知的財産ニュース 特許庁、「バイオ分野における特許審査実務ガイド」の説明会を開催

2020年10月28日
出所: 韓国特許庁

バイオ分野における特許審査実務ガイドを制定、韓国型バイオのけん引役を期待

韓国特許庁は、10月27日(火曜)午後2時に特許庁ソウル事務所で産・学・研の関係者100人余りを対象に「バイオ分野における特許審査実務ガイド」の制定案に関するオン・オフライン説明会を開催した。

2020年のノーベル化学賞受賞により広く知られている、「ゲノム編集技術クリスパー」だけでなく、韓国のK-防疫の主要技術である新型コロナ診断キットなどのように、バイオ分野では他分野の技術と連携した新しい形の融合・複合技術の特許出願が持続的に増加している。

また、バイオ分野の特許出願は、無生物を対象とする他の分野の技術とは異なり、生きている生命体を対象としているため、出願する際に特許微生物寄託制度および配列目録提出制度などといった特殊な手続きを行わなければならず、倫理的な側面も並行して考える必要があるため困難な部分がある。

そのため、韓国国内のバイオ業界では、バイオ分野における技術環境の変化と特殊性を反映した新たな特許審査基準の確立を要求してきた。

このような業界のニーズを反映し、今回の「バイオ分野における特許審査実務ガイド」は、特許出願人が簡単に活用できるように生命体の主要な基本構成である、核酸・タンパク質・細胞などの遺伝情報の流れを段階別に審査する基準を提示した。

特に、急速に発展している技術分野である人工知能(AI)を活用した、ドラッグリポジショニング技術に対する、さまざまな審査事例も盛り込まれている。

また、バイオ産業が他分野の新技術と融合・複合され、応用・発展されるトレンドに合わせて、いろいろな審査争点を提示し、最近の審・判決動向などを反映して主な審査争点に対する明確な審査基準を設けた。

説明会に参加したバイオ分野の関係者は、今回制定されたガイドが具体的な事例を含めているなど、実務で利用しやすくなっており、非常に有効に活用できると述べた。

特許庁のバイオヘルスケア審査課長は、「バイオ分野における特許審査実務ガイドを通じて、審査結果に対する予測可能性が高められると思う。また、海外でもバイオ分野での特許優位性を確保するとともに、優秀な特許保護の機会を拡大させて韓国企業がK-バイオをリードすることに貢献すると期待している」と述べた。

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