知的財産ニュース 商標出願にも「O2O(※)」戦略が必要

2020年4月13日
出所: 韓国特許庁

スマートなスタートアップ企業、商品とサービス業を同時に登録

「カカオタクシー」、「配達の民族」、「マーケットカーリー」は、今や日常生活に密接にかかわっているサービスである。それぞれ提供する分野はタクシー、飲食店の情報提供や注文代行、新鮮・冷凍食材の配達で、オフラインでのサービスの形態は異なるものの共通点がある。それは、消費者がスマートフォンのモバイル・アプリケーション(以下、「モバイルアプリ」)でそのサービスを利用しているという点である。

※O2O(オーツーオー):Online to Offlineの略で、従来のオフライン販売およびサービス産業にオンライン技術を適用したもの

これらの企業の商標権を見てみると、企業が提供するサービス業である「タクシー運送業、飲食店情報提供業、新鮮・冷凍食材販売業」以外に、商品の「ソフトウェア、モバイルアプリ、モバイルクーポン」なども登録していることが確認できる。

※サービス業:広告・卸売小売業(35類)、保険・金融業(36類)、建設・修理業(37類)、通信業(38類)、運送・旅行業(39類)、材料処理業(40類)、教育・芸能・スポーツ業(41類)、科学・IT(42類)、飲食提供・宿泊業(43類)、医療・農業・園芸(44類)、法律・セキュリティー業(45類)

事業が安定期に入ったO2Oサービス企業は、商標出願の際にサービス業だけでなく「モバイルアプリ」も同時に出願するが、スタートアップは創業初期にコスト問題および商標権に対する認識不足により、消費者に提供するサービス業のみ商標出願して、登録するケースが一般的である。

新鮮食材配達のスタートアップであるマーケットカーリーは、創業初期の2015年に「マーケットカーリー」の商標を「インターネットショッピングモール業、新鮮食材配達業」などにのみ出願して登録したが、2019年に「モバイルアプリ」などを指定商品として追加で登録した。

スタートアップが創業初期にウェブページで自社のサービスを提供する場合には、サービス業だけ登録しても問題は発生しないが、「モバイルアプリ」のサービスを開始する際には、同じ名称の商標が他人によって先に登録されている場合に、商標権紛争が発生する可能性があるため注意する必要がある。

特許庁の商標デザイン審査局長は「伝統的なサービス業がオフラインからオンライン、オンラインからモバイルへと拡大することによって、商標出願にも既存のサービス業のみ出願する時代から指定商品として『モバイルアプリ』も同時に出願する『O2O』戦略が必要である」とし、「創業初期に『モバイルアプリ』を出願しなかった場合、新たに商標を出願するか、または『指定商品の追加登録出願(※)』制度を活用すればよい」と述べた。

※指定商品の追加登録出願:既存の登録商標または出願中の商標に指定商品を追加して登録し、一つの商標権を一元管理できる制度であり、別途の商標を出願するよりは商標権の管理が便利である。

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