知的財産ニュース 韓国特許庁、大手芸能事務所SMエンタテインメントとパブリシティ権対策について議論
2025年5月20日
出所: 韓国特許庁
芸能事務所を訪問しパブリシティ権侵害への対応状況や保護策について意見交換
キム・ワンギ特許庁長は5月20日火曜日、アーティストのパブリシティ権を管理する芸能事務所の関係者から意見を聞き対策を探るために、韓国を代表する大手芸能事務所SMエンタテインメント(ソウル市城東(ソンドン)区)を訪問した。今回の企業訪問は、パブリシティ権の保護に関する規定の導入後、芸能事務所におけるパブリシティ権の活用や保護の実態を確認し、悩みや意見を聞くために行われた。
◆(パブリシティ権)「国内で広く知られた有名人の氏名、肖像などを商業的に利用することができる権利」であり、侵害時には不正競争防止法第2条第1号ヲ目の不正競争行為に該当する。
※不正競争防止法は権利の付与ではなく上記の行為の規制によりパブリシティ権を保護する
改正不正競争防止法(2022年6月施行)は、パブリシティ権を侵害する行為を不正競争行為の累計の一つとして定義し、パブリシティ権を侵害された権利者が裁判所に差し止めおよび損害賠償を請求するか、行政調査による是正勧告または命令、公表など救済措置を受けることができるよう定めている。今後も特許庁は、権利者が韓国知識財産保護院にパブリシティ権の保護を要請する場合、オンライン上の侵害商品へのモニタリングや投稿の削除といった措置を取るなど関連対策について検討していく考えだ。
SMエンタテインメントは、K-POPをはじめ、さまざまなK-コンテンツをリードしてきた韓国を代表する企業であり、知財を基盤に世界市場で事業分野を着実に拡大している。H.O.T、S.E.Sなど韓国の第一世代のアイドルから最近人気のaespa、RIIZEといった第四世代にいたるまで多くのアーティストを育成し、所属するアーティストの商標権や氏名、肖像などパブリシティ権を体系的に管理してK-コンテンツにかかる知財権の保護に寄与している。
キム庁長は「デジタル環境の中でもパブリシティ権の侵害はアーティストの権益を侵害するレベルを超えて産業全般の信頼を脅かす問題だと認識している」とし、「今後も特許庁はパブリシティ権を侵害する不正競争行為に積極的に対応する一方、国民の認識向上にも取り組んでいく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195