知的財産ニュース 特許技術により週末農園も家の中で

2021年9月23日
出所: 韓国特許庁

家庭用人工知能の植物栽培機に関する特許出願が増加

大都市に住むユ・チョムダン氏は植物栽培機を利用して家の中でレタスとルッコラを育てている。近郊で週末農場の耕作や、早朝配送も利用してみたが、欲しいだけの野菜を簡単に食べる方法は植物栽培しかないと結論を出した。

新型コロナウイルスにより家の中での肉の消費が増えて野菜をたくさん食べるが、子供たちが食べたい野菜の種カプセルを選んで栽培機に入れ、希望の日付を入力すると適時に食べやすい大きさに育つ。

最近は種カプセル購読サービスも加入し、毎月の初めに翌月の献立に合わせてピザトッピングに使うルーコラ、肉と一緒に野菜などを注文する種カプセルを選ぶ。

韓国特許庁は、家庭用植物栽培機に関連する特許出願が2020年に前年対比34.2%(161件→216件)に急増したと発表した。

これは、新型コロナウイルスの長期化により「家の中の文化」が拡散され、購読経済が急速に成長し、「植物を育てる楽しみ」と「環境を考える合理的な消費」に対する需要が増加して家庭用植物栽培機市場に影響を与えた結果とみている。

最近5年間(2016~2020年)細部技術分野別の出願動向を調べてみると、温湿度、光など「栽培環境を制御する技術」が417件(56.6%)で最も高い割合を占め、2020年に前年に比べ最も高い増加率を見せた分野は「人工知能制御」技術(80%増加)であった。

「栽培環境制御」技術の場合、技術の難易度が相対的に低く、多くの改良出願が行われたものと判断され、「人工知能制御」技術の増加率は、最近第四次産業革命技術の拡散傾向を反映したものと解釈される。

「人工知能制御」技術の主要特許登録事例として、「食べたいときに収穫が可能な栽培速度を自動で制御する技術」、「種カプセルを挿入するだけで該当種の最適栽培条件を自動で認知して制御する技術」などが挙げられる。

最近5年間の出願人分布をみると、上位10位の最多出願人として、企業はLG電子(1位)、グローソリューション(3位)、SKマジック(4位)、株式会社教元(9位)、国家研究機関はKIST(2位)、農村振興庁(5位)が占め、残りは大学、個人が一部含まれている。

出願人の分布をみると、植物栽培機技術開発は企業と国家研究機関がリードしていると判断され、市場の主要事業者として取り上げられているLG電子、SKマジック、株式会社教元が特許技術に基盤して事業化を推進していることが分かった。

特許庁食品生物資源審査課の審査官は、「国内植物栽培機市場は植物栽培機の販売だけではなく、種カプセルの定期的な購買が発生する購読経済の一種であり、持続的な成長が予想され、「家庭用植物栽培機分野は世界的に特許を寡占し、技術障壁を構築した企業がないものと分析され、海外進出も十分考慮することができ、植物栽培機市場が韓国企業のもう一つの「成功市場」になることを期待する。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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