知的財産ニュース 韓国知識財産処キム・ヨンソン処長、就任100日を迎え「5大政策方向・重点推進課題」を発表
2026年2月11日
出所: 韓国知識財産処
- キム・ヨンソン処長、就任100日を迎え、「5大政策方向・重点推進課題」を発表 -
韓国知識財産処のキム・ヨンソン処長は2月11日の水曜日、就任100日記者懇談会を開き、過去100日間の所感と成果とともに、今後の5大政策方向を明らかにした。
1)アイデアさえあれば起業・事業で収益化へ(起業・成長3種ソリューション提供)
2)地域特産品・伝統文化遺産も「地域代表K-ブランド100」として育成
3)特許・商標審査をさらに迅速化(特許10ヶ月、商標6ヶ月)、人工知能(AI)・バイオ分野の超高速審査(1ヶ月)
4)知的財産の法律支援団による紛争統合解決
5)技術警察を大幅に拡充し技術流出を厳罰化
就任100日間の所感及び成果
キム・ヨンソン処長は、就任後100日間で112回以上の懇談会、政策現場・企業訪問などをすることで、現場の声を傾聴し、国民が実感できる「実用」と「成果」中心の政策を模索し準備してきたと説明した。
まず、国民のアイデアを活用して企業や社会・公共の懸案を解決する国家プロジェクト「みんなのアイデア」も1月8日に開始した。昨日17時基準でホームページの累計訪問は約90万回、アイデア参加申請は6.5千件を超え、国民の関心と参加が続いているという。
企業の投資と事業化を遅らせる要因として指摘されてきた審査待機期間を、特許は16.1ヶ月(2024)から14.7ヶ月(2025)に短縮し、商標は12.6ヶ月(2024)から11.9ヶ月(2025)まで前倒しした。世界経済の不確実性の中でも企業の努力により、特許は24.6万件(2024)から26万件(2525)へ、商標も31.6万件(2024)から32.4万件(2025)へと増加した。
一方、企業の特許取得を困難にする規制を緩和するため、特許手続きに関するグローバル標準である特許法条約(Patent Law Treaty, PLT)への加盟を推進することにした。
K-フード・ビューティーの模倣品など、海外における知的財産侵害にも強力に対応するため、政府全体の協力体制を整える一方、技術流出防止のため技術流出捜査の強化にも努めた。UAE・カタール・中国・日本・ウズベキスタン・フランスなどとの間で、海外K-ブランド保護、模倣品への共同対応、国家知的財産戦略策定支援など、知的財産分野における国際協力も強化した。
5大政策方向
就任後、過去100日間の現場の声に基づき、今後の政策方向を1)起業・成長、2)地方・均衡、3)審査・審判、4)公正・共生、5)経済安全保障・国際協力の5つに定めた。
1)(起業・成長)アイデアさえあれば起業・事業で収益化へ
若者・起業準備者がアイデアと技術に基づき成長できるよう、①知的財産権の権利化、②製品・事業化、③投資資金調達など、知的財産基盤による起業・成長3種ソリューション*を提供する。
* 知的財産(IP)権利化(IP踏み石・翼)、製品・事業化(官民協力IP戦略支援)、投資・資金調達(IP価値評価・IP金融)
「みんなのアイデア」で寄せられた国民のアイデアを市場性のある知的財産へと発展させ、中小企業庁・産業部など関係省庁と連携し、1.起業、2.研究開発、3.取引・事業化 4.政策・制度化への反映など、アイデア実現を積極的に支援する。
知的財産の供給者と需要者を結ぶ専門家である知的財産取引専門官を拡充(2025年17名→2029年100名)し、取引・事業化ファンドを新設するなど、知的財産の韓国国内取引・事業化と民間の海外知的財産収益化専門企業も本格的に育成する。
2)(地方・均衡)地域特産品・伝統文化遺産も「地域代表K-ブランド100」として育成
地方でも容易に知的財産創出、取引・事業化、金融などを統合的に支援できるよう、5極・3特圏域別に「知識財産総合支援センター」を構築する。『26年に仁川・光州・釜山を皮切りに、』28年までに8地域へ全面拡大運営する。
* 5極(首都圏、忠清圏、東南圏、大邱慶北圏、全南圏)、3特(江原・全北・済州特別自治道)
珍安紅参・安東干鯖*など地域の特性やストーリーが込められた郷土文化遺産・特産品を知識財産と融合し、地域住民の雇用と所得につなげる「地域代表K-ブランド100プロジェクト」を推進する。
* 鎮安紅参:鎮安紅参(商標・特許)+紅参スパ・フェスティバルで観光収益創出、安東干鯖:安東干鯖(商標・地理的表示)+河回村・安東焼酎連携で観光収益創出
3)(審査・審判)特許・商標審査をより迅速に(特許10ヶ月、商標6ヶ月)、AI・バイオスタートアップには1ヶ月以内の超高速審査を提供
特許・商標審査人員を大幅に拡充し、特許は2029年までに10ヶ月、商標は6ヶ月に短縮する。AI・バイオスタートアップに対しては、1ヶ月以内に審査結果を受け取れる超高速審査を今月(2月)中に実施する。
また、特許の安定性を高め容易に無効とならないよう①取消申請制度の改善、②無効審判予告制度の導入、③特許無効までは特許が有効と推定する特許の既判力条項新設など、特許信頼性強化の3大政策も推進する。
4)(公正・共生)知的財産の法律支援団を新設し、二極化解消のための迅速・低コスト紛争解決を支援
特許・営業秘密侵害、アイデア奪取などの知的財産紛争を統合的に解決する「知的財産法律支援団」を運営する。青年・スタートアップなどの社会的弱者には①行政調査、②捜査、③紛争調停など迅速・低コストで紛争解決を支援し、格差解消にも努める。
侵害被害企業が損害賠償を適切に受けられるよう、特許法・不正競争防止法などにも韓国型証拠開示制度を導入し、損害額の立証なしでも損害賠償を請求できる法定損害賠償制度も商標法(最大3億ウォン)から商標法・特許法・意匠保護法・不正競争防止法(最大10億ウォン)まで拡大する。
* (特許侵害損害賠償額) 米国 657億ウォン(1997~2016年) vs 韓国 10億ウォン(2016~2020年)
5) (経済安保・国際協力) 中核技術の海外流出、専任捜査組織新設で遮断
技術流出事件処理のための専任技術警察捜査組織を整備し、捜査人員の拡充を推進する。さらに、捜査範囲を特許侵害および営業秘密流出から国家中核技術の海外流出事件(産業技術保護法違反)まで拡大する計画である。
海外特許およびK-ブランド紛争を関連部署および業種別協団体などと協力し、紛争予防から現地対応まで企業と国家が共に応じる体制を構築する。
知的財産保護は自力での根絶が困難な点を考慮し、韓国企業の貴重な中核技術とK-ブランドの保護のため、海外主要国との連携および外交的協力を強化する。
韓国知識財産処のキム・ヨンソン処長は「こうした政策方向に基づき、国民のアイデアを知的財産へ発展させ、起業・事業化を実現し、技術主導成長と経済革新に貢献する」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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