知的財産ニュース 韓国特許庁、中国と東南亜における韓国商標冒認出願現況の分析結果を発表

2023年7月24日
出所: 韓国特許庁

韓国商標に対する海外冒認出願、化粧品・電子機器・衣類分野で最多

韓国特許庁は、中国と東南アジア(ベトナム、タイ、インドネシア)地域でこの4年間(2019~2022)発生した韓国企業の海外冒認出願情報収集※資料※※の分析結果を7月23日発表した。
※調査期間中、当該国に出願された商標の全数調査を行い、韓国に出願・登録された商標と比較・分析する
※※中国・ベトナム(2019)、タイ(2020)、インドネシア(2021)の商標冒認出願情報収集資料15,692件を分析する

最近、海外で外国企業などが韓国商標を冒認出願し、韓国企業に商標紛争や模倣品流通などの被害を与えることが発生している。韓国商標に対する海外での商標冒認出願の分析は、韓国の輸出企業が海外で商標冒認出願により経験する商標紛争や模倣品などの困難を事前に予防し備える上で役立つために実施された。今回の分析結果、化粧品、電子機器、衣類などの分野を中心に韓国企業の高品質イメージに便乗するため商標を冒認出願する場合が多いことがわかり、当該業種企業の格別な注意が必要だと分析された。

海外における商標冒認出願被害頻発業種

まず、韓国企業は、化粧品(18.7%)、電子機器(15.3%)、衣類(15.1%)、フランチャイズ(13.2%)、食品(7.6%)等5大業種の海外での商標冒認出願被害が大きいことがわかった。最近、韓国コンテンツなど韓流ブームに伴って韓国企業の商標の認知度が上昇するにつれ、海外での韓国商標の冒認出願が頻発しているものと分析される。

国別商標の海外冒認出願被害上位5大業種
全体で化粧品18.7%、電子機器15.3%、衣類15.1%、フランチャイズ13.2%、食品7.6%である。中国では同順番にそれぞれ17.7%、16.4%、15.0%、14.6%、6.9%であり、ベトナムでは18.7%、14.3%、13.9%、10.2%、9.7%、タイでは21.6%、14.3%、14.3%、9.4%、8.4%、インドネシアでは20.6%、17.1%、12.6%、12.1%、7.9%である。

企業規模別海外における商標冒認出願被害現況

企業の規模別から見る韓国商標の海外冒認出願被害は、中小企業が81.8%と最も大きく、中堅企業の被害は9.4%、大企業の被害は8.2%の順となっている。

各国の企業規模別商標の海外冒認出願被害現況
全体で中小企業81.8%、中堅企業9.4%、大企業8.2%、その他0.6%である。中国では同順番にそれぞれ84.9%、7.7%、6.8%、0.6%であり、ベトナムでは74.6%、12.0%、12.7%、0.7%、タイでは79.3%、11.6%、8.7%、0.4%、インドネシアでは74.8%、13.8%、10.5%、0.8%である。

中小企業および中堅企業は、「化粧品」業種で海外での商標冒認出願被害がそれぞれ18.2%および27.3%と最も大きく、大企業は、「電子機器」業種で24.7%と海外での商標冒認出願被害が最も多く発生していることが調査された。

海外における商標冒認出願の類型

海外での商標冒認出願の類型を分析したところ、元の韓国商標と同一の業種で同一の商標を冒認出願した場合が69.5%(中国56.3%、東南アジア地域80%以上)と最も多かった。また、中国の場合、他業種で同一・類似商標を使用した場合も27.4%と高い。

元の商標と異なる業種でも韓国商標の海外での商標冒認出願被害が発生する理由としては、韓国商標に対する認知度と信頼度が高く、他業種で出願しても韓国商標にただ乗りすることができるからだとみられる。

国別海外における商標冒認出願の類型の現況
全体で同一業種の同一商標69.5%、同一業種の類似商標12.9%、他業種の同一・類似商標17.6%である。中国では同順番にそれぞれ56.3%、16.3%、27.4%であり、ベトナムでは84.4%、14.5%、1.0%、タイでは94.7%、4.3%、1.0%、インドネシアでは97.6%、2.4%、0.0%である。

冒認出願された韓国商標の海外商標構成言語

海外で冒認出願された韓国商標は、「英文商標」が冒認出願被害商標全体のうち70%以上と最も高いが、「英文・ハングル併記商標」や「ハングル商標」などハングルを含む商標の被害も25%以上と高い割合を占めている。

ハングルを含む商標の被害も大きい理由としては、中国・東南アジア諸国ともにハングルが図形として認識され、商標冒認出願の疑いを回避しやすい点が影響したものとみられる。

国別冒認出願された商標構成言語の現況
全体で英文71.3%、ハングル+英文22.0%、ハングル6.2%、その他0.4%である。中国では同順番にそれぞれ70.0%、21.4%、8.1%、0.6%であり、ベトナムでは70.9%、24.9%、3.9%、0.2%、タイでは74.7%、22.8%、2.4%、0.1%、インドネシアでは74.6%、22.4%、2.9%、0.1%である。

政府支援の現況および今後の計画

特許庁は、韓国企業の海外冒認出願情報収集の対象国を、2017年中国をはじめにベトナム・タイ・インドネシアに続いて2023年シンガポールまで拡大し実施しており、個々の被害企業に対しては、情報収集の結果だけでなくリスクレベル別※に応じてそれぞれの対応戦略情報と商標冒認出願対応戦略コンサルティングを提供することで韓国企業の被害救済に努めている。
※海外での商標冒認出願リスクレベル:懸念商標→リスク商標→ハイリスク商標

特許庁の産業財産紛争対応課長は、「中国および東南アジア地域で商標の冒認出願が継続して発生しているだけに、当該国で事前に商標権を確保することが重要だ」とし、「これから冒認出願頻発業種にあらかじめ情報を提供して被害を予防するなど、海外に進出している韓国企業に対する支援を強化していきたい」と述べた。

一方、詳細な調査結果および支援事業などに関する問い合わせは、韓国知的財産保護院(Tel:1600-8145、ARS3番、ipkoipa@koipa.re.kr)に連絡すればよい。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195