知的財産ニュース 特許庁-市中銀行、「中小・ベンチャー企業IP金融支援」で業務協約締結およびIP回収支援に向けたキックオフミーティング開催

2019年6月4日
出所: 韓国特許庁

IP担保融資拡大およびIP回収支援機関導入に向けた専担準備チーム(TF)稼働

特許庁と六つの市中銀行(※)は、6月1日(火曜、午後2時)、エルタワー(ソウル市瑞草区)で、中小・ベンチャー企業向けの知的財産(IP)金融支援のための細部業務協約を締結し、IP担保融資の回収支援機関導入に向けたキックオフミーティングを開催する。

※企業銀行、農協銀行、ウリ銀行、KB国民銀行、KEBハナ銀行(計六つの銀行、産業銀行は既存の細部協約維持)

IP金融は、優秀な特許技術を保有する中小・ベンチャー企業が、グローバル・イノベーション企業として成長する上で有用な資金調達手段であり、IP保証融資(保証書発行による融資)、IP担保融資(IP担保による資金融資)、IP投資などを含む。

今回の特許庁と市中銀行が締結する細部業務協約は、4月17日の金融委員会・特許庁・市中銀行・保証機関が締結した「IP金融活性化に向けた包括的業務協約」の一環として具体的な履行に向けての協約であり、協約締結機関は、IP担保融資商品の販売、優秀IP保有企業の発掘およびIP価値評価手数料の支援などに積極的に協力する計画である。

これまで特許庁は、不動産などの物的担保が不足する中小・ベンチャー企業向けの資金支援のために、市中銀行と協力して2013年から2018年まで計4,057億ウォンのIP担保融資(※)を行った。しかし、担保IPの回収リスクなどにより、政策金融機関である産業銀行と企業銀行を中心に行われてきた。

※特許庁がIP価値評価費用の一部を支援し、銀行は価値評価の結果に基づいて融資実施

これを受けて、金融委員会と特許庁は、2018年に「IP金融活性化総合対策」を発表(2018年12月)し、また、2019年は「IP金融フォーラム」を開催(2019年4月)するなど、中小・ベンチャー企業の隘路解消に向けた金融環境の造成に取り組んでおり、今回の協約締結を機に、民間銀行のIP担保融資商品が販売され拡散されれば、企業の資金調達の負担がより軽減されると期待される。

※ウリ銀行:CUBEローン-X(3月)、新韓銀行:成功ドゥドゥリムIP担保融資(4月)、KEBハナ銀行: IP担保融資(4月)、KB国民銀行:The Dream IP担保融資(5月)、農協銀行:IP担保融資(販売開始予定)

特許庁は、市中銀行の積極的な融資が可能になるよう、回収リスクを軽減する「IP回収支援事業」の導入を推進するとともに、効果的な事業システムを設計するために、銀行業界と関係機関などと共同で「IP回収支援事業専担準備チーム(TF)(※)」を稼働する。

※特許庁・発明振興会・七つの市中銀行・IP取引機関担当者で構成

専担準備チーム(TF)は、2019年末まで回収支援事業専門機関の運営策、担保IPの買い取り手続き・価格などに関する事項、買い取ったIPの収益化方策および銀行別の出損金算定基準などについて深みのある議論を行う予定である。

特許庁産業財産活用課長は、「特許庁と市中銀行の業務協約締結を通じて、中小・ベンチャー企業支援に向けたIP金融が一段階跳躍することを期待し、特許庁は、銀行のIP回収リスクを分担することで知的財産(IP)がイノベーション金融の糧になるよう、支援を惜しまない」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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