知的財産ニュース 国際特許安全装置「特許法条約(PLT)」2029年までの加盟推進

2025年12月1日
出所: 韓国知識財産処

特許取得を妨げる規制の撤廃…国家戦略技術の権利保護を強化することで革新基盤の「真の成長」の礎を築く


2029年、特許法条約に加入することで、従来認められていた韓国語および英語に加え、全ての言語を使用した特許出願が可能となる。また、印鑑証明書がなくても自筆の署名があれば特許権移転が可能になるなど公証・認証手続きも緩和される。

韓国知識財産処は12月1日、国家戦略技術の海外権利の保護を強化し、韓国企業の特許取得を妨げる規制を撤廃するため、特許法条約(PLT)への加入を推進すると発表した。

<韓国企業がグローバルスタンダードに合う制度を活用し、海外特許を先取りすることに期待>


特許法条約*に加入することは、「韓米首脳会談共同説明資料(2025年11月14日)発表」に盛り込まれた事項**であり、特許法条約に加入すると、半導体・AI・バイオなど韓国中小ベンチャー企業の研究開発の成果に形式的な誤りやミスがあるなどして期限に間に合わず、権利化ができないリスクを大きく減らせると期待されている。
*締約国間での手続きを統一化し、手続きの簡素化や様々な救済措置の用意など、出願人にやさしい条約として2005年に発効され、現在は米国、日本、英国などを含む43カ国が加盟している。
**The ROK will continue to take the necessary steps to accede to the Patent Law Treaty

また、韓国企業の研究イノベーションの成果物を国内特許で最大限保護し、グローバルスタンダードに合う国内の知的財産制度を設けることで、海外特許を先取りする際にも重要な役割を果たすと考えられる。

<出願手続きの簡素化、権利回復の機会拡大、公証·認証の緩和、在外者の国内代理人の選任義務を緩和>


①韓国企業の出願手続きを大幅に簡素化。 韓国企業が迅速に特許出願日を確保することができるよう、3つの要件*を満せば、出願日として認める。また、現在、出願書は韓国語と英語のみ受け付けているが、特許法条約に加入すると全ての言語で特許出願が可能になる。ただし後日別途で、韓国語の翻訳文を提出しなければならない。
*出願日認定要件:①特許を出願する旨を表示、②出願人の表示、③記述内容の説明部分

②出願人のミスに対する救済措置で、権利回復の機会拡大。 出願人が意見提出期間、優先権期間など期限を遵守できなかった場合に救済措置を講じることができる。出願や特許権の効力が失われた後、一定期間権利を回復できる制度を導入する。期限に間に合わず、権利を喪失した個人、中小ベンチャー企業*に恩恵が与えられると予想される。
*特許回復申請件数のうち、個人または中小企業が約85%を占める。(391件/462件、2022年∼2024年)

③不要な公証·認証手続きを減らし、提出書類も簡素化。現在は、特許権移転などの手続きで印鑑証明書(在外者は署名公証)などが必要である。今後は、自筆の署名だけでも手続きできるよう、制度を見直す計画だ。ただし、当事者の信頼性が疑われる場合は公証・認証などを要求できるようにする方針だ。

④在外者の国内代理人選任義務規定も緩和される。現在、在外者は特許出願の手続きをする際から国内代理人を選任しなければならないが、今後は特許出願、手数料納付時には本人が手続きできるようにする計画だ。ただし、出願後には必ず国内代理人を選任しなければならず、電子出願時は国内公認認証などを経なければならない。

<2029年までに特許法条約(PLT)加入のための専担チームの発足·運営>


韓国知識財産処は、特許法改正および情報システムの改善、人材·予算確保などを通じて2029年までに条約に加入するために「特許法条約加入専担チーム」を発足·運営する計画であり、関連業界などと積極的に意見交換をしていく方針だ。

韓国知識財産処のキム・ヨンソン処長は「特許法条約は、知識財産処が発足してから加入を推進する第1号の条約として、韓国企業の研究成果を特許で保護する際に足かせとなる規制を画期的に撤廃できると期待されている」とし「知識財産処は今後、審査期間短縮、高品質審査などを通じて韓国企業の国際競争力を強化するために最善を尽くす」と述べた。

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