知的財産ニュース 新型コロナウイルスの「K-診断キット」、特許登録第1号

2020年4月20日
出所: 韓国特許庁

新型コロナウイルス診断技術の出願、速やかに特許登録完了

韓国特許庁は、2020年2月に国軍医務司令部が出願した新型コロナウイルスの診断技術について、4月20日に新型コロナウイルスの診断技術として初めて、特許登録を決定したと発表した。

特許登録が決定された新型コロナウイルスの診断技術は、優先審査として申請され、出願段階から特許審査官3名の意見を集めて速やかに審査した結果、出願後約2ヵ月で特許登録が決定された。

当特許技術は、新型コロナウイルスのパンデミック宣言に伴い、韓国の診断キットに対する世界の需要が増加している状況のなか、新型コロナウイルスに関する最初の特許登録の事例である。

新型コロナウイルスは伝播力が強いために感染可否の速やかな診断が重要であり、特許登録が決まった新型コロナウイルスの診断技術は、RT-LAMP(Reverse transcription loop-mediated isothermal amplification)を利用することで、より少ない試料で診断時間を1時間以内に短縮できる技術である。

現在、特許庁では、検査時間の短縮や精度の向上など、さまざまな新型コロナウイルスの診断技術が出願されており、これまで約20件が出願され、その中で2件が優先審査中である。

これを受けて特許庁は、迅速かつ正確な審査のために関連分野の専門審査官3名で構成された合議型協議審査を通じて、新型コロナウイルスの診断技術を速やかに権利化するために支援していく方針である。

一方、特許庁では新型コロナウイルスの診断技術に関する特許出願が大幅に増加すると予想している。 SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)と同様に、ウイルスに関する診断技術の特許出願は遺伝子情報が公開された後、1〜3年の間に増加する傾向があるため、新型コロナウイルスもこれから増加すると予想される。

そのため特許庁は、新型コロナウイルスの感染拡散を防止するには迅速な診断が重要なため、新型コロナウイルスが早く収束し、国民が安全な日常生活に復帰できるよう、新型コロナウイルスの診断に関する特許出願を継続的にモニタリングし、迅速かつ正確な審査サービスを提供する予定である。また、新型コロナウイルス診断などの分野で、韓国の優秀な技術が国際競争で優位を占め、優秀な特許として位置付けられるよう積極的に支援する予定である。

特許庁のバイオヘルスケア審査課長は、「新型コロナウイルスの診断技術など、バイオヘルスケア分野の特許技術について迅速かつ正確な審査を行い、韓国企業が「K-バイオ」時代をリードできるように積極的に支援する」と述べた。

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