知的財産ニュース 米韓特許庁長、AI政策における協力強化に合意

2020年10月19日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、10月16日(金曜)の午前8時30分(米国時間10月15日19時30分)に特許庁ソウル事務所で、米国特許商標庁との庁長会合をテレビ会議で行い、デジタルシフトの加速化による新たな協力を展開していくことに合意した。

今回の会合は、新型コロナウイルスによりデジタルシフトが急速に進んでいる中、米韓特許庁の協力がこれまで以上に必要であるという相互認識の下で開催された。

初めに両庁は、新型コロナウイルス以降に両国国内で特許・商標出願が増加傾向を示した点について共有した。

特に韓国で新型コロナウイルスにより最も大きな打撃を受けると予想されていた中小企業および個人による特許・商標出願の増加(※)が目立ち、米国でも同様の増加傾向を示していることが確認された。

※韓国国内での出願現況(2020年1~9月):特許3.6%、デザイン1.5%、商標14.7%増(全体8.1%増)
※出願人別の統計:中小企業24%、個人20%、大企業11.6%増加

両庁は新型コロナウイルス発生の初期から、出願人に対する素早い救済措置の実施と新型コロナウイルスのワクチン・治療薬に関する技術および特許動向を大衆に公開するウェブサイトを開設するなど、米韓両国が連携して発明家、企業を支援するために取り組んできたが、今後もこのような協力を続けていくことにした。

米国特許商標庁長は、韓国が中国の次に、米国国内で特許出願の増加率が高い国であると発言した後、それは韓国企業がコロナ以降の時代に賢く備えている証拠だと述べ、韓国企業の対応と努力を高く評価した。

今回の会合における最大の成果は、AIと新技術の登場による新たな形態の知的財産を保護するために、米韓両国間の政策協力をスタートしたことである。

これは、AI、データなどに関する特許庁の積極的な対応が必要であると、両国の特許庁長が共通的に認識しているためである。

最近、米国特許商標庁はAI時代において知的財産権制度を改善するためにアンケートを実施し、AIの進化に伴う知的財産政策報告書(※)を発刊した。韓国特許庁も同様にAIとデータ産業の育成・保護策を設けるために拍車をかけている。

※特許やその他の知的財産権に対するAI関連法・制度的事項に対する専門家と利害関係者の意見を収集(2019年8月〜2020年1月)して、それをまとめた報告書(Public Views on Artificial Intelligence and Intellectual Property Policy)を発刊(2020年10月)

米国特許商標庁長は本会合で、米韓特許庁間のAI政策をより深く議論するための相互協力を提案し、それに対して韓国特許庁長が積極的に共感することで合意が成立した。

そこで両庁は、これまで収集し研究してきたAI関連情報を相互共有し、協力案について議論を開始する予定である。

特許庁長は、「デジタル経済に急速する現状において、米韓両国がAIおよび新技術に関する議論を始めるのは、非常に時宜に適したことである」と強調し、「これからデジタルシフトをリードする知的財産の規範を提示できるよう、主要国とそれに関連する議論を拡大していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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