知的財産ニュース 電気自動車に使用される最新の制動技術

2021年9月13日
出所: 韓国特許庁

電気自動車の回生制動技術に関する出願動向

我々が使用する内燃機関車両に使用される制動装置は摩擦方式であるが、最近の電気自動車は摩擦熱で消耗するエネルギーをバッテリーに保存して再活用する回生制動方式が導入されている。ただし、最近の電気自動車でも回生制動システムと一緒に、車両の急制動や停止時に摩擦制動方式が制限的に使用されている。

回生制動システムは、1960年代に米国の自動車メーカー「アメリカンモータース(AMC)」で初めて考案され、鉄道車両にまず先に適用されたが、最近は、バッテリーが使用される電気自動車が普及したことにより、燃費改善を目的に幅広く利用されている。

韓国特許庁によると、回生制動システムに関する韓国国内の特許出願が、去る11年間の全体件数が338件であり、2010年18件から2019年44件に増加したと発表した。

現代自動車(155件、45.9%)、(株)萬都(20件、5.9%)、現代モービス(18件、5.3%)など、韓国国内の大企業が出願をリードしていると示された。

技術別には、摩擦制動と回生制動の円滑な転換のためにモーターを制御する技術(118件、34.9%)、車輪ごとに適切な制動力を分配するための制御技術(98件、29.0%)、バッテリーの過充電を防止するためのバッテリー制御技術(81件、24.0%)などが多く出願されている。

最近は、回生制動システムが適用された車両の乗車感問題が、解決すべき課題となっている。

回生制動システムは燃費改善などのメリットがあるが、低速での頻繁な制動や急制動時の乗車感の低下などのデメリットもある。

このような問題を解決するために、最近は、センサーを活用して路面傾斜、前方車両の速度や距離差についての情報を得て、これを通じて回生制動量を自動で決めるスマート回生制動システムに関する技術が多く開発されている。

スマート回生制動システムは、不要なブレーキ操作を軽減し、運転手の疲労感を下げ、アクセルペダルのみを使用することで、加速と回生制動を行き来しながら走行できる利便性も提供できる。

特許庁一般機械審査課審査官は、「回生制動システムは燃費改善などのメリットがあるが、運転手の乗車感向上の問題は持続的に改善すべき課題である」とし、「このような問題を解決するために持続的な研究開発及び知的財産権の確保が、今後の企業の競争力強化の主要要素となる」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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