知的財産ニュース 光療法の大衆化、光学機器関連の出願が増加

2019年11月1日
出所: 韓国特許庁

LEDマスクに関する出願が年平均39%増加

外見と価格対性能比を重視するトレンドが広がり、家で自ら自分の体や健康を管理する「ホームケア」が大人気である。これにより、韓国の家庭用美容機器市場が2013年の800億ウォンから、2018年には5,000億の規模と推算され、年間10%以上成長している。(※)家庭用美容機器市場に光、微細電流、超音波、高周波などを利用する皮膚管理製品が新たに登場している。LEDは体積が小さく、安価で、皮膚科のレーザーよりエネルギーが低いため安全だという特性を活用して、皮膚の治療・管理用光源として、LED(Light emitting diodeの略路、光源の一種)を適用した製品が注目されている。これらの製品に活用されているLEDは、波長別に皮膚を透過する深さが異なるため、選択的処置が可能だという特徴を持っている。

※出所:Meritz Securities Industry Brief(2019年3月12日)

特許庁によると、光学の治療・美容機器の特許出願で、2014年前の5年間における年平均出願件数は約130件前後と、大きな変化がなかったが、2014年後には年平均14%(2014年に130件 → 2018年に218件)増えていた。

光学の治療・美容機器の対象部位別では、ここ5年基準で、顔、頭皮・毛髪を含む皮膚が53%、体内(口腔、鼻腔など)が31%、その外が16%と皮膚対象機器が半分を超えている。

皮膚対象機器を細部的にみると、顔が28%、頭皮・毛髪が15%、皮膚の一般が46%、皮膚病症が10%の割合で出願された。

一方、光学の治療・美容機器分野における出願人別の出願割合は、中小企業が47%(418件)、個人が23%(204件)、大学11%(98件)の順であり、中小企業と個人が主導している。

皮膚対象機器の中で、特に、LEDマスク(※)にかかわる特許出願が大きく増加しており、2014年後には年平均39%(2014年に12件 → 2018年に45件)が増えている。

※LEDマスク:LEDの光を皮膚の特定部位(顔、首)に照射し、皮膚の状態を改善する美容機器

この出願技術には、マスクの形態や光源の変更や、照射方法の制御などユーザーの利便性と安全性・効果性の向上に関するものが多かった。

特許庁医療技術審査チーム長は、「韓国はビューティー産業とICT分野の強国であり、医療・美容分野に最新の技術を融合してグローバル市場をリードする十分な潜在力を持っている」としつつ、「グローバル市場の拡大に備えR&Dを増やし、知的財産権を確保することで競争力を高めていくことが重要である」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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