知的財産ニュース 韓国特許庁、「2022IPトレンド年次報告書」を発刊

2023年7月14日
出所: 韓国特許庁

米国内韓国企業への特許攻撃、10件に8.5件は「NPE」によるもの

昨年(2022年)、米国で韓国企業を相手にした特許訴訟10件に8.5件はNPE(特許不実施主体)※が提訴したことが明らかになった。特に、主力産業分野である半導体・コンピューター等の分野で特許訴訟が集中的に発生しており、韓国特許庁は、紛争リスク警報を提供するなど、NPEとの特許紛争に対する韓国企業の対応を積極的に支援している。
※特許不実施主体(Non-Practicing Entity、NPE):保有特許を活用した生産活動は直接せず、特許権の行使だけで収益を創出する事業者

特許庁は、昨年、韓国企業の米国内特許紛争動向を分析した「2022IP(知的財産)トレンド(動向)年次報告書」を7月12日水曜日に発表した。

米国内韓国企業の特許紛争、半導体・コンピューターなどの分野で集中発生

昨年、米国で発生した韓国企業の特許紛争は計208件で、10件に7件は韓国企業が訴えられた(攻撃された)(149件、71.6%)ものであり、被提訴企業の大半は韓国の大企業(149件のうち134件、89.9%)であることがわかった。特に、大部分の特許紛争は半導体・コンピューターなどの電気電子・情報通信分野で集中的に発生(208件のうち145件、69.7%)しているため、韓国の主力産業分野の特許に対する保護が急がれていることが確認された。

米国内韓国企業への特許攻撃、NPEが主導

昨年米国で韓国企業を相手にした特許訴訟のうちNPEが提訴した割合は84.6%(149件のうち126件)とこの5年間で最も高く※、最近韓国企業に対する特許攻撃はNPEが主導していることがわかった。韓国企業に対するNPE提訴件のうち、大企業に対する提訴は90.5%(126件のうち114件)と大部分を占めているが、中小・中堅企業に対する提訴件も前年比2倍に増加(6件→12件)し、大・中小企業とも海外進出の際に注意が必要であることが確認された。
※(2018)73.3%→(2019)70.9%→(2020)69.4%→(2021)77.6%→(2022)84.6%

特許庁、海外NPEとの特許紛争に対する支援策を講じる

韓国企業を相手にしたNPEの特許攻撃が持続的に発生していることを受け、特許庁は今年3月、関連官庁と合同で海外NPEからの特許訴訟リスクを緩和するための「海外NPE特許紛争支援策」を発表している。

海外NPE特許紛争支援策

  • 産業別に海外NPEからの紛争リスクの度合いと紛争リスクのある特許を分析して警報する
  • NPEの特許買い取り動向などをモニタリングして提供する
  • NPE特許の無効資料調査を支援する
  • NPEからの攻撃に共同で対応するため、産業別の協会・団体と協力体系を構築する

特許庁の産業財産保護政策課長は、「米国で韓国企業を狙ったNPEの特許攻撃が持続的に発生していることから、対応戦略をより綿密に立てる必要がある」と強調した上で、「NPEの保有特許を分析し、紛争リスク情報などを先行的に提供することで、韓国企業が特許攻撃に先手を打って備えられるよう最善を尽くしたい」と述べた。

一方、IPトレンド年次報告書は、韓国企業が海外の知的財産紛争に適切に対応できるよう、紛争の動向を提供する目的で2016年から毎年作成されており、知的財産保護総合ポータルIP-NAVI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから誰でもダウンロードできる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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