知的財産ニュース 特許庁、知的財産競争力を強化し、ロボット分野の国産化を支援する!

2020年2月24日
出所: 韓国特許庁

ロボット産業IP協議体の発足式および第1回フォーラム開催

韓国特許庁は、韓国国内のロボット分野の企業体、スタートアップや政府出資研究所とともに、ロボット産業IP協議体の発足式および第1回フォーラムを2月20日(木曜)の午後2時に特許庁のソウル事務所で開催すると発表した。

「ロボット産業IP協議体」は、韓国内外のロボット産業の動向情報を共有し、現場の声を知的財産権政策に反映するために、韓国国内のロボット分野で多数出願している企業、研究所を中心に構成された。

第四次産業革命時代に世界の各国は、ロボット産業の発展政策を主要な国家課題として採用しており、韓国特許庁は2019年11月に知能型ロボット審査課が含まれた融合複合技術審査局を新設し、変化するロボット産業に対応している。

韓国のロボット産業は年間の産業用ロボット設置台数が世界4位、ロボット密度が世界2位であるなど、外形的には成長したが中枢部品は海外製の輸入品に依存している。

過去の国政監査では、ロボット用減速機(※)分野で日本への依存度が高く、日本の輸出規制がロボット用減速機に拡大される場合、ロボット産業が脅かされる可能性があると指摘された。

※ロボット用減速機:モーターの速度を減らすロボット中枢部品であり、人工関節に当たる。

ロボット用減速機は、ロボット部品のなかで最も重要な部品であり、特定国家に対する輸入依存度が高いため、ロボットに関連する韓国企業のアキレス腱として挙げられていた。

一方、IP5のここ10年間(2009〜2018年)のロボット用減速機技術分野での特許出願動向を見ても、国籍別では、日本(61.2%)、中国(24.1%)、ドイツ(4.0%)などの順で、多数出願しているTop 10も全部海外企業であることが分析された。

※添付1、2:「IP5のロボット用減速機分野の特許出願件数」および「IP5のロボット用減速機分野における多出願人のランキング」を参照

2019年に韓国政府は、日本の対韓輸出規制に対応して素材・部品・設備の競争力強化に向けた総合対策を発表し、特許庁はロボット用減速機分野の産業・特許動向調査事業を実施した。

ロボット用減速機分野の特許動向調査の成果物は、2020年の産業部中核技術開発事業のR&D課題に反映された。

当日、特許庁は「ロボット用減速機分野の産業・特許動向調査事業の成果物」を産・学・研の代表と共有し、産・学・研の代表からロボット産業の発展に関する知的財産分野の提案を聴取する予定である。

特許庁次長は「ロボット産業は、第四次産業革命の結晶体になる中核産業にもかかわらず、ロボット産業の付加価値を高める技術開発とそれによる知的財産権の確保は、ロボット分野における他の競争国に比べて不足している実情である」とし、「これからIP協議体を中心に積極的なコミュニケーションを通じて問題点を解決し、世界のロボット産業をリードする知的財産を創出できるよう支援を強化していく」と強調した。

[添付1]IP5ロボット用減速機分野の特許出願件数

ここ10年間、IP5のロボット用減速機分野における特許出願件数
(年度別の出願件数、未公開の件は除く)

ロボット用減速機の特許出願動向(件数)のグラフ

ロボット用減速機の特許出願動向(件数)の表

・出願人の国籍別特許出願の割合

ロボット用減速機の特許出願動向(件数)の国家別特許出願の割合

※調査DB:特許庁検索DB
※調査方法:該当技術分野の検索式、国際特許分類などを考慮(未公開は除く)

[添付2]IP5のロボット用減速機分野における多出願人のランキング

ここ10年間、IP5のロボット用減速機分野における多出願人のランキング
(累積出願件数、未公開の件は除く)

IP5のロボット用減速機分野における多出願人のランキング

※調査DB:特許庁検索DB
※調査方法:該当技術分野の検索式、国際特許分類などを考慮(未公開は除く)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195