知的財産ニュース 知的財産(IP)金融活性化のための特許登録料の減免拡大

2019年9月2日
出所: 韓国特許庁

「特許料等の徴収規則」一部改正令(案)立法予告

特許庁は知的財産(IP)金融の活性化を支援するために、銀行に対する特許登録料減免制度の導入などを主な内容とする「特許料等の徴収規則」の一部改正令(案)を立法予告すると明らかにした。

今回の改正案によると、特許庁は2018年に金融委員会と共同で樹立した「知的財産(IP)金融活性化総合対策」による銀行への年次登録料(※)50%減免制度を導入する。

※特許・実用新案・デザインの設定登録以後、4年目から毎年1年分ずつ納付する登録料

これまで銀行は、中小企業などを対象にIP金融(IP担保融資など)を行い、中小企業の特許権などの移転を受け所有しても、年次登録料の減免を受けることはできなかった。

しかしこれからは、銀行が中小企業を対象にIP金融を実施した後、中小企業、公共研究機関などの特許権などの移転を受け所有する場合、中小企業などに対する年次登録料減免割合(50%)(※)が同じく適用される。

※特許・実用新案・デザインの4年目の分から存続期間までの年次登録料の減免割合

これにより、銀行がIP金融を実施する時に発生する特許権などに対する年次登録料の納付負担が減り、IP金融がさらに活性化すると期待される。

次に、特許庁は2019年3月に樹立した「国家のイノベーション成長に向けた知的財産生態系イノベーション戦略」により、スタートアップ(※)が特許を取る時に発生する経済的な負担を減らし、優先審査(※※)を通じて特許権を早期に確保し、事業を安定的に進められるようにするためスタートアップの特許出願の優先審査申請料の70%減免制度を導入する。

※創業後、事業を開始した日から3年が経っていない初期創業企業(中小企業創業支援法第2条第2の3号基準)
※※特許出願人ではない人が業として、特許出願された発明を実施していると認められるかまたは、緊急に処理する必要がある場合、他の特許出願に優先して審査する制度(特許法第61条)

制度の実施で、スタートアップの特許出願の優先審査申請料が20万ウォンから6万ウォンに減少し、スタートアップの特許出願料・審査請求料・設定登録料の70%減免とともに、特許獲得の費用が減り特許権を速やかに確保できると期待される。

一方、特許庁は3年分以上の年次登録料を一度に支払う場合に適用する割引率を、現行の5%から10%に引き上げる。

特許庁はこれにより、中小企業などが年次登録料の先払いによる割引の恩恵だけでなく、登録料の納付時期を逃し権利を失う事例を防ぐことができると予想している。

最後に、出願人などが「手数料事後減免(※)」を申請する場合、行政情報の共同利用に同意すれば口座番号の有効性検証のための預金口座の写しの提出が省略され、提出書類が少なくなる。

※手数料の減免対象者が出願料などを納付する時、減免対象であることを証明する書類などを添付しなかったため手数料の減免を受けない場合、事後に減免を申請する制度。

今回の改正案は9月2日から10月14日までの立法予告期間と、法制処の審査を経て公布・施行される予定で、詳細については特許庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます及び統合立法予告システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

特許庁情報顧客支援局長は「今回の改正案は特許手数料政策を活用してIP金融を活性化し、知的財産生態系のイノベーションを図るためだ」とし「これによって特許創出と活用促進などの政策連携を強化することができる」と予想した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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