知的財産ニュース 特許庁、急増する模倣品のオンライン流通根絶に乗り出す

2020年10月14日
出所: 韓国特許庁

オンラインでの模倣品に対する通報件数が204.4%急増

取り締まり人材を追加配置し、オンライン取り締まりを強化

商標権者およびオンラインプラットフォーム業者と協力し、消費者の被害を最小化

韓国特許庁は、10月14日(水曜)午前8時30分に政府ソウル庁舎で国務総理が主宰する新型コロナウイルス感染症中央災害安全対策本部の会議で、「模倣品のオンライン流通防止対策」を確立して発表したと報道した。

新型コロナウイルスの拡散により、オンラインショッピングモールでの取引ブームに伴って、2020年8月までのオンライン模倣品に対する通報件数は、前年同期に比べて204.4%に急増した。

※オンラインショッピングモールの取引額(統計庁):(2019年1~8月)86兆6,000億ウォン→(2020年1~8月)101兆8,000億ウォン
オンライン模倣品に対する通報(特許庁):(2019年1~8月)4,194件→(2020年1~8月)1万2,767件

しかし、捜査人材の不足により、通報件数の2.8%しか捜査に着手することができず、未処理通報件と内部からのモニタリングに対しては、取り締まり支援人材が掲示物の削除、ウェブサイトの閉鎖などの販売制裁措置を取っている状況である。

そこで、特許庁は限られた取り締まりの人数で急増する模倣品のオンライン流通を効率的に遮断し、消費者の被害を最小限にするため、今回の対策を設けた。

まず、特許庁は、オンライン取り締まり活動を強化して、消費者の被害を予め遮断していく予定である。

新型コロナウイルスにより、現場取り締まりが制限されたため、韓国知的財産保護院のオフライン取り締まり専門人材を一時的にオンラインモニタリング人材に転換(※)し、国民保健および安全を脅かす分野を中心に、掲示物の削除、ウェブサイトの閉鎖などの販売制裁措置を拡大して実施する計画である。

※(現)オンライン取り締まり専門人材8名+オフライン取り締り専門人材8名追加(合計16名)

さらに、大規模の流通業者と模倣品販売常習者については、商標権特別司法警察が集中捜査して模倣品を防ぎ、中長期的にはオンライン流通の持続的な増加に備えて、捜査人材の補強およびデジタルフォレンジックなどといった捜査手法の高度化も推進する。

そして、消費者被害救済の実効性を向上させる予定である。

商標権者と協力し、より多くのブランドに対する模倣品の鑑定結果を提供(※)することで、模倣品を購買した被害者が販売者に直接払い戻しを受けて補償を要求するように支援する。

※模倣品鑑定依頼の件数(件):(2018年)485→(2019年)712→(2020年9月)666

それと共に、オンラインプラットフォーム業者が模倣品購買による被害に対して先に補償し、その後該当のオープンマーケットに求償権を請求する方式である被害補償制(※)を拡大運営させ、消費者がより簡単で迅速に被害補償を受けることができる環境を造成する。

※事例:11番街の模倣品110%補償制度、Gmarket・Auctionの模倣品200%補償制度など

最後に、模倣品のオンライン流通を防止するための制度改善および官民協力を拡大していく計画である。

オンラインプラットフォーム業者など、商品販売の仲介者の模倣品流通防止に対する責任を強化するために、その業者に商標権侵害防止の責任を課す商標法改正(※)を推進している。

※商品販売の仲介者の商品販売に対する侵害教唆・幇助行為を商標権の間接侵害行為と規定、故意の場合は刑事罰賦課(2020年9月11日、議案番号:2103810)

それとともに、オンラインプラットフォーム業者、商標権者、特許庁、放送通信審議委員会などで構成された模倣品流通防止協議会(※)を通じて、国民に対する広報、知財権保護教育および合同取り締まりを強化する予定である。

※NAVERなど20のオンライン事業者、LG電子など56の商標権者、韓国消費者院、政府(特許庁、放送通信審議委員会など)などで構成された官民協議会(2014年5月発足)

特許庁長は、「新型コロナによるオンラインでの模倣品流通の急増は、新型コロナが終息しても持続すると見込んでいる」とし、「このような知的財産犯罪のオンライン化と巧妙化に備えて捜査能力を高め、組織と人材を拡大することで、オンライン取引の公正な競争秩序を確立していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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