知的財産ニュース 国家知識財産委員会、2018年年次報告書発刊

2019年4月16日
出所: 韓国科学技術情報通信部

革新成長と雇用創出を促進する知的財産エコシステム造成に取り組む

大統領所属の国家知識財産委員会(共同委員長:国務総理 イ・ナギョン・民間委員長 ク・ジャヨル、以下、委員会)は、「2018年国家知識財産委員会年次報告書」を発刊した。

委員会は、毎年、知的財産関連動向と前年度の知的財産施行計画の主要内容および成果をまとめた年次報告書を国会に提出する。(知的財産基本法第15条及び同法施行令第17条)

国家知識財産委員会の概要

「知的財産基本法」第6条に基づく知的財産(IP:Intellectual Property)に関する政府の主要政策と計画を審議・調整する大統領所属委員会
(構成)委員長(共同委員長:国務総理 イ・ナギョン・民間委員長 ク・ジャヨル)、政府委員
(※)13人、民間委員18人

※企画財政部・教育部・科学技術情報通信部(幹事)・外交部・文化体育観光部・農林畜産食品部・産業通商資源部・保健福祉部・中小ベンチャー企業部長官、国家情報院長、国務調整室長、公正取引委員長、特許庁長

今回の報告書は、知的財産政策環境、2018年度国家知的財産施行計画と主要成果、国家知識財産委員会の活動および知的財産関連の主要統計などを盛り込んでおり、主な内容は次のとおりである。

知的財産政策環境

一部の主要先進国の貿易措置などにより、2018年度の世界経済成長率は3.7%に留まり、世界の主要国はこうしたグローバル景気の低迷を乗り越えるために、第四次産業革命の先導技術に対する知的財産政策を推進している。

中国は国の主導の下、新技術関連の特許活動などを奨励し先端事業の育成に集中しており、日本はデータを活用し経済・社会の発展を図るべく不正競争防止法の改正など、法制度的基盤を整備した。

2018年度国家知的財産政策と主要成果

韓国政府は、「革新成長と雇用創出を促進する知的財産エコシステム造成」というビジョンの下、知的財産戦略を推進し、新産業分野における知的財産(IP)の確保および活用率の向上、権利者のIP保護強化など、所期の成果を達成した。

文化体育観光部は、中小企業の海外進出支援に向け海外著作権センター(4ヵ所)を中心に、進出から契約締結、侵害対応までパッケージ支援(115件)を行い、韓流コンテンツ(※)の輸出拡大に貢献した。

※「ザ・キング」など映画7編、ドラマ48編、芸能34編、音楽およびその他4,133編など

関税庁では、通関・流通段階での知財権侵害物品の取り締まりを強化(※)しており、特許庁では、「知的財産一般」の教科適用学校を拡大(※※)するほか、IP専門投資ファンドの規模拡大((2017年)480億ウォン →(2018年)1,000億ウォン)およびIP価値評価の強化などを推進した。

※オリンピック関連商品10,204点(5億ウォン相当)、偽ブランド品の腕時計641点(33億ウォン相当)、偽キャラクターグッズ13,140点(3億ウォン相当)、海外の偽ブランド品4,772点摘発

※※(2017年)9カ校、(2018年)22カ校、(2022年)200カ校

2018年の韓国の産業財産権出願件数は480,245件で2017年比4.9%、著作権登録は44,919件で2017年比4,296件増加し、知的財産権貿易収支は7.2億ドルの赤字で前年比9.6億ドル改善した。

国家知識財産委員会の活動

2018年度には、民間委員19人を含む第4期国家知識財産委員会が発足(任期:2018年1月22日~2020年1月21日)し、2018年の1年間、計3回の全体会議(第21次~第23次委員会)を開催しており、「2018年度国家知識財産施行計画」など計13件の案件を審議・議決した。

さらに、9月4日が「知識財産の日」に指定(2017年12月19日知的財産基本法改正)され、国務総理・民間委員長・国会議長および知的財産分野の主要関係者などが出席し、第1回記念式が行われた。

委員会は、今回の年次報告書を国会と関係部処に送付するとともに、国家知識財産委員会ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにe-Bookを掲載する計画である。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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