知的財産ニュース 事故予防するIoT技術の特許出願件数が10年間年平均10.8%増加

2023年12月18日
出所: 韓国特許庁

サムスン電子、LG電子など出願件数上位10位の中に韓国企業が多い


#最近、職場・家庭・学校など生活現場での安全を守るためにIoT技術が採用されている。IoT技術を利用した世界の公共安全市場の規模は2023年に4.4兆ウォン(30.5億ドル)となっていたが、年平均17.1%ずつ成長して2027年には7.6兆ウォン(57.3億ドル)に達すると見込まれる※。IoT基盤の安全管理市場をリードするための技術開発も活発になるとみられる。
※“IoT in Public Safety Global Market Report 2023”, Business Research Company, 2023. 3.

韓国特許庁は、世界でここ10年間、モノのインターネット(IoT)技術を活用した事故予防技術の特許出願が年平均10.8%ずつ増加していると発表した。

世界のIoT基盤の事故予防技術の特許出願、10年間年平均10.8%増加

五庁(IP5:日米欧中韓の5つの特許庁)に出願されたIoT基盤の事故予防技術の特許を分析したところ、2012年に1,348件にとどまっていた出願件数がここ10年間年平均10.8%ずつ増加し、2021年には3,406件に達していることがわかった。

類型別:産業安全分野1位(39.9%)、年平均増加率も1位(16.8%)

類型別にみると、産業安全分野が39.9%と最も多く、子どもケア(29.5%)、高齢者ケア(23.6%)、学校安全(11.6%)の順となっている。産業安全分野は年平均の増加率も16.8%と高くここ10年間の伸び率の4倍である。ほかの分野でも年平均7%前後の高い伸び率となっている。

これは、センターに微小な電気機械システム(MEMS)※が採用されて低コスト・小型化したセンサーが普及され、ブロードバンドIoT通信技術の進化により高品質のサービスが実現したことによる結果だと分析できる。また、高齢化の加速化、非対面生活様式の常態化による時代の変化を経て、社会福祉分野でIoT基盤のサービスへのニーズが高まっていることが大きく影響していると思われる。
※微小な電気機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems):機械的な機能と電子的な機能を統合して行うチップセット(chipset)レベルの超小型装置

各庁の出願動向:規模の大きい米国市場、成長する中国市場

五庁に出願された特許件数の割合をみると、米国が45.1%(11,076件)と最も大きく、韓国(25.7%、6,301件)、中国(17.7%、4,340件)、日本(6.7%、1,648件)となっている。ただし、年平均の増加率は中国が33.7%と最も高く、次に韓国が15.5%となっている。つまり、IoTを活用した事故予防技術の市場は、米国が最も大きい規模を持つが、中国市場の成長スピードが速いことがわかった。

主要出願人:サムスン電子4位、LG電子5位など、韓国の出願件数が多い

出願件数上位10位の中には韓国の出願人が多いことがわかった。IBM(231件)がトップ、2位フィリップス(159件)、グーグル(108件)が3位となっているが、4位サムスン電子(85件)、5位LG電子(84件)、6位韓国電子通信研究院(80件)、7位大韓民国政府(75件)など、韓国勢が強みを見せた。

特許庁のモノのインターネット審査課長は「職場・学校・家庭での安全管理の落とし穴を解決するために、IoT基盤の事故予防技術の特許出願はさらに活発になると見込まれる」とし、「企業が優秀な特許権を迅速に確保できるよう、特許庁は高品質の審査だけでなく出願人が必要とする関連資料や統計、ガイドなどを適時に提供できるよう努力していく」と述べた。

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