知的財産ニュース 第20回特許庁長官会合で日中韓+ASEANと協力することを合意

2020年12月2日
出所: 韓国特許庁

日中韓特許庁長官、ASEAN協力に向けて手を組む!

韓国特許庁は、2019年12月1日(火曜)午後4時、ソウルのインターコンチネンタルCOEXホテルで「第20回日中韓特許庁長官会合」をビデオ会議で開催した。

日中韓の3ヵ国は、特許審査情報の交換、特許制度の調和に向けて2001年から協力を開始して以来、毎年特許庁長官会合を開催してきており、2020年で20回目の特許庁長官会合を迎える。

3ヵ国の特許庁は、ここ20年間の特許、情報化など6つの協力分野別に専門家会議を開催し、出願人が知的財産権を早期に獲得し、獲得した権利について十分に保障を受けることができるよう、知的財産の保護水準を強化するために努力してきた。

その結果、全世界の特許出願のうち3ヵ国の出願が占める割合は、2001年の約40%から現在は約60%まで増加し、同期間の商標出願は約10%から約60%に著しく増加した。これにより、日中韓は名実ともに、世界最大の知的財産における経済圏に成長した。

日中韓は、2020年に協力20周年を迎えたことを記念して、下記のような事項を主要課題とする今後10年間の協力ビジョンを策定し、今後日中韓首脳会談を開催する際に、同ビジョンを採択することに合意した。

第一、デジタルトランスフォーメーション、新型コロナウイルスなどのような新たな課題に共同対応し、革新的な技術を創出・保護するために3ヵ国の審査制度と慣行を改善させる。

第二、各国が保有している特許情報について、アクセス性と活用度を向上して、3ヵ国の技術発展とイノベーション成長を図る。

第三、日中韓+ASEANの知的財産における協力を推進し、ASEANとの知的財産格差の解消に寄与する。

特に、今回の会合は、11月15日に日中韓の3ヵ国が参加した、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が最終的に署名され後に初めて3ヵ国の特許庁長官がASEANとの協力を議論した場であることで意味深い会合である。

RCEPには83条項に及ぶ知的財産条項が盛り込まれており、ASEAN諸国がそれを履行するためには、自国の知的財産法令の大々的な改正作業を行わなければならないが、知的財産インフラが脆弱なASEAN諸国は、法令の改正に多大な時間と努力を費やさなければならない。

そこで日中韓3ヵ国は、ASEANの知的財産法令の改正、制度導入などを支援するための日中韓+ASEANの知的財産協力を推進することにし、その後に実務者間の協議を通じて詳細な議論を続けていくことにした。

韓国特許庁長は、今回の会議を「3ヵ国がASEANと相互成長するために何をすべきかについて、具体的に議論した最初の特許庁長官会議である」と評価し、「3ヵ国の特許庁が協力と競争を通じて、アジア全域を、世界で最も知的財産にやさしいイノベーション生態系にしていきたい」と今後の抱負を述べた。

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