知的財産ニュース 特許庁、海外進出企業の知財権保護のために210億ウォンを投入

2018年2月5日
出所: 韓国特許庁

革新成長分野の輸出企業を発掘し、海外における知財権紛争予防戦略などに関するコンサルティングを実施

韓国特許庁は、海外進出している中小・中堅企業の知的財産権を保護するために、今年は前年比15%増の210億ウォンの予算を投入すると発表した。

米国、欧州などの先進国との間では特許紛争が継続的に発生しており、中国などの途上国との間では技術格差が縮まっている状況を考え、今年は革新成長分野の輸出企業支援に重点を置いて事業を推進することにした。

このため、企業の申請に依存していた従来の消極的な支援方式から脱し、革新成長の輸出企業を積極的に発掘し、特許紛争の予防戦略および回避設計など、海外進出のための総合的なコンサルティングを支援する。

また、海外知識財産センター(IP-DESK)、知財権訴訟保険も活用するなど、多角的な支援を行う予定である。さらに、従来は商標・デザインに限って支援していたIP-DESKの出願費用を特許まで拡大するとともに、それに必要な付帯費用も増やし、現地での特許競争力を備えることができるよう力を入れる予定である。

一方、中国、東南アジアなどの途上国では韓国企業の商標が無断で先取りされ、オンライン・オフライン上で偽造品が流通する問題が後を絶たない。そのため、そうした問題に対応するために選択と集中、自動化されたモニタリングシステムを通して効率的に支援していく予定である。

まず、昨年9月、中国の商標ブローカーに対する無効審判での勝訴事例に基づき、今年は「共同対応協議体」支援事業を活用し、できる限り申請企業すべてを支援する予定である。また、海外のオンライン・オフラインで流通する偽造品による被害に対応するためにも、中国の一部の電子商取引企業に限定していた偽造品に対する対応協力を、タイ、インド、ベトナムなどの主なショッピングモールへと拡大する。

最後に、増え続けているゲームおよびアニメーションなど、韓流コンテンツの輸出を考え、海外でのコンテンツの商品化および知財権保護戦略の策定などに対する支援も本格化する。

特許庁は2017年、知財権保護の必要性が高いインドとインドネシアでIP-DESKを追加で開所した。全体のIP-DESK(14カ所)では6,598件の法律諮問や出願費用支援、侵害調査などを行い、紛争コンサルティングでは前年比31%増の640社、訴訟保険では前年比17%増の258社を支援した。また、中国のオンラインショッピングモールで偽造品を販売する掲示物20,302件を削除する成果を上げたと発表した。

特許庁産業財産保護協力局の局長は「海外知財権紛争支援事業を通じ、韓国企業の知財権に対する意識と対応力が向上し、海外進出もさらに活発になることを期待している」とし、「外交部、産業部などの政府関係部処およびKOTRA、韓国知識財産保護院などの知財権保護の専門機関と積極的に協力することで、韓国企業の海外進出に役立つような政策を継続的に推進していきたい」と述べた。

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