知的財産ニュース LG人工知能研究院と共同で構築した世界初「特許専用の大規模言語モデル」を公開する

2023年12月21日
出所: 韓国特許庁

特許専用の言語モデルを基盤に来年からAI審査システムの開発に取り組む

韓国特許庁はLG人工知能(AI)研究院と12月21日木曜日、政府大田庁舎(大田市西区所在)にてAI開発に関する両機関による協力の成果を発表する。

発表会にはイ・インシル特許庁長、ペ・キョンフンLG人工知能研究院長をはじめ13人が参加し、今年両機関が協力して世界で初めて構築した特許専用の大規模言語モデルを公開する。

特許庁、LG人工知能研究院と共同で特許分野に特化した大規模言語モデルを開発

特許庁は特許行政サービスのイノベーションを図るために今年7月14日、LG人工知能研究院とAI技術を特許行政に採用する内容の業務協約を締結し、その第一の協力課題として特許専用の大規模言語モデルを構築してきた。

この言語モデルは、LG人工知能研究院が保有している大規模AIモデルの「EXAONE」に特許庁が保有する特許公報など特許行政と関連する7種の情報※(1.78TB)を学習させたものである。また、特許庁のシステム環境や活用目的などを踏まえて88億パラメーター※の規模で構築され、2回にわたる学習過程を経て精度を高めた。
※7種の情報:韓国語/英語版の特許公報、通知書、機械翻訳・CPC分類・機械読解の情報、相談事例集
※パラメーター:コンピュータープログラムに対し処理を指示する際に与えられる値などのこと

性能評価の結果、文章の要約、翻訳など全体の評価対象の業務において平均以上の結果が得られ、分野別に改良を重ねれば、さらに高い精度が期待できる。

特許専用の言語モデルを基盤に来年からAI審査システムの開発に取り組む

特許庁は今回構築した特許専用の言語モデルを基盤に来年から特許検索、分類など審査業務のイノベーションを図るために研究開発に取り組む。

今回の発表会では、両機関が今後のAI審査システムの開発に向けて協力する内容について話し合う。

特許庁長は「AI分野で強みを持つLG人工知能研究院と緊密に協力することで特許専用のAIモデルを開発できたことを嬉しく思う」とし、「今後も特許行政分野に先端技術を積極的に採用することで特許システムの発展をリードしていきたい」と述べた。

LG人工知能研究院長は「特許庁が保有する特許文献を基に学習したEXAONEが特許業務の生産性を大きく高め、今回の成果を韓国のAI産業の発展につなげていきたい」とし、「今後も特許庁と緊密に協力して専門分野でのAI活用で世界をリードしていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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