知的財産ニュース 韓国・サウジアラビア、共同特許審査を開始

2021年6月30日
出所: 韓国特許庁

サウジアラビア、7月から中東の国では初めて韓国と特許共同審査を実施

韓国特許庁は、2021年7月1日(木曜)から韓国とサウジアラビア間における特許審査を共同で行う試行事業(CSP:Collaborative Search Program)を施行すると発表した。

「特許共同審査」とは、両国に同じ発明が特許申請された場合、両国の審査官がその発明と類似な先行技術があるかどうかについてお互いに検索し、結果を共有することで、通常の申請より迅速かつ正確に特許審査サービスを提供するものである。

これを活用すれば、韓国とサウジアラビアに共通で審査請求された特許発明は、両国の審査官の協力により、長くても審査請求日から6ヵ月以内に正確な審査サービスを受けることができるようになる。サウジアラビアの一般審査は約21ヵ月(2018年基準)がかかるため、特許審査期間が現在よりも約15ヵ月減少するという効果がある。

特許共同審査は、韓国企業が迅速かつ正確に海外の特許を確保できるよう、2014年10月に韓国が先に提案した制度であり、現在、米国と中国とも試行事業を実施している。

米国-韓国の試行事業の結果(2015年9月~)、特許審査の処理期間短縮に加えて、両国間における特許審査結果の一致率も90.2%になり、一般審査(68.6%)よりもはるかに高い一致率であることを考えると、同事業が施行されれば、サウジアラビアにおいても大体の韓国の特許が変更無しで特許を受けることができると期待している。

サウジアラビアの人口は約3,400万人で、中東諸国の中で最大規模の内需市場を保有しており、最近はK-食品、K-診断・防疫、K-ビューティーの人気に応えて韓国企業の進出が持続的に増加している。

※サウジアラビアにおける韓国企業の累積特許申請(出願)件数:301件(2015~2019年)
※※サウジアラビアに進出した韓国企業数:29社(2021年6月基準)

今回の試行事業を実施することで、サウジアラビアへの進出を皮切りに中東諸国における事業拡大を進めている韓国企業に特許権の確保と市場の先取りを大きく支援できると予想している。

特許庁の特許審査企画局長は、「韓国がサウジアラビアと施行する特許共同審査は、サウジアラビアに進出した韓国企業が、中東地域で特許権を確保することを実質的に支援するための審査協力事業である」とし、「海外市場への進出に対するニーズと国際審査協力の必要性が高い国を中心に特許共同審査を拡大して、韓国企業が海外で容易に特許権を取得できるよう、積極的に支援する計画である」と述べた。

特許共同審査の試行事業に関する内容は、特許庁のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認することができ、特許庁の特許審査制度課(+82-42-481-5400)にお問い合わせすることもできる。

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