知的財産ニュース 韓国特許庁、バイオ・先端ロボット・AI分野の特許審査官60名を採用

2024年9月9日
出所: 韓国特許庁

9月19日木曜日から27日金曜日まで特許審査官採用の応募書類を受け付ける

韓国特許庁は、国家戦略技術分野において韓国企業の特許競争力の強化を図るために、バイオ(35名)、先端ロボット(16名)、人工知能(9名)など三つの分野で計60名の専門任期付特許審査官(韓国公務員5級に当たる)を採用すると発表した。過去、特許審査官の採用を行った半導体(2023年3月、2024年1月)、二次電池(2024年6月、8月)分野に続き、バイオ・先端ロボット・人工知能分野においても韓国企業による特許権の迅速な確保が実現すると期待される。

バイオ・先端ロボット・人工知能分野は主要国の間でコア技術の確保に向けた競争が激しい国家戦略技術であり、この5年間の全体分野の特許出願件数が年平均2.3%増えている一方、この三つの分野における伸び率は8.4%と急増しているため、世界の主要企業の間でコア特許を確保するための競争が激化していることがわかる。従って、韓国企業が同分野の技術で優位に立つためには、迅速かつ正確な審査が最も重要である。
※全体の特許出願件数:(2019年)224,422件→(2023年)246,056件(年平均2.3%増)
 バイオ・先端ロボット・人工知能分野の特許出願件数:(2019年)17,921件→(2023年) 24,777件(年平均8.4%増)

特許庁は今年上半期からバイオ・先端ロボット・人工知能分野の審査官を増やすために関係部処と協議を始め、8月には人員増員および予算配分を決め、今回の採用を行った。

採用人数は計60名であり、10の細部分野▲バイオ基盤技術、▲バイオ診断および分析技術、▲バイオ医薬技術、▲ヘルスケア医療機器技術、▲ヘルスケアデータの分析技術、▲ロボット機器の設計技術、▲インタフェース技術、▲ロボット制御技術、▲マシンラーニング技術、▲認知処理技術等に分けて採用する。

採用予定の職務分野に関連する学位および経歴を保有することが応募条件であり、同分野の職務経歴があれば優遇する。応募書類の受付期間は9月19日木曜日から27日金曜日までであり、書類と面接選考を行い、合格者を2025年1月に任用する予定である。

専門任期付特許審査官の採用は、当該分野の技術専門性と職務経験が豊富な民間分野の経験者を特許審査官として採用することで、特許審査期間を大幅に短縮して韓国企業を迅速な権利確保を支援し、一方では国内の専門人材が海外転職することによるコア技術の流出を予防するという目的がある。

今回採用される特許審査官は技術専門性を保有する、韓国公務員5級に当たる(専門任期付나級)国家公務員として、一般の公務員とは異なり定年がなく※、民間分野での経歴が認められて新規採用される一般職5級の公務員より報酬が高いという特徴がある。
※最初契約後、年齢の制限がなく定員・予算の状況に応じて最長10年まで延長することが可能であり、任期満了(10年)後に再び任期付公務員の採用試験に応募が可能

特許庁長は「今回の採用によりバイオ・先端ロボット・人工知能分野の特許審査が速くなり、韓国企業が迅速に特許権を取得して先端技術の常用化を図ることで、グローバル競争力を確保することができると期待される」とし、「公務員のやりがいを感じられる仕事に就きたい優秀な技術人材からの多大な関心や支援を願う」と述べた。

特許庁は、民間企業や技術分野の人材に対し採用をPRするために9月12日木曜日、「2024K-ICT WEEK in BUSAN」イベント会場(釜山・BEXCO)にて採用説明会を開く。採用の詳細については特許庁ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます人事革新処の나라일터(ナライルト)ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認でき、相談や問い合わせは特許庁運営支援課(電話:042-481-5111)にて受け付けている。

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