知的財産ニュース 中米5カ国での韓流ブーム、FTAでK-知的財産権保護を強化

2018年2月23日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、韓国がアジア諸国では初めて中米5カ国(注1)と自由貿易協定(2018年2月21日に署名)を締結したことで、中米における韓国企業の知的財産権保護が強化されることが見込まれると述べた。

K-POPとドラマから始まったコスタリカなど中米での韓流ブームは、韓流スターが着用したり、ドラマに登場した韓国企業の商品にまで急速に拡大している。このブームにより、ドラマに露出した商品、キャラクターなどを活用した付加事業で収益が発生しかねないため、中米に進出する韓国企業は商標・デザインなどの産業財産権を活用した海外進出戦略を模索する必要がある。

韓国・中米間の自由貿易協定(FTA)では、従来の国際ルールよりも強化された知的財産権の保護が可能となるが、中米の国に登録されていない韓国企業の有名商標の場合、一定の要件を満たせば、多様な商品を含め、広い範囲まで保護することができる。

また、韓国ドラマに登場した製品の見た目が中米5カ国で無断でコピーされた場合、デザインとして登録されていない状態でも、製品の見た目の使用を禁止する土台ができ、韓国企業の優秀なデザインがさらに保護されるだろう。

他にも、最近、韓国企業の出願が急増している音商標も中米5カ国で保護を受けることができ、特許に関する優先審査制度も導入し、審査の遅延により生じる韓国企業の不便を解消する基盤ができた。

*韓国企業の音商標に関する韓国国内の出願件数:2015年3件、2016年5件、2017年17件

特許庁産業財産保護協力局の局長は「韓国・中米間のFTAにより規定された知財権関連の内容は、非常に先進的なもの」と評価し、「特に、効果的に知財権を保護するために設立される「知財権委員会」を活用し、韓国企業が抱える悩みや問題点を積極的に伝え、知財権保護とともに中米での韓流ブームの拡大にさらに取り組みたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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