知的財産ニュース No touch、コンピューターと話し合ってください

2019年10月28日
出所: 韓国特許庁

音声、ジェスチャーなど、マルチモーダル・インタフェース特許出願の現状を中心に

涼しい秋の10月ある日午後、大田からソウルにまで運転しながら「◯◯、美味しいお店教えて」と、スマートフォンに向かって友達に話すように言うと、GPSから現在の位置(天安)情報がリアルタイムで共有され、気温、天気、湿度の気象情報と自動的に連携し、今の感情を顔の表情から読み取り美味しいお店のリストを走行中に列挙する。

人がコンピューターと便利に相互作用することができる、マルチモダリティ(※)技術が発展している。

※マルチモーダル(Multi Modal)は、いろんな形態と意味でコンピューターと対話する環境を意味する。「モーダル」はモダリティ(modality)を意味し、「モダリティとは、インタラクション中に使われる意志疎通のチャンネル」を意味する。

マルチモーダル・インタフェースは伝統的テキスト以外に、音声、ジェスチャー、視線、表情、生体信号など様々な入力方式を融合して、人間とコンピューターが自然にコミュニケーションすることができるユーザーフレンドリー(user-friendly)技術であり、過去の機械中心の入力から、現在はヒューマン中心の自然な入力方式へと変化している。

特許庁によると、ここ10年間(2009年から2018年)マルチモーダル・インタフェースに関連して、計149件が特許出願された。

2009年から2015年までは、マルチモーダル・インタフェースに関わる特許出願が少なかったが、2016年に12件、2017年は20件、2018年には39件と最近になって増加している。

ここ5年(2014年から2018年)を見みると、2016年までは2個ほどの入力が主に利用されていたが、2017年以降はジェスチャー、顔、生体信号などの入力が融合して、3個以上の入力方式を活用した出願がますます増加していることが分かった。

2014年と2018年を比べると、生体信号部分(脈、心拍数、虹彩、指紋)が2件から11件と、5.5倍増え最大の増加幅を見せており、続いて音の部分(音声、音楽、音響)が7件から28件と4倍増加した。

そして顔、ジェスチャー、におい部分も計12件から35件へと2.9倍増加した反面、伝統的テキスト部分(キーボード、タッチパッド、電子ペン)は9件から7件に減少した。

出願人別では、内国人の出願は計88件(94%)で、研究機関や大学の出願が51件(54%)、続いて個人や中小企業の出願が28件(30%)、大手企業の出願が9件(10%)の順であり、外国人の出願は6件(6%)を占めている。

多出願人を見ると、韓国電子通信研究院が21件、サムスン電子が5件、LG電子、(株)アモーレパシフィックや韓国科学技術研究院は4件、(株)アクリル、(株)スマートオールウェイズオン、国民大学および忠南大学は3件であった。

特許庁コンピュータシステム審査課長は、「マルチモーダル技術は、ゲーム、娯楽などで既に実用化され、モノのインターネットと連動した技術に拡散されており、今後、コンピューターを体に付けるユビキタスの世界では、人間の学習能力を模倣した人工知能を融合した未来の入力方式に進化すると予想される」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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