知的財産ニュース 素材部品特許という「地雷」を伏せている日本、IP R&D戦略で対応を
2019年8月12日
出所: 電子新聞
日本が韓国に対して輸出規制を行っている半導体3大素材の特許占有率をみると、世界の半数程度を日本が占めていることが判明した。中核技術を知的財産として保護する戦略を取っており、これは、韓国の技術自立化の課程において「地雷」として作用しかねないとの憂慮がでている。これを受けて、対外依存度が高い技術を確保する前に、特許関連の紛争を回避して、進入が容易な産業を選別する戦略策定が先行されるべきという指摘がある。
8月12日、大韓民国世界特許(IP)ハブ国家推進委員会が国会で開催した「特許から見る日本の経済報復対応戦略討論会」でテーマ発表を行った特許庁産業政策財産局長は、「日本が知的財産権を先取した状況が韓国の対応をより難しくしている要因」であると説明した。
特許庁産業政策財産局長は、「日本は、素材部品の関連技術とノウハウを特許で先取して営業秘密として保護するなど、知的財産権をもって独占的な市場支配力を確保している」と述べた。そして、「日本の特許先占により、代替技術の確保が難しくなっており、ライセンス中断、知財権訴訟提起などの追加攻撃が可能ということがより大きい問題」と診断した。
この日の発表によると、日本が対韓国輸出規制を行った半導体3大素材関連の特許占有率は、世界首位である。2019年7月時点で、フォトレジストは65.1%、フッ化水素は33%、フッ化ポリアミドは55.3%である。同品目の韓国の特許占有率は、それぞれ9.1%、5%、38.4%である。フッ化ポリアミドを除くと特許の量的側面では事実上競争が難しい状態である。
素材部品関連の三極特許(米国、欧州、日本同時登録)の登録件数においても日本が1万7,391件と、2,599件に過ぎない韓国を大きく引き離した。
特許庁産業政策財産局長は、「韓国は、素材部品の日本への依存度が高く、輸出規制の攻撃に脆弱なのは事実」であると説明した。
また、「特許連携の技術開発(IP-R&D)の拡大を通して、製品の競争力を強化しなければならない」とし、「核心的特許の対応方策を策定して、空白技術を模索し先取する戦略などを講じなければならない」と提案した。
同局長は、「特許ビッグデータを基盤とする未来産業の競争力確保戦略」を策定し、拡散しなければならない」と付け加えた。
発表者として出席したJUSUNGエンジニアリング会長は、知的財産の価値を認め、取引するシステムを構築する必要があると強調した。
JUSUNGエンジニアリング会長は、「一生努力して技術を開発しても、わずか1,000万ウォンの代価しか認められていないのが現状である」とし、「きちんと技術価値を算定して認めなければ技術イノベーションはない」と指摘した。
会長は、「不動産仲介会社のように技術と企業を仲介し、取引する技術取引所と取引士が必要である。技術奪取、故意的な特許侵害に対しては懲罰的賠償を命じるなど、技術価値を保護しなければならない」と強調した。
世界韓人知識財産専門家協会会長は、「日本の輸出規制措置は、意図的に韓国の産業に打撃を与えるためであることを勘案すれば、不公正な取引行為として判断されかねない問題」とし、「経済報復の相応措置として強制実施権を検討することもあり得る」と述べた。
世界韓人知識財産専門家協会会長は、「強制実施権は、貿易摩擦への憂慮のため、ほとんど施行されていない規定であるが、最も強力な特許権保護制度を保有する米国では反競争的な事案に対して柔軟に適用する」とし、「公正取引法上の不公正な取引行為に対して韓国企業が該当製品の国内生産のために、日本企業の特許権訴訟への憂慮なく迅速かつ適法に実施することができるように、特許権者の意思とは関係なく、国が通常実施権を許諾する制度」であると説明した。
また、「日本によるグローバルバリュー・チェーンの破壊に対する相応措置として、日本の一方的な輸出規制に伴う取引中断を、具体的な不公正取引の類型として特許法に直接規定することも検討することができる」と述べた。
- 本記事は、電子新聞インターネット社からの許諾を得て翻訳・掲載しています。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、徐(ソ)、權(クォン)(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195





閉じる