知的財産ニュース 美容と眼の健康のための機能性コンタクトレンズの特許出願活発

2019年4月15日
出所: 韓国特許庁

春を満喫しようと外に出かける人が多くなるこの季節、春の装いに似合う美容コンタクトレンズを求める人が多くなっている。同時にコンタクトレンズの着用による副作用を緩和し、眼の健康を守るコンタクトレンズに対する関心も高くなっており、関連特許出願も活発になっていることが分かった。

特許庁によると、ここ5年間(2014年~2018年)の機能性(※)コンタクトレンズの特許出願は203件であり、その前の5年間(2009年~2013年)の出願件数の119件に比べ70%以上増加した。同じ期間のコンタクトレンズの全体の出願が42%程度増加したことに比べて高い数値である。

※機能性コンタクトレンズ:単純な視力矯正の目的ではなく、美容、眼の疾患、眼の保護などの機能性を追加したコンタクトレンズ

詳細をみると(重複含む※)、眼元を美しく表現する美容レンズが39%(125件)、度数、焦点などが変化しながら視力を矯正する焦点可変レンズが30%(97件)、疾病の診断または薬物放出による治療および診断目的の治療レンズが23%(75件)、眼の乾燥を防止する湿潤性レンズが18%(58件)、紫外線や鮮明な光などを遮断する眼の保護レンズが10%(32件)となっている。

※一つの特許出願が二つ以上の機能を包含する場合、それぞれの機能別に1件として計算する。

最も多く出願される美容コンタクトレンズは、ここ5年間(2014年~2018年)の出願が79件と、その前の5年間(2009年~2013年)の出願件数である46件に比べて70%増加した。虹彩の色を多様に変えられるカラーコンタクトレンズ、眼の黒い瞳を大きくみせるサークルレンズなど、外見と自己表現に関心のある若い層の需要が積極的に反映されたためとみられる。

また、眼の中のブドウ糖の濃度を検出し血糖値が分かる診断レンズ、眼疾患の治療薬物を徐々に放出する治療レンズ、寝ている間に着用すれば角膜を押して矯正する角膜矯正レンズ、小さい穴から見るようにし眼の筋肉を鍛えるピンホールレンズなど眼の健康を守るコンタクトレンズも次々と出願されている。

出願人別では外国企業が72%(232件)、韓国企業が13%(43件)、個人が10%(33件)、大学および研究機関が4%(14件)出願した。最も多く出願した出願人は米国のジョンソン・エンド・ジョンソンで全体の46%(149件)を占めた。

特許庁事務機器審査課長は、「現代人の場合、外見だけでなく眼の健康に対する関心が高く、多様な機能を持つコンタクトレンズの出願が持続的に増加すると予想される」とし、「市場を主導しながら持続的に成長するためには韓国国内だけでなく海外を視野に入れた技術開発と特許権の確保が重要」と述べた。

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