知的財産ニュース 技術イノベーションの奨励および成果の合理的な共有に向けた、職務発明制度の改善委員会を発足

2021年2月26日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、「職務発明制度の改善委員会」の発足式および第1回目の制度改善委員会を2月26日(金曜)午後2時、ソウル市のSKY31コンベンションで開催すると発表した。

職務発明は、企業、大学、公共研究機関などで従業員(職員、教授、研究者)の担当業務に関連する発明のことをいう。

※職務発明とは、(1)従業員などがその職務に関して発明したものが、(2)使用者などの業務範囲に属し、(3)その発明をするようになった行為が従業員などの現在または過去の職務に属する発明をいう(発明振興法第2条第2号)。

職務発明制度は、従業員が創作した発明を企業などの使用者が承継し、従業員には正当な補償をして発明を奨励することにより、最終的には産業の発展と技術競争力の向上に貢献することを目的としている。

2020年に韓国国内で出願された特許のうち、企業‧大学‧公共研究機関などが従業員の職務発明を承継して出願した割合が80%に達するということは、技術イノベーションに職務発明制度の重要性が非常に高いことを示唆している。

※個人(内・外国人)を除く全ての法人出願(民間企業・大学・公共研究機関・国有・外国法人)を集計すると、約80%を占めている(2020年、特許庁統計)

ところが、職務発明は従業員の研究開発にかかる努力とともに、研究設備‧資材の提供や研究費の支援のような使用者のサポートにより初めて完成されるという点で、従業員と使用者は発明の事業化で発生した利益を公平で合理的に調整する必要性がある。

しかし、最近、民間企業を中心に、職務発明の補償金に関連する訴訟が増えており、大学・公共研究機関と創業企業で兼業している従業員の場合、職務発明の権利帰属に対する紛争が発生するだけでなく、企業・法曹界・公共機関などから制度改善に対するさまざまな意見が持続的に提起されている状況である。

※職務発明補償に関連する判決(2011~2020年)94件のうち、62%(58件)が2016年以降の宣告

これにより特許庁は、民間専門家を中心に「職務発明制度の改善委員会」を発足し、約20人の産業界、学界、法曹界の委員からさまざま現場の意見を収集・議論する計画であり、それに基づいて実効性のある制度改善策を確立する予定である。

制度改善委員会は、職務発明を承継する時点を改善するかどうか、兼業従業員による職務発明の権利関係の明確化、補償金の算定に向けた手続的な正義性の認定を強化するかどうか、規定の不利な変更に対する明確化など、約10件の議題を取り扱う計画である。

特許庁次長は、「職務発明制度は、従業員の研究開発に正当に補償することで、発明意欲と業務に対する満足度を向上させ、使用者は研究開発の成果を促進することで企業の競争力を高める一方、中核人材を確保・維持できるようにし、従業員と使用者間の好循環による効果をもたらす有意義な制度である」とし、「職務発明制度の改善委員会が、各界の意見を反映した深度ある議論を行い、産業現場で職務発明制度がより広く活用されることで、不必要な紛争を予め防ぐことができるよう、実効性のある制度の改善策が確立することを期待している」と述べた。

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