知的財産ニュース 特許庁、「特許共済」商品を本格発売!

2019年9月9日
出所: 韓国特許庁

特許庁は、事業委託運営機関である技術保証基金(以下、技保)とともに、9月9日午前10時30分にソウル市江南区テヘラン路の特許共済運営センターで、共済商品の本格発売を紹介する「特許共済事業発足式」を開催した。

発足式には関係機関の関係者(※)、中小・中堅企業の代表など50人あまりが参加しお祝いした。

※中小企業中央会の常勤副会長、中堅企業連合会の常勤副会長、特許戦略開発院長など

特許庁は1月に技保を特許共済事業の委託運営機関に選定し、3月に特許共済事業推進団を発足して商品発売を準備してきた。

8月には金融および特許分野の民間専門家が参加した特許共済運営委員会を開催し、商品の運用に必要な約款、業務方法書など商品に関する諸般規定を決め、9月9日に商品を発売した。

特許共済は、相互扶助を基に加入企業の積立金による資産収益で運営され、融資は企業の費用負担を緩和するために「先に貸与し、後で分割返済する」方式で運営される予定である。

中小・中堅企業なら加入でき、市中銀行の積立金と同様に、加入申請時に月30万ウォンから1,000万ウォン(※)の掛金商品のうち希望の商品を選択し、最高5億ウォンまで積み立てることができる。

※30万ウォン、50万ウォン、80万ウォン、100万ウォン、200万ウォン、300万ウォン、500万ウォン、1,000万ウォン

施行初期の掛金利子率は、最近の市中銀行の定期預金、積立金より高い水準である2%の利子を支給する予定で、融資金利は銀行の平均金利より低い2%台の金利を適用する計画である。

※2019年5月~2019年7月における市中銀行の中小企業信用融資の平均金利:4.89%

特許・商品・デザインの海外出願および審判・訴訟などを目的に融資する場合、積立掛金の5倍まで利用することができ、企業の緊急な資金需要が発生した場合、積み立てられた掛金納入額の90%以内で、緊急経営安定資金として融資することができるようにした。(適用金利3.5%水準)

ただ、特許共済の安定的な運営と加入企業のモラル・ハザードを防止するために、融資申請は共済加入1年後からできる。

他にも共済加入企業が特許庁の支援事業や技術保証基金の保証を利用する時に、支援限度の拡大、保証料率の引下げ、法律諮問サービス、加点付与など各種の恩恵を提供する。

※IPファスト保証の支援限度の拡大(2億ウォン→3億ウォン)、保証料率(0.2%p↓)、金融機関特別出損金の協約保証支援対象に追加、技術信託を利用する時に手数料などを支援

今回のイベントは、1号加入企業であるDESIGN PARKを含む、特許共済商品に加入した10企業の歓迎会も重ねている。

1号加入企業のDESIGN PARK代表は「競争企業との特許無効審判および訴訟に対応するために加入した」と加入の理由を明らかにし「これからは他の企業も特許共済商品に加入し、特許紛争の備えを徹底にしてほしい」と述べた。

特許庁長は、祝辞で「特許共済が、国内外の市場で特許紛争などによる、予期せぬ問題に直面する中小企業を支えられる金融安全装置になることを期待する」、「特許を備えた韓国企業が知財基盤のグローバル強小企業に成長するに、特許共済が必須の金融商品として位置づけられるよう、税額控除の導入、予算確保などのため最善をつくす」と述べた。

※詳しい商品内容や加入に関する問い合わせは電話1544-1120まで。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195