知的財産ニュース 特許庁、商標・デザイン審査業務に人工知能(AI)を導入

2021年2月15日
出所: 韓国特許庁

AI基盤の商標・デザイン検索システムを開通し、デジタルトランスフォーメーションを加速化する

韓国特許庁は、AI技術が適用された商標・デザインの画像検索システムを開発完了し、審査・審判業務に活用するよう、2月15日からサービスを開始すると発表した。

システムの開通により、商標・デザイン審査官は、1件当たりの審査に数千件の画像を検索して目で確認していた既存の方式を改善することで、検索にかかる時間を大幅に短縮し、審査の精度も向上させることができるようになった。

AIを基盤にする画像検索システムを構築するため、特許庁が独自で保有している約200万件以上の商標・デザイン画像をAI学習データで活用し、約2年間、研究実証・実現およびテスト運営を行った。

画像検索システムの主な機能は、出願された画像と先行登録された画像を比較した検索結果を類似度順に並べ替えて表示する機能である。

特に、複数の形状が重なっている画像の中から部分画像を認識して検索することができるという点は注目できる。例えば、バッグの画像を検索したときに、バッグ外形やバッグに印刷されたロゴ・キャラクターの類似画像を一度に検索することができる。

また、商標・デザインに対する分類もAIが自動的に推奨して分類コードを指定するように支援する。

一方、特許庁は2020年に書面の電子化、海外特許文献の翻訳、特許図面符号の認識にAI技術を適用し、2021年には顧客相談チャットボット(chatbot)(※)、知能型の特許検索および自動分類などを研究開発している。

※チャットボット:文字または音声でチャットする機能を有するコンピュータプログラムまたは人工知能

特許行政サービスの全般にわたって人工知能(AI)技術を導入することで、審査・審判業務の効率を向上させるためのロードマップが順調に履行され、デジタル政府としての転換が早まっている。

特許庁の情報顧客支援局長は、「商標・デザインの画像検索において、AI技術を適用することで、より迅速かつ正確な審査を支援することができるようになった」とし、「今後もAI、ビッグデータなどの知能情報技術を活用した知的財産行政分野のデジタルトランスフォーメーションをいち早く推進したい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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