知的財産ニュース 特許庁、スタートアップIP Outreach推進

2019年6月17日
出所: 韓国特許庁

創業保育センター入居のスタートアップを対象に、実例中心の知的財産教育課程開設

特許庁は、スタートアップが知的財産能力を備えてグローバル競争から生き残り、持続可能な成長を遂げるよう、創業保育センター入居のスタートアップを対象に、IP Outreachを試験的に推進すると明らかにした。

※スタートアップIP Outreachプログラム:スタートアップを対象に、知的財産の重要性に対する認識の向上に向けて、IP 基盤の海外進出経験企業事例、産業分野別(IT、バイオ、3Dプリンティング)の特許技術・紛争動向などの実例中心の教育を実施する。

知的財産はスタートアップの生存・成長の中核要素であるが、国内のスタートアップの現実は、資金調達・投資、マーケティング、許認可などに押され、知的財産は後順位として扱われており、知的財産の重要性に対する認識の向上と活用の促進に向けて、実例中心の実践教育を推進する。

スタートアップと知的財産の現状

スタートアップの技術とビジネスモデルを知的財産として保護しない場合、模倣者の出現、紛争発生などで企業価値が深刻に毀損されることがあるが、知的財産保有のスタートアップは、売上と雇用増加が顕著であると調査されている。

※スタートアップは、最初の特許登録後、5年間の平均雇用が54.5%および売上が79.5%増加(全米経済研究所、2017年)

※スタートアップの成長可能性は、特許保有の場合、未保有に比べて35倍増加、商標権を創業後1年以内に登録する場合、未登録に比べて5倍増加(MIT Innovation Initiative、2016年)

国内のスタートアップの41%が特許のないまま創業するほど、知的財産の重要性に対する認識が不足している状況である。(韓国スタートアップ生態系白書、2016年)

スタートアップIP Outreachプログラムは、これまでの知的財産教育とは異なり、海外特許侵害訴訟を実際に行ったことがある経験者、または知的財産戦略経営を通じてグローバル市場を先導した企業関係者が、自ら講演者として参加して現場の生の経験談を発信する予定である。

また、教育需要に合わせて特許情報分析・活用、知的財産事業化戦略、紛争対応などを技術分野別の実例による実務教育を行う他、業種別の海外主要国の特許に対する事例研究と受講生討論を通じて特許技術動向と主要市場を把握できるように、プログラム運営を行う計画である。

同知的財産教育は、中小ベンチャー企業部と協力して、具体的なプログラムを設計・運営するとともに、2019年は各地域別の創業保育協議会と連携した六つの創業保育センターにて教育を実施する。

※釜山蔚山創業保育協議会(東明大学創業保育センター)、大田創業保育協議会(ハンバッ大学創業保育センター)、江原創業保育協議会(カトリック関東大学創業保育センター)、全北創業保育協議会(益山創業保育センター)、慶南創業保育協議会(慶南大学創業保育館)、済州創業保育協議会(済州大学創業保育センター)

特許庁長は、「スタートアップの生存・成長に必須である知的財産に対する認識の向上と活用の促進を通じて、創業初期段階からグローバル市場を視野に入れた知的財産基盤の経営戦略を策定できるよう支援を行う」と明らかにした。

教育申請は、韓国発明振興会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます韓国創業保育協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトに掲示された教育内容・日程を参考に、各地域別の創業保育センターの担当者または韓国発明振興会の知的財産人材育成室(電話02-3459-2835)まで。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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