知的財産ニュース ブルネイでも韓国の特許がそのまま認められる

2020年10月5日
出所: 韓国特許庁

カンボジア、ラオスに次いで3番目の特許認定制度を施行

韓国特許庁は、韓国で登録した特許がブルネイでもそのまま認められる、特許認定制度(Patent Recognition Program)を10月から施行する了解覚書を締結したと発表した。

了解覚書の締結により、韓国とブルネイに特許を出願した出願人は、韓国で登録した特許に基づいて、ブルネイ特許庁に特許認定の申請をすることで、ブルネイで別途の特許審査を受けずに3ヵ月以内で現地での特許登録を受けることができるようになった。

特許権は、原則として登録を受けた国でのみ効力を発揮し、全ての国は自国の特許法に基づいて独自に特許を審査した後、登録可否を決める。

しかし、特許認定制度は自国の審査を経ずに他国で登録を受けた特許権の効力をそのまま認めるという点で、非常に例外的な制度である。ブルネイはカンボジア(2019年11月)、ラオス(2020年7月)に続き、韓国特許について、上記のような例外を認める第3番目の国となった。

今回のブルネイとの特許認定制度の締結は、韓国とブルネイ両国首脳の知的財産分野における協力強化の意志を実現したものである。

2019年3月に韓国のムン・ジェイン大統領は、ブルネイに国賓訪問してブルネイのハサナル・ボルキア国王と会合を行い、両国の知的財産分野での協力を促進させることを約束する共同声明を発表した。その後、2019年11月に行った韓-ASEAN特別首脳会合でも、ブルネイを含むASEAN首脳は共同議長声明を通じて韓国とASEANの特許審査協力の強化を強調した。

特許庁は、両国の首脳会合以後、ブルネイ特許庁と特許認定制度の了解覚書締結のために実務協議を続けてきており、1年6ヵ月の長い期間を経て、今回ついに実を結ぶことになった。

ブルネイは2017年基準で、主要輸出品目のうち鉱物性燃料が占める割合が89%に達する原油と天然ガスへの依存度が高い国であり、最近、ブルネイ政府は、産業の多角化に向けて多くの努力を注いでいる。

今回、ブルネイで施行される特許認定制度は、韓国企業がブルネイで速やかに特許を取得して安定的に定着できるだけでなく、ブルネイ政府からも、さまざまな韓国企業を自国に誘致して産業の多角化を支援する、非常に有用な手段になると期待している。

特許庁長は、「他国で韓国特許を別途の審査無しに、そのまま認められるということは、韓国特許審査の品質に対する信頼がなければできないことである」と強調し、「これから特許審査の品質を向上させるために、さらなる力を入れる一方、国際協力の対象国を持続的に拡大して韓国特許がASEANのみならず、多くの国で認められるように努力していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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