知的財産ニュース 特許満了日が迫っている物質特許を一目で確認!
2020年12月14日
出所: 韓国特許庁
2021年に存続期間が満了する予定である、物質特許の詳細情報296件を公開
韓国特許庁は2021年に存続期間が満了する物質特許(※)のうち、分析日(2020年10日10日)基準で消滅登録されていない特許の詳細情報を盛り込んだ、「2021年存続期間満了予定の物質特許情報集」を発刊したと13日に発表した。
※物質特許とは、新規な物質自体に付与される特許として、一般的な化学物質の他に遺伝子、DNA断片、タンパク質、微生物などを含む。
この冊子は、民間部門の自生的な価値の創出を支援するために発刊され、特許庁は物質特許の存続期間が本格的に満了し始めた2007年から、存続期間の満了が迫った物質特許に関する情報を民間に定期的に提供している。
物質特許は、経済波及効果が大きい中核/基盤技術として、改良物質や新たな用途の開発などによって、新しい価値を創出することができ、特許料が登録維持期間に比例して増加することを考慮すれば、権利を途中で放棄せずに存続期間が満了する物質特許の活用価値は非常に大きいと評価できる。
今回発刊された物質特許情報集によると、2021年に存続期間が満了される物質特許は計296件で、技術分野別では医薬が124件(42.0%)で最も多く、その次にバイオ80件(27.0%)、化学素材(21.6%)、殺虫剤(6.4%)、化粧品(3.0%)の順であった。
その中には、抗悪性腫瘍剤「スーテントカプセル」の主成分であるスニチニブリンゴ酸塩、抗血小板剤「ブリリンタ錠」の主成分であるチカグレロル、消化性潰瘍治療剤「デキシラントDRカプセル」の主成分であるデクスランソプラゾールなど、広く知られている医薬物質も多数含まれている。
この情報集には、抄録、代表請求項、存続期間の延長可否、存続期間の満了日、特許権の権利変動事項などの基礎情報が漏れなく収録されており、特に挿入されたQRコードで、その特許に対する細部情報はもちろん、現在の正確な権利変動事項と特許登録公報まで簡単に確認することができる。
特許庁の有機化学審査課長は、「今回公開される物質特許情報が民間部門の研究開発(R&D)を促進させ、新しい価値創造に向けた基礎になるだけでなく、無駄な特許紛争の予防にも役立つと期待している」と述べた。
今回発刊された物質特許情報集とともに公開された物質特許情報は、特許庁のウェブサイトの冊子/統計→刊行物→その他の情報やKIPRISのウェブサイト
で確認することができる。特許庁は、これからも存続期間が満了する物質特許の詳細情報を継続的に公開する計画である。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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