断
被疑者A氏がB氏をから受け取った資料は約200枚に上り、その内容には素材開発に関する協力会社別の動向、被害企業の中長期開発ロードマップ、二次電池の製造工程技術などの情報が含まれていた。幸い、今回の捜査により「全固体電池」の中核情報が海外に流出する最悪の事態を防げた。
もし、国家先端戦略技術として育成中の「全固体電池」の中核情報が流出したならば、今後再編される二次電池市場で企業競争力を失う可能性があり、その被害規模は予測できないほどである。
知識財産処-大韓民国国家情報院-検察の共助で大手企業2社の中核技術の海外流出を阻止
技術警察は「24年11月、国情院産業機密保護センターの情報により、二次電池の技術流出事件」(25年7月ブリーフィング)を捜査中だった2025年3月に本件を認知し、大韓民国国家情報院(以下「国情院」)と被害企業の迅速に対応しB氏を特定。2025年4月にはB氏の勤務先と住居を同時に家宅捜索し、写真ファイルなど関連証拠を確保した。
その後、証拠分析を行い、B氏が海外所在企業と接触した事実、A氏が所属する海外協力会社に資料を伝達した事実を確認し、2025年8月にA氏が入国すると同時に、捜索差押許可状を執行し調査を実施した。
技術警察と検察は緊密な連携で捜査を進め、A氏を2026年2月に拘束起訴した。これは二次電池分野の技術流出事件で外国人を初めて拘束した事例である。
2024年11月から2026年2月にかけて、技術警察は二次電池の大手2社の中核技術が海外へ流出するのを阻止した。これらの事件で、韓国企業が中核技術を先取りし保護するためには、技術安全保障レベルでのアプローチおよび企業・情報機関・捜査機関の三角協力体制の強化がさらに必要であることが分かる。
知識財産処のキム・ヨンソン処長は「今回の捜査は、韓国の二次電池産業の未来がかかった『全固体電池』の中核技術を守った点に大きな意義がある」とし、「技術警察は技術専門性と捜査能力を兼ね備えた特殊捜査組織として、捜査人員を大幅に拡大し、技術流出犯罪を根絶させ、断固として対応していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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