知的財産ニュース 欧州特許庁が発表した2023年特許統計で韓国は多出願上位5位
2024年3月26日
出所: 韓国特許庁
蓄電池分野はLG、サムスン、SKなど韓国勢がリード
韓国特許庁は、欧州特許庁(EPO:European Patent Office)が最近発表した「2023特許統計(Patent Index 2023)」によると、2023年EPOに出願した国のうち、韓国が初めて上位5位に入っていると発表した。
韓国企業による特許出願件も初めて1.2万件(12,575件)を超え過去最多※となり、前年比伸び率も21%とトップとなっている。
※韓国によるEPOの特許出願件:(2021年)9,421件→(2022年)10,389件→(2023年)12,575件
上位10位にサムスン(2位)、LG(3位)が入る…サムスンは出願伸び率1位となり
上位10位の中には韓国、アメリカ、ドイツの企業がそれぞれ2社ずつ、日本、中国、スウェーデン、オランダなどの企業がそれぞれ1社入っている。中国のファーウェイがトップを占め、サムスン、LG、クアルコムの順となっている。とりわけ、サムスンは前年比58.9%増加した4,760件を出願して上位10位のうち出願伸び率がトップとなった。
蓄電池分野の特許出願はLG(1位)、サムスン(3位)、SK(5位)など韓国勢がリード
技術別にみると、韓国は二次電池などを含む電気機械・装置・エネルギー、蓄電池分野で2位を占めており、最近、国家競争力を左右すると思われる先端技術分野でほかの国に比べて優位を確保していることがわかった。とりわけ、半導体分野ではコア技術の先取りに向けた韓国、アメリカ、中国間の競争が激しくなっていることがわかった。
<電気機械・装置・エネルギー、半導体分野における上位3か国の動向>区分 | 1位 | 2位 | 3位 |
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電気機械・装置・エネルギー(出願件数の割合※) | 中国2,464件(16.1%) | 韓国2,386件(15.6%) | ドイツ2,154件(14.1%) |
半導体(出願件数の割合※) | アメリカ974件(22.3%) | 韓国879件(20.1%) | 中国705件(16.1%) |
※当該の技術分野でEPOにおける全体の出願件数の国別の割合
また、電気機械・装置・エネルギー分野の技術である蓄電池分野(二次電池を含む)でLG1位、サムスン3位、SK5位など、韓国勢3社が上位5位に入り、韓国企業が同分野で強みを持っていることがわかった。
<蓄電池分野における上位3社の動向>区分 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
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蓄電池技術 | LG(韓国)1,158件 | CATL(中国)537件 | サムスン(韓国)315件 | パナソニック(日本)207件 | SK(韓国)178件 |
韓国特許庁、半導体・二次電池など国家戦略技術の突出した技術力の確保に向け支援強化
特許庁は、半導体や二次電池分野に対し迅速かつ高品質の特許審査サービスを提供するために努力している。半導体の場合、半導体優先審査、半導体分野の特許審査官採用(67名)など関連政策を積極的に進めており、二次電池分野においても専担審査官38名の採用を行っているため、これからより迅速な権利化を支援していく方針だ。
特許庁長の職務代理は「世界で技術覇権争いが激しくなっている中で、半導体や二次電池などコア技術の権利化により、競争力確保を目指している韓国企業の取り組みが、今回発表されたEPOの「特許統計2023」から確認できた」とし、「特許庁は特許権確保に向けた韓国企業の取り組みが有効な結果につながるよう、迅速かつ高品質の審査サービスを提供する一方、EPOなど海外知的財産庁の審査分野と協力を深めるよう努力していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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