知的財産ニュース 2022年に新たに変わる知的財産制度

2022年1月3日
出所: 韓国特許庁

中小企業のための紛争リスク警報サービス及び早期診断サービスを提供
365日24時間知的財産相談サービスが可能な人工知能チャットボットを導入
小規模事業者の知的財産被害を予防するための商標権出願教育及びコンサルティングを実施

今年から中小企業の知的財産権紛争対応の支援を強化するための紛争リスク警報サービスと紛争リスク早期診断サービスが提供される。

人工知能(AI)チャットボット相談サービスを導入して365日24時間、国民向け知的財産関連相談サービスが可能になり、全国地域知的財産センターで悪意のある商標先取り行為から小規模事業者を守るための知的財産権教育と商標権出願コンサルティングが実施される。

韓国特許庁は、このような内容を盛り込んだ2022年新年に変わる制度を知的財産権保護強化、行政サービスの品質改善、知的財産能力強化の3つの分野に分けて紹介した。

知的財産の保護を徹底して技術覇権時代に備える

海外に進出した韓国企業の知的財産権紛争対応の支援を強化する。
紛争ハイリスク技術分野・特許を調べて企業に提供する紛争リスク警報サービスと、競合他社の特許及び技術を情報収集(monitoring)・分析して紛争リスクを早期に診断してくれるサービスを開始する。(2022年3月)
また、特許紛争対応戦略の相談対象を拡大(※)し、費用支援の限度を引き上げて(※※)中小企業への支援を強化する。(2022年1月)
※(従来)中小・中堅輸出企業→(改善)中小・中堅企業全体に拡大
※※(従来)年間1億ウォンまで→(改善)2億ウォンに引き上げ

「取引を目的に蓄積・管理したデータを不正取得・使用する行為」と「有名人の肖像・姓名等を不正に使用する行為」が新たに不正競争行為として認められる。
資料(data)の不正使用行為に対しては民事的救済措置及び行政調査・是正勧告が可能になり、技術的保護措置を正当な権限なく故意に無力化する行為に対しては刑事処罰(※)が可能になる。(2022年4月)
※3年以下の懲役、3,000万ウォン以下の罰金
また、有名人の肖像・姓名等を無断で使用する行為によって経済的利益を侵害される場合は、差止請求・損害賠償請求などの民事的救済措置及び行政調査・是正勧告が可能になる。(2022年6月)

知的財産行政サービスの品質を高める

特許分離出願制度を導入する。(2022年4月)拒絶決定不服審判の棄却審決を受けた後、特許法院の提訴期間内に拒絶されていない請求項のみ別途分離して出願できるようになる。

特許・商標・デザインの審判請求期間が延長される。(2022年4月)拒絶決定不服審判における審査官の拒絶決定に対する審判請求期間と商標・デザインの補正却下不服審判における審査官の補正却下決定に対する審判請求期間がそれぞれ30日から3カ月に延長される。

24時間チャットボット相談サービスを実施する。これから特許顧客はチャットボット相談サービスを通じて知財権全般に対する質疑応答を365日・24時間利用できるようになる。(2022年4月)

知的財産能力を強化して未来志向的な知的財産エコシステムを構築する

小規模事業者の知的財産被害を予防し、安定的な成長を後押しするために知的財産の権利化を支援する。今年から小規模事業者は全国地域知的財産センター(※)で知的財産権の基礎教育と商標権などの知的財産権の出願相談を受けることができるようになる。(2022年3月)
※ソウル、京畿、仁川など13の地域

広域単位の発明教育に向けた拠点機関として、慶尚北道教育庁と共に慶尚北道(慶州)に発明体験教育館を開館する。(2022年3月予定)慶尚北道内の発明教育を総括・支援し、深化した発明・特許教育と発明展示・体験スペースを子どもや一般人に提供する。

特許庁の報道官は「2022年に新たに変わる知的財産制度は小規模事業者や中小企業など、知的財産分野の相対的弱者をサポートすることに重点を置いている」とし、「急変する国内外の環境に先手を打って対処するために、知的財産制度を補完する努力とコミュニケーションを続けていく」と述べた。

2022年に変わる知的財産制度に関する詳細は特許庁のブログ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから確認できる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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