知的財産ニュース ここ10年間、マスクのデザイン登録出願が11倍以上増加

2020年3月4日
出所: 韓国特許庁

呼吸器疾患・PM2.5の影響、審査処理を10日前後に短縮

韓国特許庁によると、ここ10年(2010~2019年)の間、マスクデザインの平均出願増加率が43.2%と非常に高くなったと発表した。

出願件数を期間別に分析すると、新型インフルエンザ(H1N1)が流行した2009年からPM2.5予報開始以前の2013年までは、わずかな増減が続いてきたが、その後、PM2.5の有害性に対する認識拡大と2015年マーズ(中東呼吸器症候群)の発生などによりマスクの出願が持続的に増加しており、特に、2019年の1年間で計815件が出願され、2018年の出願(261件)に比べて212.3%という高い出願増加率を見せた。

これは最近、世界中の健康を脅かしている、コロナ19のような呼吸器疾患とPM2.5の有害性に対する認識が拡大され、ますます進化する交通手段の発達により全世界が地域化されるにつれ、マスク輸出などの関連産業の成長に伴い、関連デザイン出願も活性化していると見られる。

その他、第四次産業革命に関連するVR・AR機器の登場と個人の趣味を重視する消費者の生活パターンの変化もマスクデザインに反映され、出願件数の増加に影響を与えたと推定している。

出願人累計別の出願件数を見ると、個人出願が1,327件(63.8%)で最も多く、中小・中堅企業が602件(29.0%)、外国人(法人を含む)が96件(4.6%)の順となっている。

審査類型別に10年間の出願件数を見ると、一部審査登録出願(※)の対象件数が78.4%(1,630件)、審査登録出願の対象件数が21.6%(449件)で、大体のマスク出願デザインは一部審査登録出願で処理されることが分かった。

※デザインの流行周期が短く、模倣しやすい物品(衣類、繊維類など)に対するデザイン出願のため、方式審査と登録要件の一部のみ審査し、早期に権利を付与している

これに関して特許庁では、2019年12月から一部審査登録出願の対象物品を速やかに審査するため、審査処理期間を従来の60日から10日前後に大幅に短縮しており、マスクのデザイン出願件に対する迅速な権利化にも役立つと予測している。

特許庁の商標デザイン審査局長は、「最近、国民の衛生・防疫マスクへの関心度がこれまで以上に高い」とし、「これからも継続的にマスクのデザイン出願件を迅速に審査して、速やかな権利化につなげて最終的には国民の健康にも役立つことができるように最善を尽くしたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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